- BEST FICTION(DVD付)/安室奈美恵
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来る7月30日に安室奈美恵のベストアルバム『BEST FICTION』が発売されます。『STYLE』以降の数々の楽曲、さらにヴィダルサスーンCMソング第二弾など新作二曲も含んだ全17曲。DVDには全曲のPVも収録。
このタイトル…どういう意味だろうか。ジャケ写を見る限りでは『60s70s80s』のときのようにまた肩のタトゥーが消されています。DOUBLEとの「BLACK DIAMOND」ではしっかりうつっているので、ファンデーションかCG処理か、まあ方法はわからないけど、とにかく隠しているわけで、隠そうとしないとこれは隠れるものではないのだから、もちろん意図のあることでしょう。タトゥーというのはどうあれ肉体に記号を刻むという行為であり、どんなにそれが洒落たものであっても、ふつうのそれとはやはり一線を画すもので、げんに医学的に消せるとかそんなことはたいして重要ではなくて(知らないけど)、これは過去から現在へと続くじぶんという連続体を、それがどんなものであれすべての箇所で認め、あるいは受け入れ、見えるかたちで呈示するということにほかならない。そしてこれはK DUB SHINEが示した「自分が自分であることを誇る」という実存主義的なBイズム、自己反省的ナルシシズム(=過去の行いを否定しない)に直結するものでしょう。それがどんなものであれ、僕らは「じぶん」から逃れることだけはできないのですから。ここでいう「過去を否定しない」というありかたがただの慢心ではなく、日々をガチンコで生きているがゆえだということは言うまでもないでしょう。
しかしヴィダル・サスーンとコラボレートした『60s70s80s』なんかの仕事では、安室奈美恵はシンボル・素材であることがいつも以上に重要であったので、肉体と直結した表現(=ソウルフル)であるタトゥーを隠したんでないかと、僕は勝手に考えている。まあジャケ写のみをしかも遠目に見ただけでこんなふうに書くのはどうあっても考えすぎだろうけど、フィクションというのがなんかのスラングで、僕らの(というか僕の)よく知る別の意味を含んでいるとかではないとしたら、これはなにか含蓄がありそうな気がする。げんにアルバム『PLAY』ではFUNKY TOWNというコンセプトのもと、あのようにコスプレをして、ある種の物語を創出していたわけだし。
新曲以外はPV含めぜんぶ持ってるわけだけど…もちろん買いますよ?