メンタル的にはそう問題があるようでもなく、気力は充実しているが、忙しくて、帰ってきてすぐ寝てしまったりすることが多くて、また更新が雑になりつつある。せっかく取り戻しかけたリズムなので、以前リハビリ的にやっていたのの続きを書くことにしよう。今回はぼくの英語学習について。ロシア語についてはこちら。
といっても、ぼくは別に英語がペラペラなわけではないし、得意でもない。得意だったこともない。学生時代は苦手科目のひとつであった。だからこそ勉強しているわけである。英語を勉強することじたいはいまでは苦ではない。むかしは苦だった。要は、受験勉強として規則を学んでいくあの過程が、ぼくには難しかったのである。
もはやおぼろげな記憶になっているが、継続的に勉強するようになったのは、たぶん村上春樹・柴田元幸の影響がかなりあるとおもう。いまはもう紛失してしまったが、たとえばアルクから出ている『ハイブ・リット』のシリーズである。両者の名義でそれぞれ出ているが、レイモンド・カーヴァーなどの短篇小説を、それぞれの翻訳つきで、ばあいによっては作者本人による朗読CDで学習しようというものである。いまおもえば、あのころの英語に対する態度は毎度思いつきのもので、しばらく勢いよくやって、何ヶ月も放置、みたいなことをくりかえしており、もちろん、身につくなどということはなかった。言語体系というのは思考法のあらわれである。「よし、ここではこういう思考法を使おう」というふうにひとは思考しない。自然に、ふさわしい思考法があらわれてきて、こたえに向かっていく。そのときに用いられる方法は、もはや前景化されることはない。だから、とりわけ外国語学習はとにかく継続することが推奨されるのである。
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以降、サリンジャーやカポーティなど、比較的たやすく手に入る小説の原文を力技で読むようなこともあったが、それもまあ、英語を学習したり、あるいは原文での読解を楽しんだりといったようなものではなかった。ふつうに英語の授業を受けてきたものなら、辞書があればそれくらいのことはできるのである(ぼくは学校さぼりまくりでふつうには受けていなかったが・・・)。
で、いまはというと、NHKの実戦ビジネス英語とラジオ英会話をつかって勉強している。これは、やはりロシア語をはじめたことが大きかった。その段階までは、ぼくの英語熱は散発的なもので、ときどき、村上春樹が英語で小説を学び、また書いて、それを日本語にしたというようなはなしを聴いたりして思いつきではじめたりするだけで、体系的でも習慣的でもなかったのである。それが、ロシア語に取り組み、予想以上におもしろくなってきたことで、いやいや待てよ、同じように英語も取り組めばよいのでは?というふうになったわけである。さいわい、当時はまともな書店につとめていて、NHKのテキストはごく身近にあった。ちょうどスマホにもなった時期である。かくして、ロシア語同様、スマホから聞こえるラジオの再放送とテキストをつかって、継続的かつ習慣的に学習をするようになったわけである。
ロシア語のときにも書いたが、NHKラジオはアプリをつかって聴いているのだが、これをストリーミング再生できるのは、放送の翌週1週間だけだ。つまり、その間に該当する講座はとりあえずは済ませねばならない。このある種の縛りが、ぼくのようなナマケモノには効果的なのである。とはいっても、それはほんとうに「とりあえず」ではいけない、ということも、つくづく感じているところである。時間なくて、疲れきってて、でも英語やんなきゃということでラジオをつけても、集中していないと、ほとんど意味がない。ほんとうに、意味がない。英語はまだマシかもしれない、ロシア語では、まだまだ、かんたんに聞き取れるようなレベルではないから、ただたんにノイズ、ないし心地よいBGMが鼓膜のうえをすべっていくだけである。これが母語、日本語だと、聴き取りに必要な労力というのは知れている。だから、はんぶん寝てても、以外と内容は聴いていたりするものだ。しかしその言語が馴染みから遠くなるほど、「ただ流す」ということの意味は失われていく。この点、ぼくが主張したいのは、長時間流すより、短時間集中してやったほうがいいということである。むろん、いちばんいいのは、長時間集中することだが・・・。
