■『Baby Girl』May J.
Baby Girl
はじめてこのひとの声を聴いたのはZEEBRAの5th『World Of Music』収録の「Shinin’Like A Diamond」でした。トランペットのようなブリリアントな説得力と分厚いハーモニーにも負けない甘さをそなえた、まったく僕のツボ的中のうたごえだった。彼女はハーフみたいなんですが、発音の感じもすごいよかった。たんに英語がうまいってだけならもう最近はごろごろしてるけど、発音そのものが官能を刺激するような感じなんですよね。
それでこの1stを手に入れたしだいなんですけど、全体の質がもうほんとに高いんですよね。うたものでは安室奈美恵『Play』に比肩するとおもう。まあわかるひとがクレジットを見れば一目瞭然って感じではあるんですが、ゲスト・プロデューサーが、すさまじいことになってます。そして彼女のうたごえを聴いて、これはいいものがつくれる、と確信したにちがいない彼らの気持ちはよくわかります。
①「DO tha’DO tha’」はHeartsdalesのjewelsによる作詞、今井大介プロデュース。当然、かなりラップっぽい仕上がりになっていて、楽器といいフロウといい、どこかエキゾチックな風味が感じられて、重いビートととも一曲目からがっちりつかんでくる感じです。うえにも書いたけど、このひとは低めの声でラップっぽくタフにささやいても、いくつも声を重ねて明るくガーリーにサビをうたいあげても魅力を失わない。こういう種類のボーカルって、日本では意外と貴重なんですよね。
②『MY GIRL』はかなり女の子らしい曲なのだけど、イントロのホーン・アンサンブルからはどこかオールドスクールへの敬意が感じられて心地よい。サンプリングなのかな。サビもいいですね。空元気ではない、ポジティブなちからみたいなものが底のほうからふつふつとわきあがってくる。
③『DESTINATION』はヒップホップ・リスナーにはおなじみすぎるD.O.Iによるヒップホップ・ミックス。ライムスターの「B-BOYイズム」のトラックが採用されています。あのバリトン・サックスの音ね。出だしのところの、「キャナゲラ、マイデスティネーション」っていう発音がものすごいかわいい。あと、最近よく見かけるTARO SOULがフィーチャーされています。このひともかっこいいよなー。こっちまでつば飛んでくるような感じが男臭くていいですよね。DABOの「Shall We Rock?」では同様につばとばしMC、EQUALとともに競うようにつばとばしまくってます(笑)。必聴!
⑥「Baila Conmigo」は普段よく愛聴しています。プリミティブなビートとスパニッシュなギターがきもちいい。May J.のうたいかたもせつない!もうちょっとパーカッションの打ち込みっぽさがなくなったらいいかなーとか個人的にはおもいます。
⑦「HERE WE GO」にはわれらがバーバルが客演。大きくうねるようなトラックと主旋律のうえで細かく振動するうたからは、両者の抜群のリズム感が伝わってきます。
⑨「Jealous Girl」はライムスターDJJINのプロデュースですね。70~80年代のハービー・ハンコックを思い出させるようなレトロなヴォコーダーからはじまり、この別次元っぽい、ゲームのテーマソングみたいに不思議な、ふわふわ浮世離れした感じは一曲を通してあります。どんなコンセプトでつくられたのか、そこまで推測することはできないし、たいして意味はないのだけど、おもしろい曲です。このヴォコーダー使いは⑫でも聴かれます。
⑩「Baby Eyes」も大御所、DJ WATARAI Remix。とはいえ、案外というかなんというか、けっこうワタライっぽくない曲って感じがします。僕が聴くものがハードなニトロなんかが大半だからかな?なんかピアノのつかいかたとか、ちょっと意外な感じします。それともこれはオリジナルの音なんだろうか?
⑪「Feel the Sunshine」はドラゴンアッシュKj!このひとのギター使い、音、そしてそれがもたらす世界観からはほんとにセンスを感じる。関係ないけど、最近のドラゴン・アッシュの、ラテン音楽をドラムン・ベースで解釈したような感じ、すごくいいですよね。この曲も、Kjは曲作りに徹してるんですが、相互に魅力を引き出しあってる感じがすばらしい。
ラスト、⑭「LOVE BLOSSOM」は、Fantastic Plastic Machine、田中知之によるハウス・ミックス。きもちええなー。ピアノのループとか、シンバルの感じとか、王道。
以上、僕がよく知るゲスト・ミュージシャンのみについて書きましたが、通して聴ける優れたアルバムであることはまちがいない。まだまだ若いし、これからがほんきで楽しみなうたいてです。
