先日ご紹介した本を読み終わりました。
20年あまり母親の介護をしてきた麻里。
若い頃と変わらないねと言われるけれど、雰囲気は変わらないものの体型は変わっています。太ったせいで身体のあちこちに起こる様々な不調。
更に、今までのやり方では人間関係もうまく回らない予兆を感じさせます。
そして、プールに通うことになるのですが…。
麻里は一念発起して「変わるぞ!」とやる気に満ちているわけではありません。
むしろ「もうやめよう」「これで終わりにしよう」と何度も考えます。
断れず、何となく流されてということもありますが、イヤな思いをした後に些細な挨拶を交わすことで気持ちが救われることもあります。
母と同じ病気になって死んでいくだけだと諦めていた主人公。断れず、人に流されることばかり。
そんな主人公が、プールに通い続けること、仲間との交流で変わっていきます。
何かにつけて応援してくれるのが、長年の友人である千尋。
口は悪いのですが、愚痴を聞いてくれたり、麻里を言葉でも行動でも応援してくれます。
現実には、こんなに応援してくれる友人がいる人ばかりじゃないよ、と考えてしまいますが、介護を終えて第二の人生を歩もうとする人の背中を押すのは、友人だけじゃありません。
この小説も、背中を押してくれると思います。
