12月1日は故ジャコ・パストリアスの誕生日だ。
ジャコからはたくさんのことを学んだ。…いや、こう書くとちがうな。生き方の指針となった、とかいうことではないからな。
はやくいえば、あのような音楽が、表現が、存在しうるのだということを学んだというところでしょうか。
僕は想像するのですよ…。あの「ドナ・リー」を当時はじめて耳にしたベーシスト、いやミュージシャンたちの心中を。ウェザー・リポートの「お前のしるし」における、あのように美しい音色をまさかエレキ・ベースから、無二のものとして引き出せることを知った彼らの衝撃を。僕はベースは弾けないし、触ったこともないので、技術的なぶぶんにおいては、けっきょく本を読んだりひとのはなしをきいたりしてなるほどと考える以外ないのだけど、ジャコは技術者ではなくミュージシャンなので、音楽からそのことを知覚することはもちろんできる。技術とはそれのみで独立してあるものではなく、音楽の衝動としてあとからついてくるものだからだ。僕じしんは寡聞にしてジャコ以上のテクニシャンを知らないが、もう彼が亡くなってから二十年もたつわけですし、世界を探せばきっといるにちがいない。しかしそれでもなおジャコの音楽がかすまないのは(ジャコの、というか、すべての古い音楽がかすまないのは)そういうことでしょう。技術は数量的だが、表現はそこにしかありえないものなのだ(もちろんまっすぐにからだから表現を導くために技術は不可欠なのだが)。
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そしてまた、ジャコを獲得したときのジョーの興奮もおもう。ジャコじしんの作品も僕は大好きだが、やはり彼がピーター・アースキンとともにウェザーにいたころの音楽は、とてつもない。ジョー・ザビヌルがプロデューサーとしての辣腕をこれみよがしにふるうようになる直前までのウェザーはほんとうにすごい。と書くとジョーが悪者みたいだが、この音楽にはもちろんジョーのちからは不可欠であった。これはまさに奇跡のバランスといっていいとおもう。ジャズの即興思想をそのままに継承しながら、ジョーによって緻密に計算された構成、ちょっと音のはずれたような朴訥さと中毒性を呼ぶ妖しさの同居したウェイン・ショーターのサックス、ベースの役割にとどまらす音のあいだを縦横無尽にかけまわるジャコ、そしていかなるビートもフレーズうけとめるピーターのフレキシビリティ。こんな音楽はウェザー以外ではありえない。
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