『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』谷川ニコ | すっぴんマスター

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(※注:ゲーム攻略サイトではありません)書店員。読んだ小説などについて書いています。基本ネタバレしてますので注意。気になる点ありましたらコメントなどで指摘していただけるとうれしいです。

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いやあ、なんかすごい漫画だ。おもしろかったです。スクエニの作品はほとんど手にとったことがなかったし、とりわけ女の子が主人公のものとなるとほとんど未知に近いのだけど、するりと読めてしまった。


モテない女、喪女には定義があるらしいが、はっきりそれに該当しながら、主人公は自信満々で、最大のモテ期である高校時代に突入する。しかし、まあ、モテない。モテていたという中学時代も、じっさいのところはごくふつうの事務的な会話ばかりで、高校にはいってからは女子の友人さえできない。そんな彼女の、モテるための、あるいは、モテるとはなにかという問いへの悪戦苦闘のさまを描く作品である・・・!


とにかく、とりわけてすごいなーとおもうのは、たしかに、いかにもモテなそうなさえない女の子なんだけど、そのいっぽうで、しばらく見ていると、どこかかわいくおもえてくるというところだ・・・。


女子としてのリアリティのある妄想もおもしろい。男性の想像する女性とか、システムの求めている女性のありようとか、そういう常套句的な女子像はほとんど感じられない。それはモテない女子であっても同じこと。女子の本音を語るための語彙とか語り口が、あらたに創出されて、それとしてすっかり成立しているのだ。情報があふれかえって、客観が当然になって、自意識が肥大して・・・というとなんだかマイナスな感じがするけれど、こう見ると、じぶんのモテなさを位置づけるために必要なロゴス的な語り口というのは、もうすでにそれとして独立して、動いてるんだなーとおもった。モテるとかモテないとか、セックスがどうとかこうとかということばづかいって、少なくとも作品の表現のうえでは、ずっと男性のものだった気がする。かといって、それが借り物の語り口かというとそうでもなくて、ネット時代の訪れで、この十何年かのあいだに、そうやって一定の権威をもつことばでじしんをとらえることはごくふつうになっていったということかもしれない。それがいいのかどうかはよくわからないけど、少なくともこの漫画はおもしろい。


彼女のロゴス的奮闘はときどき現実世界に噴出して、他人になんらかの影響をおよぼす。それがたいていのばあい滑稽なわけだけど、ときには悲しかったりもする。逐語訳的に、あるいは網羅的に、世界を既知で埋めていこうとしても、現実は膨大な未知が充満しているわけで、たいていうまくいかないものなのだ・・・。




ちなみに2巻が来週出ます。買います。




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