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当初は実戦ビジネス英語だけやっていたような記憶もあるが、これはけっこうレベルが高い。ビジネスの現場の雑談という場面が想定されていて、トレンドも知ることができるし、単語の説明も英語で行われ、非常におすすめのチャンネルではあるが、あまりにじぶんのレベルと離れていると、くりかえすように意味がない。ぼくでは、テキスト片手に真剣に聴いて7割程度理解できるかな、というところだった。そういう段階で、ラジオ英会話もおもしろそうだな、ということになった。こちらは参考書類も大人気の大西泰斗先生の講座である。単語をイメージで記憶しようという提案や、説明ルールのような独自の表現を用いて、生きた英語を、英語のまま学習しようという試みをされている先生である。英語は英語で、という視点は、もっともではあるが、研究者によっては批判もある。まあそのあたりは、成人して、しっかり母語が確立されているのであれば、おのおの気に入った方法を採用すればよいだろう。ぼくの中学時代の担任は、英語がほんとうにペラペラで、識者と講演したりなんかもしていた教師だったが、そのひとがいうには、英語の勉強は教科書に書いてあるそんなに難しくない文章を毎日朗読して覚えてしまうだけでいいというのである。ぼくは素直なので、その当時ほんとうにそれを実行して、たしかに成績の伸びを実感したのだ。まあ、学校教育は大部分受験勉強を目的にしているので、次第にそれだけではやっていけなくもなったのだが・・・。そして、大西先生も似たようなことをいっている。使用されるダイアローグはすべて朗読して暗記しようと。数が膨大になるにつれ、なかなか暗記というわけにはいかなくなってきてもいるが、その体験もあって、この「とにかく朗読」ということは、ぼくでは不可欠であるという考えである。余裕があるときはビジネス英語のほうも朗読する。気に入った回があったら、音声データを購入してしまってスマホにおさめ、ずっと聴きつづけることもできる。いつのまにかスマホがなければやっていけない体質になってしまったようである・・・。
実戦ビジネス英語は週3回、ラジオ英会話は週5回放送されるから、特にビジネス英語のほうはなるべく2週するようにして、ラジオ英会話は残りを朗読にあてる感じだ。最近はそれに加えて、洋書も読んでいる。なぜなら、洋書担当だからである。といっても、いくどか書いているように、売り上げを去年の3倍にしても、そんなものは売れないと断言される世界で働いているので、気持ちも折れつつあるが、ひまなときはPOPなどつくって(やったことがなかったので知らなかったが、案外ぼくはPOPづくりが上手いようである)、細々と取り組んでいる。で、おもしろそうなものはなるべく読もうと。いま読んでいるのは、紙では村上春樹の『1973年のピンボール』英訳、電子ではRainbow Rowellの『Eleanor&Park』である。はじめて日本語の小説の英訳を読んでみてわかったことだが、これはすごくいい。『1973年のピンボール』はぼくがいちばん読んだ春樹の小説なので、ほとんど覚えている。その状態で読むと、英訳にあたって行われた複雑なニュアンスの操作とかが、かなり細密にわかるのである。できたら辞書をつかったほうがいいけど、そのあたりはラジオでの勉強でがんばって、読書にあたっては、致命的に意味が通らないということがない限り、なるべく筋肉で押し通るようにしている。
洋書担当になってはじめて知ったのが「ヤングアダルト」というジャンルの存在である。YAと略され、日本でも使われることがある。日本の中高生が『君の名は』のノベライズとか、あるいはライトノベルとかを読む感じに近いのだろうか、英語圏の十代の子たちが読むような小説のことをそう呼ぶ。いろいろのぞいてみたが、ヤングアダルトという語がもたらす、なんというか軽さよりも、ぼくはむしろ日本の外の活き活きとした文化的脈動のようなものを感じて、非常にわくわくしたものである。ひとまずは、いちばんおもしろそうに見えた本作を手にしたのだ。恋愛小説といえばそうだが、口語というかスラングというか、若者がじっさいにはどう英語をつかっているのかということが文学的に知れる感じがして、たとえば相方を迎えにいった待ち時間など、ちょっとずつではあるが、毎日楽しみに読み進めている。映画化も決まっているが、なんだかいろいろともめていて、時間がかかっているみたい。
洋書のPOPは、日本語話者に向けて書くのか英語話者に向けて書くのかでちがってくる。たとえば売れている翻訳小説の続編ということなら、まずは日本語話者にということで、まだ翻訳されていない続編だということを書くだろう。だが、それが日本語でも英語でもない小説の英訳だったりしたら、英語話者に向けて書くことになる。日本にいる英語話者の読書家が、みんな日本語の小説を読むとは限らないのだ。『82年生まれ、キム・ジヨン』とかは国際的に評価が高いだろうから、きっと読みたい、けどハングルも日本語も読めない、という英語話者はいるはずである。とすれば、その際にぼくは英語でPOPを書かねばならない。いまの目標は、さらさらっと、気の利いたことを英語でPOPにできるようになることかな、と思う。いまいちおしの洋書は『Pages&co』です。近いうちぜったい大きい波がくると直観しています。
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