noteをやるようになってから重量級のまじめな記事ばかり続いているので、たまにはのんびり筋トレのおしゃべりでも。
無職になってからは、もっぱらプリズナートレーニング(コンヴィクト・コンディショニング)が中心になっている。
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プリズナートレーニング 圧倒的な強さを手に入れる究極の自重筋トレ
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ポール・ウェイドのこの本を買ったのは去年の9月なので、ちょうど1年続けていることになるが、じっさいには、それまで行っていたトレーニングの割合をかえて行っている感じだった。たとえばプッシュアップ(腕立て伏せ)でいうと、ぼくはデクライン・プッシュアップ(足を椅子にのせて行う腕立て伏せ)をメインに進めてきたのだが、コンヴィクト・コンディショニングで行うハンドスタンド・プッシュアップ(逆立ち腕立て伏せ)がデクライン・プッシュアップの長所をすべて含んでいるから、もしデクラインを行うならハンドスタンドをやればよい、そうでなければトレーニングが過剰になる、というはなしで、基本的には推奨されていない。しかし、ハンドスタンドでももちろん胸をつかうことにはなるのだけど、やはりパンプの具合からいってもきいているのは肩と上腕三頭筋であって、胸は、うーんそりゃまあ、使ってはいるんだろうけど、という感じが否めなかったのだ。そうしたわけで、プリズナートレーニングの指示にしたがってプッシュアップのメニューをこなしつつ、インターバルを多めにとったり、なんなら最後にちょっとだけ余力を残しておいたりして、デクラインも含めたりしてきたのだ。腕立て伏せにかんしては、ぼくはプランシェの練習もしなくてはならない。じつをいうとこの囚人トレをはじめてからあんまりやってこなかったのだが、最近これも再開した。というのは、プランシェじたいは自重トレでは最高峰のトレーニングになるから、順を追って進化していくことを旨とした囚人トレには馴染まないからである。しかし、1年もやってきて、囚人トレという枠組みのなかでも中級者くらいにはなってきているだろうから、新しく得た知見もあるわけだし、無理をしない程度にやってみている感じだ。
困っているのはやはり背中である。周辺にぶら下がれる場所がないことは以前も書いた。近くに公園があって、そこには鉄棒がいくつかあるのだけど、なかなか、ちょっと利用できそうもない。昼間の公園でせっせと懸垂するのはちょっとおもむきがありすぎるし、夜間だと通報が心配だ。コンビニにたまっているヤンキー集団は通報があっても無視するが、残業でくたくたなどうみてもカタギのカップルには積極的に職質してくる、それが国家権力なのだから。
そういうなか、しばらくのあいだは職場の事務所でパイプ椅子を用いてホリゾンタルプルという動作をやっていた。背中合わせにした同じサイズの椅子のあいだに仰向けに入って、背もたれの隙間があるところに手をさして上部をつかみ、からだを引き上げるのだ。頑丈なテーブルとかがあったら、その下に入ってふちをつかめば同じようにできる。コンヴィクト・コンディショニングの懸垂の章ではステップ2とかの、かなりかんたんな部類の種目になり、負荷という面では足が地面についているのでたしかに懸垂に劣るが、懸垂とはまた向きが異なる、ダンベルロウとかに近い動きなので、これはこれで、仮に懸垂をできる環境があったとしても、ときどきはやったほうがいい感じなのだけど、ご案内のとおり、その事務所もいまはもうない。だから背中にかんしては以前の状態にもどって、ダンベルをつかってトレーニングしている。
