人はいつだって自分が完全な人だと思っている。
それはいくら嘘だと言っても変わらない真実。
自分の産んだ子供が
明らかに身体的欠陥をおっていると分かった瞬間に
発育の段階で脳にショウガイがあると発覚した途端に
人は自分を責め、相手を責める。
どうして私の子が。
どうして愛する貴方の子が。
どうして。
どうして。
それはですね。
人間だからです。
欠陥だらけに高次機能ばかりを手に入れて、自分が不完全な生き物であるということを生きているうちに忘れてしまう。だから、その事態を上手く飲み込めなくて相手を、自分を責め、後悔し、嘆く。
悲しみのあまり、自分までもが錯乱してしまう人もいる。どうして?私はそれこそ分からない。どうして、自分の身が滅ぶまで嘆き憐れむことがあるのか。
それは当然のこと。
何億という細胞がさらに分裂していく過程で、ボタンの掛け違いが起きないことの方が奇跡だと思う。だって、私たちは今まで何回、自分の服のボタンを止めてきた?100億回もきっとしていないでしょう。それなのに、私たちは何度段違いに止めてみたりはずしてみたりをしてきた?一度もボタンをかけ間違えたことがない人なんているのかしら?
ただそれがかけ直せないだけのこと。
一度間違うとかけ直せなくて、一生懸命そのまま成長しようとするから、その違和感が大きくなったり、ねじれたりする。
ただそれだけ。
そう。
人間はいつだって不完全で、永久に完全になれることなんてない。
それを忘れさせるこの世界が、全て錯覚で、本当は程遠い。
そんな世界にいるのだから、私たちは。
嘘、偽りなく。
綴。




