夜11時。
父が入所している特養から電話がありました。
こんな遅くに電話があるのは初めてのことです。
何事かと思いながら出ると、
「父がベッドから降りる時に転んで足をケガした」
と言われました。
施設にいる看護師さんが救急車を呼ぶ必要があると判断。今から施設に来て、救急車に同乗して欲しいとのこと。
タクシーで駆けつけると、父は救急車で横たわって目を閉じていました。

わたしのことがすぐにはわからなかった父ですが、何とか認識してくれた模様。
痛い痛いと繰り返し言っていました。
かわいそう。
救急隊員さんが言うには、入院は確実で手術も必要になるんじゃないかとのこと。
父が痛がっていて、見ていてつらい。
「お父さんは転んでケガしちゃったの。これか、病院行くからね。もう大丈夫だからね」
と呼びかけますが、すぐ忘れてしまいます。
転んだことも忘れているから何で痛いのかわからなくて、
「痛いよ痛いよ。痛いのもうやめてくださーい」
と大きな声で言います。
「あとどれぐらい我慢すればいいの」
と父が言うので、
「5分。5分我慢して」
と言ってみました。
「へえ、5分も!」
と絶望を見せるので、
「じゃあ、3分!3分ならいける?」
と励ましました。3分で何も変わらないけど。
これからどうなっちゃうんだろう。