そういう感じで、去年から、それまで行っていたトレーニングと囚人トレをミックスして、ぜんたいで消耗がかわらないようにコントロールしつつ、ちょっとずつ囚人トレの割合を引き上げてきた。プッシュアップでいうと、最初は壁腕立て伏せからはじまるのだが、さすがにそれだけだとトレーニングにならない。だが、囚人トレの理論としてはそうやって関節から鍛えていくということなのだから、飛ばすこともできない。そうしたわけで、まずやりごたえのないそれを行って、以前よりはおさえたプッシュアップのトレーニングを行う、というふうにしてきたのである。しかし、プッシュアップはいまアンイーヴンの段階に入っていて、これだけでもじゅうぶんきつい、というところにきている。もうデクラインはほぼやっていない。昨日のプッシュアップのメニューは、まず拳立て伏せを何十回かやってウォーミングアップとし(といっても囚人トレが推奨するゆっくりと深く行うものではなくて、それを知る以前の、いわばハーフプッシュアップである)、アンイーヴンのプッシュアップを左右2セットずつやって、最後にプランシェの練習をしておしまい、という感じだ。量的には少ないのだが、ゆっくりやる習慣もついてきているので、消耗ははなはだしい。ちゃんと筋肉痛もくる。片手の深くゆっくりなプッシュアップがマスターできたら、たぶんほかのトレーニングは不要になるにちがいない。
プランシェにかんしてはもう少し工夫を加えていて、まずまともにプランシェを行うのは、トレーニングの最初か最後か、そのときどきで変えている。くたくたの状態でやるのもそれはそれでいいのだが、なにしろ危ない。だから、同じ頻度で、満タンの状態でやるようにもしている。また擬似プランシェ、プランシェ風の腕立て伏せも以前から積極的に行ってきたが、これもあくまで擬似、角度などプランシェとは似て非なるものなので、特に肘が伸びているときの負荷がたりないので、片足だけ水平に持ち上げたり、その状態でしばらく静止してみたり、まあいろいろやっている。ちょっとずつではあるが進歩もみられるので、プランシェだけはずっと目指してやっていきたい。
それで背中は、ダンベルを使っているわけだけども、加えて三角筋の側部も、囚人トレだけではちょっととりこぼす感じがあるので、サイドレイズもルーティンに加えている。このあたりはぜんぶまとめてやっている感じだ。つまり、全日程のなかで、一日だけダンベルを使う日があるということだ。ついでにシュラッグとかもまとめてやっちゃってるから、この日のトレーニングだけは異様に長い。ぼくのもっている最大10キロのダンベルでは軽すぎるということもあって、背中はなるべくいろいろな動きで刺激を加えたいから、プルオーバーとかディップスもやっているし(ディップスは通常大胸筋下部のトレーニングになるが、背中にもくるらしい)、三角筋後部を鍛えるときにドラッグカールをやるので、ついでに上腕二頭筋もやっちゃえという感じでハンマーカールもやったりしているので、ごちゃごちゃと、非囚人トレ的な一日になるのだが、まあしかたないといえばしかたない。懸垂ができればそれもほとんど解決なんだけどね・・・。でも、仮に場所が見つかっても、サイドレイズとシュラッグだけはやるとおもう。しかし、こう列挙してみると、背中の日に、三角筋の横と後ろと上腕二頭筋と僧帽筋もいっしょにやっちゃってるのか。さすがにちょっとまとめすぎかな、という気もするけど、なんでかわかんないけど以前ほどカール系の種目に魅力を感じないし、それ以外の囚人トレがふつうにきついから、いまはこれでいいかな。
プッシュアップ以外だと、ハンドスタンドとスクワットも、それぞれアンイーヴンの段階に入っている。本ではバスケットボールを使っているが、ないので、プッシュアップバーを握らずに代用している。スクワットのばあいは、鍛えないほうの足になるべく体重をかけず、地面に接しているだけの感じにして、深く床まで沈みこむようにしている。つくづく、いままでのトレーニングは中途半端なものだったとわかる。“非常にゆっくり”“深く”行うことが、プッシュアップでもスクワットでもここまで負荷を引き出すものだったとは、以前まではまったく考えられなかったことだ。
ハンドスタンドも、以前までとは異なり、頭頂が地面に接するまでおろし、ゆっくりと上げる、この動作にしたがっているが、肩のトレーニングはむかしから大好きだったせいか、やたら進歩がはやく、ふつうに考えると難易度的にプッシュアップとハンドスタンドが同じということはないはずだが、なぜか同じ段階である。片方の手をプッシュアップバー(本来はバスケットボール)にのせて、スクワットとは異なり、均等に体重を分散して、バランスを崩さないように沈み込むのである。
