長谷川式認知症スケールでおなじみの質問を、先生が始めました。
年齢や今いる場所は既に質問していたので、記憶力や計算の質問をしました。
ちなみに年齢は89歳と答えていましたが、2年の誤差は正解らしいです。
父は短期的な記憶はできて、後から思い出すのはできませんでした。
計算も100-7はできましたが、そこから更に7を引くのは間違えました。
点数は、14点だったかな。
満点は30点で、20点以下であれば認知症の疑いがあるとのこと。
先生の判断だと、軽度から中度の認知症だけど、年相応で特別病的というわけではない、というようなことを言っていました。
診察を受ける前に問診票を書いたのですが、
「暴言や暴力はありますか」
「便を触ることがありますか」
などの設問がありました。
先生からの質問でも「外で迷って警察にお世話になるようなことはないですか?」などと聞かれて、思いました。
ああ、世の中の認知症がひどい人というのはそれぐらいの域なんだな、と。
父の物忘れにはほとほと困ってはいるのですが、専門家からすると重症とは言えないのかと複雑な気持ちになりました。
重症であると判断された方が、要介護認定も軽くつけられずに済んで選択肢が広がると考えていたからです。
父はたくさん質問をされて頭を使い、すっかり疲れてしまいました。
父が先生に質問されて頑張っている姿を見ていると「がんばれ、がんばれ」と応援したくなる自分がいました。
重症と判断された方がいいと、頭では考えているのに。
数年前、母が父を病院に連れて行った時は、父が頑張ってしまって「年相応の物忘れ」と判断されてしまいました。
母は相当困っていたのに。
あの時、適切な診断をされていれば。
わたしが母の話を親身になって聞いていれば。
たらればを言っても仕方ないけど、悔やまれます。
