特養にいる父に会いに行きました。

わたしと会うと、毎回新鮮に驚く父。
 

 

 

ベッドに寝たまま、わたしの方に手を伸ばし、

「手を握らせて」

と言いました。

 

 

わたしが差し出した手を、父は両手で包み、

「お〜、あったかいねえ。◯◯家の人間はみんな手が温かいんだよ」

と言います。そう言う父の手は冷えていました。

 

 

 

父の手を握り温めていると、

「小学校1年か2年の頃遠足があってさあ、冷えて寒かったんだけど、きょうだいたちと手を握り合ってねえ。それがとても温かくてよかったんだよ」

とペラペラと本当にあったのかどうかわからない過去の話をしていました。

 

話す内容が何であれ、父がたくさん話してくれると嬉しいです。