今週の範馬刃牙/第128話 | すっぴんマスター

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(※注:ゲーム攻略サイトではありません)書店員。読んだ小説などについて書いています。基本ネタバレしてますので注意。気になる点ありましたらコメントなどで指摘していただけるとうれしいです。

第128話/空気の壁



「万日の時を費やし―――

練り上げられ積み上げられた先人の知恵と術理が―――


天才 愚地克巳の手により

飛躍する」



イメージが生んだ無数の関節が、克巳の放つすべての技をマッハまで加速する!…この廻し蹴りのコマ、なんかヘンじゃないですか?途中まで右足なのに当ててるのは左足だ。まいいけど。


続く手刀も同じく音速を超える。手ばかりではない、すべての骨が、克巳のイメージでは無限の関節に分断されている。


さすがのピクルも、その想像を絶する破壊力に前のめりでダウンだ。東京ドームが未曾有の大歓声に包まれる。しかしピクルは、倒れてはいるが、いかなる種類の出血もしていない。



郭海皇はひとこと、「成った」とつぶやく。正拳ばかりではない、蹴りや振り打ちの手刀にも「イメージによる無限関節」が応用されているのだ。なにはともあれこの技術が、少なくとも克巳という個人のうちでは体系として確立され、それのみで機能しはじめたと見ていいだろう。光成も克巳の勝利を確信する。しかし問題はマッハということにこそあった。先週の一撃でつぶれてしまった左手同様、今回技を放った左足と右手も砕けてしまったのだ。手刀によるビール瓶切りの演武では、速度とタイミングが合わずに失敗してしまったとき、ガラスのかたさに負けて、手刀にあたる小指の下の骨が折れてしまうことがあるらしい。ガラスを切るほどのポテンシャルがあったとしてもだ。しかし克巳のはそんな生易しいものではない。接触すらしていないはずの親指までバッキボキに血まみれだ。



「鋼鉄(はがね)で出来とるんかいッッ

ピクルの肉体はッッ」


光成が戦慄の表情でつっこむ。そこへ例のペイン博士が登場だ。規格外、常人の想像を絶するこのたたかいでは、このひと以上に解説係に適するキャラクターはいまい。


博士は克巳のあの負傷を、ピクルの肉体のかたさではなく「音の壁」によるものだとする。加速に正比例して強くなる空気抵抗…時速1225キロを超える瞬間それは空気の壁となり、また超音速とはこの壁を文字通り破ることでもある。その抵抗がもたらす負担は、金属製の航空機すら破壊してしまうほどだ。生身の人間の拳をや。


その破壊力の代償となった負傷からか、克巳がついに膝をつく。攻撃しかしてないのにひどい状態である。これでピクルが起き上がりでもしたら最悪だ。克巳の表情はわからないが、これでもし出しきった的に晴れやかな顔してたらもう完全にアレだ。おしまいだ。


バキはピクルの様子を見ている。


(両手と左足を犠牲に


やっと手に入れた確かな有利


なのに―――


奴はもう回復しつつある)



うつぶせに倒れていたピクルが、手の平をついて肘をたて、爪先もふんばり、顔をあげて笑みを浮かべる。このままからだを起こせば、烈を仕留めたロケット・ダッシュの体勢である。克巳、万事休す!?


つづく。



うーむ、ちょっと整理しないといけない。

まず克巳のマッハ突きの成長は、おおまかに三つの段階に分けられるとおもう。まず、初期マッハ突き。最大トーナメントで花山を打ち倒した技です。このときも「パン」という音はしていたが、特に拳にケガはなかった。
次に、ピクルが登場し、烈・郭の究極トレーナーをむかえ、道場の窓ガラスを衝撃波で砕くまでの段階。科学的な創意工夫とイメージのちからでさらなる速度と破壊力を得たとおもわれるが、このじてんでも拳は壊れていない。だがなにかを、拳に感触として覚えている。
そして今回。ピクルに食らわすとともに、克巳の拳は砕けてしまった。

ペイン博士のことば通りなら、以上のことから、「音速超えを知らせる」とされていたあの「パン」という音は、今回出てきた「空気の壁」を破る音とはべつものということになる。以前のどこかの段階でこれを破いていれば、拳がアレになってるはずだからだ。僕はこの種類のことにはまったく明るくないし、これまでの板垣的描写もうろ覚えなのではっきりしたことはいえないが、これは同じではなかったろうか?これが異なるというのなら…つまり「パン」は空気の壁を叩く音だとかなんとかいうことで、とにかく破裂音のあと、さらなる加速ののちに空気の壁の突破があるということならとりあえず問題はない。しかしこれがもし同じ現象のちがう説明にすぎないとしたら、それまでのマッハ突きを知らないペイン博士が勘違いしているという可能性がある。つまり、空気の壁はこれまでのマッハ突きでも破っており、破裂音というのはまさにその突破を知らせる音だということになり、結果としてピクルの肉体はやはり鋼鉄なのだ(僕の知識ではなんとも言えないわけですが、可能性としておもしろそうなので)。


これが異なるとしたばあい、初期マッハ突きのほうは無視できるが、道場ではなぜ拳が壊れなかったかという疑問が残る。道場での空振りとドームでは、もちろんじっさいになにかを叩いているのかどうかという点が異なっていて、相違点はおそらくその一カ所だけだ。この間、克巳の技に特に成長はなかったはずだ。とすれば、なにか対象を叩くこと、あるいは対象を叩くという行為がもたらすなにかが、克巳の拳を砕いたことになる。結論としては、対象のあるなしで速度が異なっている、という以外ないとおもう。ピクルの腹という目標点があることで、同様の動きや加減で技を放ちながら、空気の壁をはさんで速度が速まっているということになる。空気の壁に到達する以前の速度で、あのように窓ガラスを砕くほどの衝撃波が生まれるかどうかはわからないが…。


ここまで書いといてあれだけど、ここのところはそんなに深く考えることないのかもしれない。僕としては、克巳の初期マッハを知らない博士が蘊蓄を披瀝したが、じっさいには空気の壁は以前の段階で通過済みであり、ピクルの腹が、なにものもうけつけないアストロン状態だと考えるのがいちばん自然な気がします。みっちゃんやバキはふつうに感心しちゃってたけど。重要なのは克巳がダウンしピクルが起き上がりそうだということだ!次週ヒトコマ目の克巳の表情ですべてが決まる気がする…


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