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んなもん、これしかないでしょ~。ヘイポーの入場曲でしょ。

戦場のメリー・クリスマス/坂本龍一
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大島渚監督の映画、『戦場のメリー・クリスマス』サウンド・トラックであります。

高校生のときに観て以来で、細部はもはや記憶の外なので、映画について書くことは避けますが、とにかくこれはキャストがおもしろいんですよね。ミスター・ローレンスを演じていたかたが誰だったかは僕はわからないのですが、ほかの主演三人が、デヴィッド・ボウイ、坂本龍一、ビートたけしってことで、ようは役者ではない、たけしも含めて表現者を用いているんですよね。大島監督の作品を追って観たことはないのでなんともわかりませんが、なにか意図があってのことなのかな…。






まあなんにせよ、この映画の主題曲である「メリー・クリスマス・ミスター・ローレンス」は坂本龍一の書いた曲のなかではもっとも有名なものであって、事実名曲であり、この曲が映画作品の出来映えにおいてじつに大きな範囲を占めるということはまちがいないでしょう。
ただ、あまりに知名度が高く出来がよいために、たとえばライブ会場などではファンの要望も波動のように伝わってくるはずで、坂本龍一はもういやになるくらいこの曲を演奏してきているにちがいなくて、奏者がつまんねえとおもいながら弾けばいい演奏なんてできるわけもなく、そのためか録音されたものにおいてもじつにたくさんの演奏形態・アレンジが見られます。この状況は、教授じしんのコメントを読んだりしたことはないが、チック・コリアにおける「スペイン」や「ラ・フィエスタ」なんかと似ているかもしれない。高校一年くらいだったかな…ブルーノート東京におけるチックのソロ・ライブ
にいったとき、客からリクエストを受け付けるみたいなコーナーがあって、誰かが「ラ・フィエスタ」といったのだけど、チックは結局それを弾かなかった。MCはもちろん英語だったから、そのときチックがなんといって断ったのかは残念ながら不明なのですが、なんにしても、僕はなんかなるほどとおもったのでした。ソースは不明なんですが、たぶんライナーノーツか雑誌のインタビューかなんかだったとおもうけど、チックがけっこうこのことにうんざりきてるみたいな文章も読んだことある気がします、が、勘違いかも。
とにかく、チックもまた、ファンの要望と奏者のモチベーションを同時に満たすために、ソロ、トリオ、オーケストラ、エレキ・バンドなど、じつに多彩な方法でこれを演奏してきています。教授もまた、そんな感じでこの曲を演奏してきているんじゃないかな~。いつかのモントルー・ジャズ・フェスティバルに教授がピアノ三重奏で出ていたときも、海外であるのに戦メリが始まった瞬間の観客のリアクションはじつにわかりやすかった。
曲そのものは、完全にあの印象的な旋律のくりかえしで成り立っているので、逆にいうとアレンジしやすい曲だったりするのかもしれない。ここでは僕の知っているかぎりのこの曲のアレンジを紹介してみます。

まずオリジナルは、サントラに収録されているもので、まさに当時の教授っぽいというか、シンセ全開で、くりかえしもシンプルでわかりやすいが、それだけにけっこうあきやすいかもしれない。これは坂本龍一の初期ベスト・アルバム『グルッポ・ムジカーレ』にも入っています。


グルッポ・ムジカーレ~ベスト/坂本龍一
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これの延長のような演奏で、前半部分がソロとなっているのが、『メディア・バーン・ライブ』です。これは、たぶんいちばんつまんないかもしれない。妙にテンポがはやめで、なにか焦っているような印象すら受けます。が、このライブじたいのできはすばらしい。特に「黄土高原」から「セルフ・ポートレイト」の流れは、ボーカリングが時代を感じさせるけど、鳥肌ものです。ラストの「PAROLIBRE」も、僕はこの曲のベスト・パフォーマンスだとおもう。


メディア・バーン・ライブ/坂本龍一
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坂本龍一はソロでの演奏もたくさん残していて、最近は連弾用の譜面で多重録音をしたりしていますが、戦メリのソロ演奏のオリジナルは『Coda』です。僕はこのアルバムをもっていませんが、「戦メリ」じたいはベスト第二弾「グルッポ・ムジカーレ2」で聴かれます。ちなみに、いま手に入る戦メリのソロ用楽譜の大半はこれをもとにして採譜されています。おしましのくりかえしが一回少ないアレンジです。



Coda/坂本龍一
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グルッポ・ムジカーレ2 ― ニューベスト/坂本龍一
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アコースティックな坂本龍一の作品として、『1996』という名作がありますが、ここでももちろん戦メリは演奏されています。ピアノ、チェロ、バイオリンのピアノ三重奏で、じつに美しい演奏であります。最近はそういう作品が増えてきているが、ここでもまた坂本龍一はじしんの名曲群をこの形態で演奏し直しています。





1996/坂本龍一
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僕のおもう戦メリのベスト演奏は、オーケストラであります。下に紹介してあるアルバムはベストのようなものなのですが、もとのアルバムがなにかはわからないし、安いので、僕の持っているこちらをそのままオススメします。



Soundtracks/坂本龍一
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この演奏は…、まじで完璧だとおもいます。私事ですが、僕もピアノ弾くんですが、戦メリは人生で二番目に習得したもので、僕ですらが、飽きるほどこの曲を弾いてきたんですが、この演奏を聴くとはじめてこれを耳にしたときのフレッシュネスが瞬間的によみがえり、改まった気持ちで対峙しなおすことができるような、滋味あふれる演奏なのです。ライブ演奏ということで、音の通りもスタジオに比べてどこか新鮮で、イントロの、スタティックそのものといった(たぶん)教授じしんによるピアノも、このぶぶんが深いところにやわらかく繊細に包み、孕んでいる、砂の人形のように壊れやすいイノセンスと哀しみをうまく表出している。うしろで鳴る低いピチカートの美しさも類ない。遠方から響く悲痛な叫びのような管楽器もすばらしい。そして、音楽が表情を変え、拍子を刻むようになってからの荘厳さは、もうオーケストラ以外では表現不可能でしょう。教授は映画『ラスト・エンペラー』でも音楽を担当しましたが、ここでも生演奏の、オーケストラがつかわれているのは監督のベルナルド・ベルトリッチの要請であって、教授ははじめシンセでやろうとしていたようです(これも出典不明情報ですが)。が、あの演奏も、またこちらの演奏も、いまだってこんなのは生じゃないと不可能じゃないかなあ。



つうわけで、曲は知ってるけどもしこの演奏を聴いたことないってひとがいたら、とにかくオススメですよ。



ラスト・エンペラー/サントラ
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