今週の刃牙らへん/第32話 | すっぴんマスター

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(※注:ゲーム攻略サイトではありません)書店員。読んだ小説などについて書いています。基本ネタバレしてますので注意。気になる点ありましたらコメントなどで指摘していただけるとうれしいです。

第32話/叫喚


ジャック対ピクル、いまのところピクルにいいところがないまま、ジャック優勢ですすんでいる。
ダウンしたピクルの、左の上腕二頭筋にジャックがかみついている。このあたり、切れるとやばい血管があるんじゃなかったっけ。
ジャックは噛んだままピクルを抱えて立たせ、すぐに投げの体勢に入る。なんだかよくわからない位置関係でうまく想像できないが、不自然な体勢ではあり、ピクルも耐えるがやがて踏ん張っていた足がすべり、肉を噛み切るとともに投げが決まる。というより、噛み切るために投げたという感じっぽい。「噛みつき」が通常の技術のなかに練り込まれているという、宿禰の卓見通りなわけである。

投げじたいもすさまじく、ピクルはしばらく横になったまま呆然としている。やがて噴き出した血に目が覚めたか、起き上がったピクルが肺のなかの空気をぜんぶだす感じの咆哮をする。怒りの咆哮なのだろうが、息吹と同じことをしているわけで、我を取り戻し、筋肉にちからをみなぎらせる方法を、野生なりに知っているのかもしれない。

ジャックをにらむピクルが構える。爪と歯を剥き出した構えだ。脇もしぼって止血効果もありそう。
とびかかり、ジャックの首に組みついたピクルの攻撃は、めっちゃ痛そうなやつだ。むきだした足の爪で、ジャックの腹をバリバリ引き裂くのである。実況がいうように、ジャックの腹の上で引っ掻きダッシュをしているわけである。
非常に強力な攻撃で、ジャックも歯を食いしばって耐えているが、ダウンとかそういうことにはならないようだ。出血も激しく、勝ちを確信したか、ピクルも笑顔になるが、冷静にピクルの右手をあごでとらえたジャックは、肘を下から打つ。折れたかはずれたかしたその右腕に今度は噛みつくのだった。



つづく


ピクルがぼこぼこにやられているわけである…。
ピクルにいいところがない、と感じるのは、それだけジャックが強くなったということなのだろう。じっさい、ピクルというのはすさまじい耐久力とパワーだけでバキらを圧倒してきたので、それが無効になれば、ファイターにとってはどうということもないのかもしれない。問題はどう無効にするかだが、ジャックの噛みつきは、ピクルの持っている骨格的な、器質的な強さをゼロにしてしまった。首が太ければ打撃に強いのだとしても、噛み付いて肉をえぐれば関係ない。パワーを無効にすることも、要はかわせばいいわけで、バキはそれができていたから負けなかった。
今回のジャック戦ではまだピクルの打撃がちからを発揮していない。だからこそ、ピクルがぼこぼこにされている、いいところがないと感じるわけだが、それもジャックの攻撃によるものだとしたらどうだろう。ジャックのあごは強力だが小さい。恐竜がする噛みつきとはまた違った痛みを、なんなら前代未聞の痛み感じているはずだ。それがピクルの調子を狂わせる。あいまには無視して耐えるには強すぎる打撃がはさまれ、きわめてストレスのかかる状況で、ピクルはなにもできないでいるわけである。
ピクルの攻撃は、もちろん強いのだが、かわそうとしてかわせないものでは、基本的になかった。烈や克己はガードもしていた。それがなぜ、最終的には決定打をもらってしまうかというと、それはいまのピクルと同じ状況なのである。ファイターは、ただ食べるため、また生還するためという、短絡で闘っていない。複雑な動機と複雑な技が、闘争には織り込まれる。だから矢継ぎ早の攻撃で意識に穴が生じることもある。しかしそれは相手もそうなのだ。だが、だとすると、いまのピクルは現代のファイターに近いマインドセットでたたかっているということになるだろうか。そのようにするにはまだ早いが、ことばを獲得しつつあることもあり、ありえないはなしではないかもしれない。以前までのピクルは、ひとつの入力に対し、ひとつの出力をする、というしかたで生きていた。野生はそれでかまわない。しかし現代のファイターは、逃げれば生還できるタイミングでも、プライドによる居場所の護持、あるいは「たたかったほうが生還率が高い」等の判断をしうる。おもえばジャックとの初戦でピクルはそういうことをしていたが、あれはそれだけの決意を必要とすることだったのである。
そうして、ある意味いくつもの不自然をまといつつ、現代のファイトは成り立つ。そのなかで、うまく動けないピクルが、今回咆哮したわけである。

左腕をかまれてもそれが使えないということはないようだ。とするとここからは出血が問題となるだろうか。へたに意識があると輸血できないから、気絶したタイミングで光成が止める感じかな。もう少しピクルの打撃がみたいけど、両腕プシューじゃさすがにもうだめだろうな。



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