今週のバキ道/第18話 | すっぴんマスター

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(※注:ゲーム攻略サイトではありません)書店員。読んだ小説などについて書いています。基本ネタバレしてますので注意。気になる点ありましたらコメントなどで指摘していただけるとうれしいです。

第18話/結髪

 

 

 

 

 

 

2019年最初のバキ道です。

 

たたかいとしては、オリバが肋骨をばらばらにされて投げられたあとだ。オリバを超える怪力は、ピクルや勇次郎など、まだ存在するが、象徴としてはやはり彼である。その彼をあんなにこてんぱんにしてしまったことは、宿禰のちからが作中最高峰であることを端的に示すだろう。

 

で、オリバがどうなったのか、それは今週もわからない。今週は、ほとんどのページを割いて宿禰の結髪である。相撲の結髪というと、床山さんがしゃしゃっとやってるところをよく見るが、宿禰はじぶんでやっている。手馴れた様子だし、やはり大きな組織に属している感じではないのだろうか。

 

えーと、この、整髪料?はなんなのかな。なんかドリアンが拳につけていたグリースみたいだ。すき油というのかな。それを、髪ぜんたいになじませて、くしでまっすぐに立てる。床山さんが髪を結ってるときに、いちばん力士がかっこわるい瞬間である。

宿禰はそこから前髪を掬い出し、二本の蔓を巻いて、縄のようなものをつくる。これが左右にできたら、後ろにまわしてひもで結ぶ。宿禰のおでこをふちどっている謎の縄文がこれである。そして、相変わらず屹立したままの残りの髪を根本でしばり、くるくる巻いて、根元のひもでとめる。これであの髪型の完成だ。こういう描写回はちょっとした文章のトレーニングになるな・・・。

 

光成のところには誰かがきている。服装からして猪狩かとおもったが、ちょっと小さいようでもある。以前より100キロほど痩せたようだ。武蔵を倒した本部を倒した金竜山なのであった。いや、たぶん、そうだろうということ。なぜなら、今回は、「金竜山」ではなく「金龍山」となっているので。親方とかになって改名したのかな。見た目は露骨にいまのあの貴ノ花である。最近退職したところまでモデルといっしょだ。だが、事情は異なるようである。金龍山は、なにかどこかの格闘団体とたたかうつもりでいるらしい。もう横綱ではない、ということで痩せているわけだから、彼じしんがたたかうわけではないのだろう。協会に所属したままでは興行的なことはできない。だから引退したと、こういうはなしだ。

その相手は、光成も認める世界最大の団体らしい。しかし「ガチ横綱」と呼ばれた金龍山は引かないのである。そこへあらわれるのが宿禰である。どうやらこの件には彼がからんでいるらしいのだった。

 

 

 

 

つづく。

 

 

 

 

相撲のはなしとなれば避けることはできない金龍山がさっそく登場してうれしい。

 

金龍山(金竜山)は、かつて最大トーナメントに出場した、数少ない、ふつうに強い力士である。バキ世界では公式の称号が踏み台にされることが多いので、金メダリストとかボクシングのチャンピオンとか横綱とかは、定規にすぎない場合が多々ある。だが金竜山は当時現役の横綱で、宿禰以前に相撲への格闘ロマンを満たしてくれた唯一の人物なのである。なにしろ、あの本部に勝っているのである・・・という表現のしかたをする日がくるとはおもわなかったが、物知りな本部は、知識に走りすぎたというか、力士の小指を捕ってしまい、ふだん小指だけで250キロからの人間を転がしている彼らには通用しないということをうかつにも知らなかったが失念してしまっていたのである。本部はもともと勇次郎に挑戦するような強キャラで、強さの底が見えないタイプだったが、あれ以降すっかりかっこいい出番はなくなり、そのうえでのあの柳戦での驚きがあったわけである。本部は、弱くないのだと。刃牙道を経たいまでは、素手の格闘のほうが本部からすれば不自然だということがわかるし、むしろなにもいわず格闘だからという共通項だけに首肯して最大トーナメントに参加したことからは本部の勇気を感じないでもない。

 

で、おもえばこのことが、バキキャラたちに武蔵の強さを見誤らせていたことを考えれば、金竜山というのはなかなか重要な人物である。本部は、戦国から地続きの技術を継承してきたもののわけだが、金竜山の一件以降、読者だけではなく、たぶん勇次郎を除いた、作中の人物のほとんどが、本部の強さを見誤ってきたわけである。そこで、武蔵と現代のものたちの格闘観は断絶しているのだ。誰も武蔵の「ほんとう」を知らず、イメージのなかの武蔵を実物の武蔵に重ね合わせるほかなかったわけで、手がかりは本部にあったのに、そこに目がいくことはなかったのだから。金竜山がその犯人だとすれば、なかなか興味深い見方もできそうだ。

 

 

今週はまあこういう展開だったから、そんなに書くこともないかな・・・。親方かなにかしていた金竜山は、宿禰と出会ってなにか新しいことを考えつき、どこかの団体とたたかう決意をしたということなのだろう。しかしあれだよな、作中では、最大トーナメントってせいぜい2年前とかのことだよな。激動だね金竜山。