- ■『TRAINING DAY』
- 監督:アントニー・フュークアー
- 主演:デンゼル・ワシントン、イーサン・ホーク
- トレーニング デイ 特別版 [DVD]
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スヌープ・ドッグとドレが出てゐたYO。
新たに麻薬捜査課に転属となったアンビシャスな若きジェイク(イーサン・ホーク)は、伝説的検挙数を誇るアロンゾ(デンゼル・ワシントン)という刑事のもとで働くこととなった。しかしはじめて顔をあわせたアロンゾは、なりにせよ音楽や車などのアイテムにせよ、また言動にせよ、まるっきりギャングのような暴力的空気をまとった、危険な男だった。「優秀な麻薬捜査官は麻薬を知り尽くしている」としてジェイクにマリファナを強要し、かんたんに銃を抜いて立場の優位を強調するアロンゾに連れられ、ジェイクは想像を絶する試練の日をむかえるのだった。そういう映画。
これは『エクゼクティヴ・デシジョン』と同じトリックを用いた映画だ。
- エグゼクティブ・デシジョン [DVD]
- ¥880
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この映画にはカート・ラッセルとスティーヴン・セガールが主演している。テロリストにハイジャックされたジャンボジェットを制圧し乗客を救出するために、テロリストの専門であるカート・ラッセルと、特殊部隊の隊長であるセガールがじしんの隊員を引きつれ、ステルスに乗り込み、飛行機へと接続して潜入する。かんたんにいうとそういう映画で、サスペンスとして僕は五指に入るほど好きな映画なのだが、この作品には、序盤にとんでもないしかけが用意されている。無敵のスティーブン・セガールが作戦開始前に死んでしまうのである。僕は映画館でこれを観たのだが、まったく唖然としてしまったことをよく覚えている。僕は格闘技が好きだったし、もちろん、多くのたんじゅんな男の子同様、セガールのアクションも大好きだった。彼はいつだって余裕綽々、ほとんど無傷で悪人どもを叩きのめし、銃弾もよけて通るような男だった。彼が負けるなんて、死ぬなんて、考えられない。ありえない。そんなセガールが、ステルスから飛行機にのりうつるという、序盤もいいところで空中に投げ出されてしまうのである。このことはいったい映画そのものにどのような効果をもたらしたのか。作戦の隊長が死んでしまうということそれじたいももちろん損失であるだろう。しかし重要なのは、あのスティーブン・セガールが死んでしまったということなのである。このショックが観客にもたらす虚脱感ははんぱではない。物語そのものも、装備の大半を持ち込めず、肝心の爆破処理係は首の骨を折って再起不能、すべての仕事を不完全なたよりない状態で行わなくてはならない。その緊迫感が「セガールの死」によって強調され、本来なら、隊長が死んだとはいえ、カート・ラッセルも隊員もプロなのだから、それほどの心配は必要ないかもしれないところが、圧倒的不安感を誘い、観客の彼らへの感情移入を許すのである。彼らのようなスーパースターは、どのような役柄を演じても、すでにその名前に含みをもって認識される。拳銃を扱えないシュワルツェネッガーは想像もできないし、洞察力のないアンソニー・ホプキンスも考えられない。であるからこそ、セガールの死はそれじたいで映画的効果を生むのだ。
本作においても、僕は同じ効果を感じる。これまでのデンゼル・ワシントンは正義の、英雄の役が多かった。というか、僕の管見では彼の悪役など観たことがない。デンゼル・ワシントンの役者としての「含み」は、最後の最後までアロンゾの真実を期待する。根は善人である悪徳警官アロンゾによる、これは新人をおもった「訓練」なのだという、「タネ」があかされる瞬間を待ち望んでしまうのである。
それにしてもリアルな映画だったな~。ほんもののギャングも多数出演しているもよう。