久しぶりに映画館へ | すっぴんマスター

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(※注:ゲーム攻略サイトではありません)書店員。読んだ小説などについて書いています。基本ネタバレしてますので注意。気になる点ありましたらコメントなどで指摘していただけるとうれしいです。

4月21日の金曜日、久しぶりに映画館にいって映画を見てきたぞ。最後に映画館にいったのはチェブラーシカなので、2011年の1月のことだ。映画はDVDを借りたり買ったりで、ごくふつうの、標準的日本人としてよくみるけど、映画館は6年ぶりということになる・・・。といっても、よく映画館にいっていたとおもえるようなときでもせいぜい年に2,3回とかだったろうし、どちらかというと正統的な映画ファンではないのかもしれない。僕は淀川長治や水野晴郎がまだ映画解説をしていた時代に少年だったから、そのころにはテレビを通してたくさん映画を見ていた。というか、その意味ではたぶんみんなそうですよね。なんでああいう感じの映画解説なくなっちゃったのかな・・・。

いうまでもなく、映画は映画館で鑑賞することを想定してつくられているので、できればそこで見たほうがいい。ライブ感とかも介在するので、ひとくくりにはいえないけど、たとえばお芝居をDVDで見ても、それはお芝居そのものを見たのとはちがうということは、すんなり理解してもらえるはずだ。それとは問題のレベルが異なるけど、でも映画も同じことがいえる。そういう理解はあるので、好きな映画はなるべく映画館で見たいという気持ちは、ずっとある。しかし僕はいままでどれだけの「映画館で見たい映画」を見逃してきたのだろう・・・。この何ヶ月かのはなしでも、ジャコ・パストリアスのドキュメンタリーやガンツオーを見逃しているし、ファインディング・ドリーもスターウォーズもなにもかも、年に4,5本は、ブログやツイッターで「これだけは映画館でみなければ」と宣言してけっきょくなんの動きもなしということをあきもせずくりかえしている。なんでなんだろうなと考えるけど、けっきょく時間とお金がないといえばそうだが、それをいったら、日比谷くんだりまで出かけて映画鑑賞とは比較にならない額の金を毎週宝塚に落としていることの説明がつかない。最終的にたどりついた結論は「相方」である。ひとことでいえば、僕は出不精なのだ。めんどくさがりなのである。そりゃ映画館で見たい、見たいけど、今日はちょっとめんどくさい(そしてもう二ヶ月も待てばDVDが出る・・・)みたいな感想が、たぶん無意識に出ているのである。自覚はないけど。それに比べると相方の行動力はすごい。いや、彼女も、僕と同じく漫画とゲームが好きなインドア人間で、だからこそ僕みたいな人間ともうまくやっていけてるとおもうのだが、最近気づいたのだけど、なにかを好きになったあとそのことに対して労力を惜しまない感じが、ちょっと尊敬してしまうレベルなのである。で、よく考えると、ぜんぶそうなのだ。たしかに、宝塚やヒップホップのおもしろさを教えたのはこのわたくしである。しかるに、わたくしは、相方と出会うまでは、宝塚が好きでも、知り合いからなんらかの誘いがあったり、子どものころから好きだったような名作が再演されるとかそういうことでもない限り、じぶんから動こうとはしてこなかった。ヒップホップも大好きだけど、相方がCreepy Nutsにはまってインストアライブに出かけようと言い出すまで、ライブやなんかのその手のナマモノなイベントに出かけたことはなかった。そして今回はその影響力が映画にまで及んだわけである。

 

 

実写版で話題の「美女と野獣」、それに20年ぶりの続編である「トレインスポッティング2」を見に行ったわけだが、ちょっと映画好きなひとなら、これに共通するものがなにかわかるだろう。われらがユアン・マクレガーである。ここに至るまでの道筋はなかなか長かった。あんまり細かいこと書くと相方に怒られそうだが、まずスターウォーズという超有名なスペースオペラがある。つきあいはじめのころからいろいろたくさんの映画をいっしょに見てきたので、彼女もむかしからスターウォーズのことは知っていたはずである。しかし当初は別にどういう反応もなかった。それが、どういうタイミングだったか忘れたが、2年くらい前から、なにかをきっかけにしてものすごいはまりだしたのだ。話し合ってもそのきっかけがなんだったのかがどうしても思い出せない。相方がなんのキャラにそんなにはまったのかというと、ボバ・フェットである。つくづくこのひとは、主人公とかそのライバルとかではない、いってみればB級のポジションに愛着をもちやすいひとで、なんでもかんでもそうなのだ。ドラゴンボールで好きなキャラはピッコロだし、バキだとピクルとドイルと烈だし、ワンピースだとバギーだし、ジョジョだと4部のトニオさんである。

