講談社のパートワークでウルトラ怪獣コレクションが出始めました。
- ウルトラ怪獣DVDコレクション(1) (講談社シリーズMOOK)/著者不明
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第一回はバルタン星人。
DVDには該当するおはなしがまるまる入っている。バルタン星人はウルトラマンのシリーズだけでも三回でているし、その後もくりかえし登場している人気キャラなので、ぜんぶをおさえるのは不可能としても、冊子のほうにはそこらへんがくわしく書かれている。すごくおもしろいです。
なかには脚本の声などもかなりの紙幅を割いて書かれていて、うれしい。
おはなしを見てはじめて知ったのだけど、バルタンって、最初の最初は、核実験によって故郷に住めなくなった彼らが地球に逃げてきたってはなしなんですね。そこで、地球があんまり住みよいので、侵略し独占しようとする。脚本の飯島敏宏のことばによると、バルタンは核を手にした人間の反面教師だったということらしい。
中沢新一を援用したさき、ウルトラマンじしんも含めた、バルタン星人たち宇宙人の来訪は、そのまま、外部のエネルギーとしての原子力発電、および核爆弾への不安感がもたらしたものではないかということを、何度か書いてきました。そのなかで、ウルトラマンは、太陽エネルギーを植物の光合成のようにして身体を媒介にしてつかったり、あるいは「ぎりぎりまで登場しない」というウルトラマン的ふるまいを通して、自然の環のなかに含まれようという努力が見えるわけだけど、対する星人たちにはそういうのはもちろんなく、そのまま外部の、異質の、取り込み不可能のエネルギーとして侵略を開始する。げんに、ハヤタ隊員は変身前、バルタンに対して、地球のルールを守るなら住んでもかまわないというようなことをいう。バルタンのそれに対する返事はよくわからないが、人数が20億人とはんぱないので、破綻したものとみていいだろう。これは、バルタンの善意(仮にあったとして)いかんにかかわらず、取り込み不可能であるということをあらわしていたとおもう。まったく、他者なのだ。
バルタンじしん、核爆弾によって故郷をおわれているわけで、自然の環、閉じたサイクルに含まれないエネルギーのこわさを知っているはずなのだが、今度は自分自身がそうしたものの化身として地球にやってきているわけである。よくできているとおもいませんか。
次回は25日発売。レッドキング。どういうペースなのかよくわからないが、どうも月二回、10日25日ということみたい。僕の大好きなゴモラは5号なので、9月10日発売。ずいぶんさきだなぁ・・・。
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