タイトルを思い出せない漫画たち | すっぴんマスター

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(※注:ゲーム攻略サイトではありません)書店員。読んだ小説などについて書いています。基本ネタバレしてますので注意。気になる点ありましたらコメントなどで指摘していただけるとうれしいです。

勤務中ふとしたことで「まじかる☆タルるートくん」が絶版らしいということを知り、その流れで、そういえば当時ジャンプで楽しく読んでいたのにいまではタイトルさえ忘れてしまった漫画がいくつかあるなということに気づき調べてみた。決してさぼっているわけではない・・・コミック担当である以上、過去のコミックについて調査するのもまた仕事であり、僕としてもいやいやなのである・・・。

 

僕がジャンプを買って読んでいたのは小学5年生から6年生にかけて、だいたい1993年から95年くらいのことである。うちは基本的に「漫画を読んではいけません」という家庭だったので、入院したときなどに例外的に単行本を買ってもらったりしていた程度のものだった。しかしアニメのドラゴンボールはたぶん見ていて、4年生くらいから中学受験に向けて予備校に通いはじめて、ジャンプだけは毎週買ってもよいという許可がおりたのである。最初のうちはドラゴンボールしか読んでいなかったが、気づいてみるとジョジョやろくでなしブルースや幽遊白書やマサルや、そういうものもしっかり読むようになっていた(このあたり、のちにコミックで読むようになった記憶と混濁して、時期的なものはあいまいで、たとえばマサルなんかがこの時期だったかはかなりあやしい)。自覚はなかったけど、たぶんほとんどぜんぶをなめるように読んでいたんではないかとおもう。なぜかスラムダンクだけは読んでいなかった。「スラムダンクだけは読んでいない」ということをいやにはっきり記憶している。

 

今回考えたい(思い出したい)のは、そういう、後世にまで残るビッグネームではなく、単行本でいうと2巻から5巻くらいで打ち切られたようなB級作品のことである。なかには宮下あきらの『瑪羅門の家族』のようにすぐ思い出せるものもあるが(漢字はいまコピペした)、ほとんどが、タイトルどころかストーリーも、主人公が男だったか女だったかも思い出せないようなものである。そういうものは記憶に残ってるとは呼ばない、思い出さなくてよいと、そういう意見もあるかとおもうが、ことはそう単純ではなく、いまでもたとえば、睡眠に入る直前だとか、アームカールを時間を決めて死にもの狂いでやってるときとか、つまんないひとのつまんないはなしに2時間もつきあって意識がもうろうとしているときとかにふと、そういった作品のワンシーン、もしくはひとことのセリフ、もっといえばそのセリフが発せられたぼんやりとした空気や背景、そういうものが、細部はあいまいながら縁取りは鮮明に、あたまのなかに響いて揺さぶってくるのである。そういうことってありませんか?

 

 

というわけで、今回思い出した漫画は3つである。当時のジャンプの目次なんかを見ればわかるかもしれないが、それではおもしろくないし、だいたいタイトルがわからないし、へたすると読んでもわからないのだから、たぶんあまり意味はない。

 

 

ひとつ目は、なにしろひとつもはっきりしたところのない観念的な絵画のようなものなので、ひどく説明のむずかしいところなのだが、これはひとつだけはっきりと「ジャスティス」というキーワードを記憶していた。そして、なにかこう、餓狼伝説の主人公的なかっこうをしていて、いやに派手なアクションで、退廃的な雰囲気のなか敵とたたかっていた。くりかえすようにこれらは夢のなかでみている夢を夢の中で夢ノートに書いているくらいの距離であいまいなので、特徴としてはひとつもあっていない可能性もあるが、わりとすぐ判明した。『超弩級戦士ジャスティス 』である。である、といわれても、こういう漫画はたぶん世代がふたつかみっつちがったら、相当漫画読んでるひとでもたぶん知らないし、それだからB級なのだが、たしかまず読み切りがあって、たいへん興奮して読んだ覚えがある。少なくとも絵の感じは想像していたものにかなり近かった。そして、驚くべきことに、作者は山根和俊である。ギャンブルフィッシュや近代麻雀の「バード」なんかの絵を担当されているかたである。たしかにいわれてみるとそうなのである。ギャンブルフィッシュを読んだときの妙な懐かしさはこれだったのである。

 

ふたつ目は、調べた結果、ネットではそこそこ知られてるっぽいということはわかったが、手掛かりはひとつしかなかった。なにかこう、傭兵のような仕事をしている主人公で、仲間の新人っぽい大柄な黒人の男が、ジャングルでやたらと水分補給するのを目にとめ、水分は大切にしろ的な流れで、舌の先で犬歯をつつくようにすすめるのである。そうすると唾が分泌されて多少の渇きを防げると。そのあとその黒人の男が「ほんとうだ・・・」と感心するのだが、そのコマがいやになるくらいあたまのなかに残っていて響いてくるのである。そしてそれ以来、のどがかわいたときに舌先で犬歯をつつく癖がついてしまったというまことに罪深い漫画なのである。果たしてこんな情報でわかるものか不安だったが、グーグル先生は偉大である、「少年ジャンプ 犬歯 唾」ですぐにみつかった。「モートゥル・コマンドーGUY 」である。やはりこの漫画で同じ癖がついてしまったひとは多数いるようで、おもしろのは検索窓にこのタイトルを入力してひとつあけると、グーグル・サジェストがすぐさま「犬歯」を示してくれるのである。よほど印象的な場面だったようである。

そしてこの漫画の作者だが、なんと坂本眞一である。「孤高の人」や現在では「イノサン」を書かれている大物である。

 

 

そしてみっつめは、なにか忍者の漫画である。筋としてはそれしか覚えていないのだが、もっとも印象的に脳裏にしつこく響くのは、なにか特別な技術で相手の骨をからだから抜き取ってしまうのである。覚えているかぎり、こう、皮膚を破ってちからでとりさるという感じではなく、マジックみたいに、汚れのない骨だけが空中に奪われるのである。「少年ジャンプ 骨 抜く 忍者」で表示されるのは「竜童のシグ 」である。が、これは自信がない。絵をみても「ああこれだ」とならないのである。しかし「抜骨法」という技術があることはたしかで、これっぽいが、通して読んであたまに響いている抜骨の場面に出会わないと納得はできないかもしれない。

そしてこの作者が野口賢である。現在秋田書店系で「バビル2世 ザ・リターナー」や「ウルトラ・レッド」などを描かれているベテランのかたである。

 

 

不思議なのは三方とも原作つきの仕事が多めということだろうか。漫画家として苦労されているということかもしれないが、僕としては、もう20年も前に、そのジャンプが出ていた週にせいぜい2、3度読んだきりのものがいまだにあたまのなかに残って(原形をとどめていないとはいえ)、意識を揺さぶり続けるというのはちょっと信じられないものがある。僕の書いたこんな文章が読んだかたの記憶に20年後まで残っているとはとうていおもえないからである。

 

いずれにしてもタイトルがわかったので、トラウマ解消ではないが、記憶の芯にくすぶっていたなにか不透明なものがすっきりした。漫画家も偉大だが、グーグル先生にも感謝である。手に入るのだろうか・・・?

 

 

 

 

 

 

 

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