このアンイーヴンのステップが「上級者の標準」の段階に達したら、次にいけるわけだが、ここから先がまた険しそうだ。ハンドスタンドでいうともう次はほぼ片手、壁に片手を接して支えにする感じだが、ちょっと、兆しすら感じられない。ただたんに「上級者の標準」が示す回数をこなせるかどうかということではなく、もっと念入りにマスターしていかないと、ここからは危なそうだ。厳しい道のりである。
また、新鮮なトレーニングとしてブリッジもフルブリッジに到達しているが、この次は立っている状態から後ろにそっていき、壁をつかって地面でブリッジになる、というもので、ちょうど今日挑戦してみたのだが、まったくできる気がしなくて笑ってしまった。
この『プリズナートレーニング』はすでに2巻が発売されている。本国では3巻も出ているようだが、日本での翻訳はまだここまで。2巻では、首、指(グリップ)、腹斜筋、ふくらはぎといった、身体の末端、外縁のトレーニングと、コンヴィクト・コンディショニングの思想の核でもある関節強化を直接行うストレッチがメインになっている。グリップやサイドクランチもまた鉄棒などを用いるものだからできないものばかりだが、ネックブリッジは新しく取り入れて、10日に一回くらいの頻度でやっている。ふくらはぎはもともとスクワットの日にやってるし、指立ては子どものころから好きだから、とりあえずそれでいいかなと。目からうろこだったのが「トリフェクタ」と文中で呼ばれている関節トレーニングだ。まだぜんぶ読んでいない拾い読みの状態であるのだが、それは要するに「ブリッジ」と「Lホールド」と「ツイスト」である。
なにが驚きだったかというと、「ストレッチ」というものにかんする理解である。ふつう、ストレッチというと、肘に手首のあたりをひっかけて上腕三頭筋を伸ばすようなアレを誰もが思い浮かべるだろう。ストレッチとは、筋肉を伸ばしてやわらかくするものだ。しかしそれはむしろ関節を痛めやすくする。最近の研究で、トレーニングの前に筋肉を伸ばしてはいけない、ということはいわれるようになっているが、この発想はなかった。たとえば上腕二頭筋に着目したとき、カールでは、腕をおろした状態のとき完全にちからは抜けているが、プルアップ(懸垂)のボトムポジションではそうではない。また腕立て伏せをする際、床に顔が接するボトムポジションで、上腕三頭筋はぎりぎりまでストレッチしている。だが、緊張もしている。「ストレッチ」と「緊張」は、ふつう同居しないものと考えられているだろう。ストレッチしているときは緊張していないし、緊張しているときはストレッチしていない、と考えるのがふつうだろう。しかしコンヴィクト・コンディショニングではそうではない。両者は協力しあう。それが実現するのが、たとえば、腕立て伏せのボトムポジションにおける上腕三頭筋のような状態なのだ。これを本書では「能動的ストレッチ」と呼んでいる。筋肉で制御したうえで動かせる限界が、ほんらいストレッチの限界であって、それを超えてストレッチさせる「受動的ストレッチ」は、一時的にからだがやわらかくなったように感じられても、結果的にはケガを呼ぶものなのだと、こういうはなしである(まだぜんぶ読んでないけど)。
こうした思想で行うのが「トリフェクタ」で、これはいちおう毎日やっている。ただLホールドにかんしては、ぼくはハムストリングスがかたくて前屈ができないので、やはり擬似的なものになっている。じつはピストルスクワットなども、同じ理由でぼくはできない。今後はハムストリングスをいかに(能動的に)やわらかくできるかがポイントだ。
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安いもので100円からあります。無料で読めるものもあり。いちどのぞいてみてください!
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