父の妄想が止まりません。


もともとは今、住んでいる団地が建て替えという話でした。

それが段々と、団地がなくなってみんな田舎に帰るという話に。

団地がなくなってみんな田舎に帰るなら、お別れ会をしたらよかったなあ、とか。


この団地ができる前は、軍の施設だった。

練兵場で、兵隊の訓練をしていた。

入居する前に見学に来たら、鉄砲を打ったりしていてまだ戦争は終わってないのかと思った、とか。


わたしが生まれる十年以上前のことなのでこの団地の入居当時のことは知らないけれど、練兵場じゃなかったことは知ってる。

時代的におかしいのはもちろんだけど、この団地ができる前に何があったか小学校で習ったから。


めちゃくちゃな話をする父を見ていると、悲しくなってきます。


昨日は寝るのが遅かったし、今日もあまり昼寝していないから記憶の混乱がよりひどいのかも。


居場所を失う不安が根底にあるのかと考え、

「この団地がなくなっても、お父さんが次に住むところはわたしが責任を持って探すから。何も心配いらないから。安心していいよ」

と言いました。


父は、

「そんなこと言ってくれるのはあんただけだよ。嬉しいなあ」

と言いましたが、その後もまた団地の建て替えの話をします。


この団地がとんでもなく古いのは事実です。

建て替えの可能性もあるかと考え、ネットで検索してみました。


すると、建て替えの計画は本当にあるらしいです。今すぐ退去というわけではなさそうだけど。

すごいな、インターネット。何でもわかる。


お父さん、すべて妄想と決めつけてごめん。