最近、ヒマをみてDVD化されたアニメ版ドラゴンボール観てるんですけど…。ベジータ、ナッパのサイヤ人ふたりが地球にやってきたときのドラマは、やっぱりすごい。特にピッコロと悟飯の関係は…ベタすぎる演出でも、この師弟愛はずんと胸にくる。有名すぎるこの物語は…僕らの内側に厚い層をつくっていて、キャラクターはもちろん、筋斗雲のような物体まで、ほとんど個人的といってもいいくらいの意味性=記憶を含んでいる。数々のキャラクターの死が僕らのなかに実際的にもたらす痛みが、そのことを教えてくれます。やっぱりファンタジーは、たんにありえないような空想上のおはなしってだけでなく、こうやってそれこそこちらが地図でも書けちゃうくらい深く描かれてこそ価値がありますよね。ぜんぜん現実的ではないリアルさが別個で機能しきっているところに意味がある。だからこそ、僕らはほんとうの意味で感情移入できる。みずからの重なる余地がないから。「共感」に陥らなくてすむ。
次々と理不尽に仲間が殺される暗すぎる展開の脇でこれを中和する界王やヤジロベーの存在もおもしろい。マンガとアニメはほとんど別物といっていいような気もするけど、これはむろん原作にもあった要素です。これが意図的に配されたものなのかというのはここでは問題になりません。個人的には、鳥山明はたぶんこういう計算はしないんじゃないかなと思いますが(古い記事みたら、意識的だみたいに書いてますが…)。天才肌だから…。なんにも考えずに自然とこういうことができちゃうんですよね。真似しないほうがいいタイプ。
ていうか、ベジータって最初のころはちょっと茶髪っぽかったんだなー。サイヤ人は全員黒髪じゃないんか。