 

 

そうしたわけで、まず彼女はボバ・フェットを好きになった。それからほぼ毎日全エピソードのどこかしらを鑑賞して語り合う日々が始まったのだ。僕もスターウォーズは好きだったけど、そんなに集中して何回も見たりはしてこなかったので、たくさんの発見はあった。ボバ・フェットにかんしては、どうも、エピソード5あたりをぼんやり見ていたときに、「この、ここでちらっとうつるひと、すごい強い賞金稼ぎなんだよ」みたいな感じで適当に説明したのが、どうも最初のきっかけではないかといまは考えている。そうでなければ、なんの前情報もなしに、ひとりの非スターウォーズファンの女性が、ほとんど出番のない、なんかうごきにくそうな服着たへんな緑色のひとを好きになるなんてことがあるだろうか・・・。いや、相方ならあるかもしれん・・・。

そこから、なんだかしらないが相方が急にボバにはまりだし、どこからともなく「なぜこんなものが」「誰がなんのために」となるようなボバグッズを収集しはじめ、あっというまに見渡す限りボバ一色になってしまったのである。現在の地点から考えればたしかにボバ・フェットは非常に魅力的なキャラで、これはスターウォーズ全般にいえることだが、なんというか、微妙にださい感じが逆にかっこいい。しかし、このボバ・フェットは、銀河最強なのに、らしいといえばそうだが、かなり残念な最期をむかえる。カーボン凍結から目覚めたばかりでまだあまり目が見えていないハン・ソロが敵と戦っていたときに、振り回していた棒みたいなのがチョンッとボバの背中のジェットパックにあたって誤作動、そのまま砂漠に生きるサルラックというモンスターの胃のなかに直行してしまうのである。最強なのに。しかもそのたたかいは、強い強いといわれて久しいボバがようやく参戦したファンの待ち望んだもので、これが、ライバル格のソロの無意識のチョンで落下してしまうのである。実はこのボバ・フェットは生きているらしくて、続編やその後のエピソードにかんしてプロデューサーがなにか含むところのある発言をしているのだ。が、まあとにかく、そんな残念なところもボバ・フェットの魅力のひとつである。

しばらくのあいだ、たぶん1年くらい、ボバ熱が続いて、実はいまでもそれは続行しているのだが、これだけくりかえし全シリーズみていると、他のキャラも好きになってくる。というかもう全員好きになってくる。なかでもオビワンである。クワイガンから受けた使命感をたよりにアナキンを手塩にかけて育て、ときに厳しくあたり、結果としてはダースベーダーをつくることになってしまう、あのオビワンである。1のクワイガンやダースモールとか、2、3のウィンドゥも語り始めたらとまらないキャラだが、オビワンはもう少し身近な感じがある。そしてこの若きオビワンを演じているのがユアン・マクレガーである。非常に有名な俳優だが、考えてみると僕はスターウォーズを除くと2,3個しか映画を見たことはなかった。アイランドと、ビッグフィッシュと・・・。そんなわけで、これはほんの2ヶ月くらい前のはなしだが、今度はユアン・マクレガー熱が高まり始めたわけである。ユアン出演の「ジャックと天空の巨人」がちょうどテレビで放映されたのを皮切りに、「トレインスポッティング」、「ムーランルージュ」、「フィリップ、きみを愛してる!」を続けてDVDで鑑賞。そして、ちょうどタイミングのよいことに、ユアンの出世作であるところのその「トレインスポッティング」の続編が公開されているところだったのである。さらに、話題作「美女と野獣」に燭台のルミエール役として出演していることも知り、いっそ同時に見にいこうと、美女と野獣の初日に両方が上映されている会場を探し、鑑賞の運びとなったわけである。

 

 

とりあえずは「美女と野獣」とレビューを書こうとおもって始めたら前置きがこんなに長く・・・。いったん切って、また別の記事で更新します。