父が滔々と語る妄想。
わたしはてっきり、居場所がなくなる不安の表れだと考えていました。
けれど、父がとめどなく語る言葉を聞いていたら父の本音が垣間見えました。
「死ぬまでここに住んでいたい」
わたしは「ここに住めなくなっても、次に住むところはわたしが探す」と言っていたけれど、その言葉は逆に父の不安を煽っていたのかもしれません。
父の願いは、叶えられないと思います。
父一人ではここで暮らせないし、わたしがいつまでもいるわけにもいきません。
母が退院できたとしても、父と二人で暮らしていくのは無理があります。
父の願いが叶えられないとしても。
せめて、父の気持ちには寄り添っていけたらと思います。