■『The Great Gatsby』by F.Scott Fitzgerald
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「1920年代アメリカ。富裕階級が集うニューヨーク郊外で、華々しい生活を送る男、ギャツビー。かつての恋人との再会を果たし、その財力によって失われた過去の時間と愛を取り戻そうとするが…。ジャズ・エイジの輝きと虚しさを描いた、アメリカ文学を代表する傑作」帯より
グレート・ギャツビー原文、読了。
読み方としては、英語そのものの学習はほかでやって、ここではできるだけ辞書をつかわないようにして、村上春樹翻訳の「グレート・ギャツビー」を前後して参考にしながら、ちからわざで読んでいくようこころがけた。僕はピアノなんかも、練習曲とかはあんまり、というかぜんぜんやらずに、好きな曲をごりごり練習することで身につけていったので、結局そういうやりかたがいちばんいいのではないかという直観があったのです。とはいえ、やはり辞書はたくさんつかいました。僕の電子辞書にはジーニアス英和辞典がついているのですが、これにのっていない単語も結構多くて、そういうときはこの書籍の特質である、巻末のWord Listを活用しました。便宜でいったらふつう逆なんだろうけど、リストのほうでは発音がわからなかったりするばあいもあったので…。
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英文で小説を読んだのはライ麦畑に続いてこれで二冊目ですが、こちらは地の文が比較にならないくらいむずかしかった。まあライ麦はぜんたいでひとつの会話文とみなせないこともなかったので比べるのもどうかとおもうが。わからない単語もそりゃたくさんあったけど、そういう問題でもない気がしたな…。まあ、吉田健一などは会話文で受け応えの妙などを学べといっているので、こんなもんなのかなーともおもう。
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小説そのものについては、もう僕がとやかくいうことはないでしょう。歴史的名作であるとともに、日本では村上春樹という小説家がさまざまな場所で熱く語っているので。『ノルウェイの森』を読めば、誰でも「読んでみようかな?」ってなるんじゃないでしょうか。
「グレート・ギャツビー」訳者あとがきで村上春樹は、「これまでの人生で巡り会ったもっとも重要な三冊」に、チャンドラーの「ロング・グッドバイ」、ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」と並べてこの作品をあげています。
「でも僕がそういう発言をすると、困った顔をする人が多いことも確かである。「『グレート・ギャツビー』って読みましたけど、あれって村上さんが言うように、そんなにすごい作品なんですかね?」と口にする人も少なからずいる。僕にはそれがよくわからない。ちょっと待って下さい。『グレート・ギャツビー』がすごい作品じゃなくて、ほかの何がいったい「すごい作品」なんですか…」
このように、村上春樹は彼らしくない(いや、むしろ“らしい“というべきなのかな…)熱い調子で語るのだが、いっぽうでこれをわからなくもないとしている。つまり、「すべての情景がきわめて繊細に鮮やかに描写され、すべての情念や感情がきわめて精緻に、そして多義的に言語化された文学作品」である『グレート・ギャツビー』は、結局英文でていねいに読んでいかないと「十全に理解できない」からだ。
僕が今回の読書でそれを「十全に」理解できたかどうかは、さらに時間がたってみないとわからないわけだが、最初に書いたように、日本語訳と、後か先かは特に決めていなかったが、併読するかたちで読みすすめてきたので、結果として日本語のほうも含めて、かつてないほどていねいな精読ができたとおもうし、読み通すのは数度目なのだが、あらたな発見や感動もあった。…それとともに、以前観劇した宝塚の「グレート・ギャツビー」は、小池修一郎の天才と、企業的な背景…「宝塚でやる」ということが必然的に孕むさまざまな事情を考慮しつつも、あの結末の、デイジーのお墓参りはどうなのだろうとおもった。べつの作品と考えれば、というか宝塚云々の前に小説とお芝居でそもそも方法がちがうのだから考えるべきなのですが、そう目くじらをたてることもないのですが。(このことについてはいつかの観劇レポートにばらばらに書いてあります)
演劇評カテゴリ↓
http://ameblo.jp/tsucchini/theme-10005972249.html
まあなんにしてもちょっとした達成感はありますね。いまはあまりお金がないので、あたらしく英文の本を買うことはしませんが、もういっかいライ麦読んでおこうかな。ちなみに、出版社はべつなので、基準もそれぞれに異なる可能性もありますが、今回の「グレート・ギャツビー」はTOEICでは730点、講談社英語文庫の「ライ麦畑でつかまえて」は550点だそうです。やっぱり…そんくらいちがうよな。まあ、TOEIC受けたことないから、どんくらいかわからないけど。
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