本を読みました。
俺ではない炎上 浅倉秋成



「六人の嘘つきな大学生」がおもしろかったので、この作品も読んでみることにしました。
Twitterに殺人を匂わせる投稿があり、一般のユーザーによりすぐに個人が特定され糾弾されていきます。
特定された本人は見に覚えのないことですが、会社から追いやられ、家にも帰れなくなります。
すぐに誤解は解けるだろうという期待も虚しく、誰を頼ることもできず逃走します。

最初の方で読むのが苦痛になって、最後まで読み切るべきおもしろい作品なのだろうかとAmazonのレビューを見たらさっと見ただけでネタバレ満載なレビューがいくつか目に入ってしまい、小説を読む時はレビューを参考にするのはやめようと心に決めました。
みなさんもこの本読みたいなら、Amazonのレビューは見ない方がいいですよ、絶対。
レビューを見たせいで犯人もわかってしまったのですが、それでも後半になると「えっ、この人が犯人?」「えっ、ちがうの?この人?」と翻弄されました。
ネタバレしたが故に読みやすかった面もありました。

ある人物に一貫性がないように感じられたり別の人物の発言に納得いかない点もありますが、最後まで読んでよかったとは思います。

「六人の嘘つきな大学生」でも感じたのは、読みながら「あれ?」って引っかかるところがあって、でも自分の中で辻褄を合わせたりすっかり忘れてしまったりするのですが、それが最後に「あー、こういうことだったのね」となるのが面白いところです。

報道されていないのに「こいつが犯人だ」とSNSで個人を特定して糾弾するのは現実でもあることで、リアルに描かれていました。
(わたしはそのリアルさが読んでいて苦痛でした)

SNSの炎上を描いた作品だと、湊かなえの「白ゆき姫殺人事件」もありますね。