「野球本書評①」-『いつも、気づけば神宮に』(長谷川晶一) | 尾林衡史のクイズブログ

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大の野球好きの私は野球本も良く読んでいます。

私の書棚の一部(実際はもっとあります)はこのような感じです。

 

 

そんな中から印象に残った本の書評をあげていきたいと思います。

 

第1回は大のスワローズファンにして「12球団ファンクラブ評論家」の長谷川晶一さんの著書『いつも、気づけば神宮に 東京ヤクルトスワローズ「9つの系譜」』(集英社)です。

 

長谷川晶一さんの著書を読んで常に感じるのが

 ・丁寧に取材をし、取材対象の方から非常に色々な情報を聞き出していること

 ・決して難しい表現は使わず、中学生でも理解できる文章を用いていること

ということです。

 

私もこのブログで文章を書くにあたり、この2つは心に留めたいと思っています。

 

本題の書籍の評論にまいります。

 

本著ではスワローズを9つの系譜

 1 かすみ草の系譜

 2 背番号《1》の系譜

 3 脇役の系譜

 4 歴代―スの系譜

 5 国鉄戦士たちの系譜

 6 負けグセの系譜

 7 ID野球と超二流の系譜

 8 リハビリの系譜

 9 ファミリー球団の系譜

で語っていますが、いずれも強烈に共感できる内容でした。

 

私がスワローズファンを始めたのは1980年代前半の低迷期、当時はBクラスが当たり前でしたが、選手たちがノビノビとプレイしているのは印象的でした。

その後、関根順三監督が広沢克己選手、池山隆寛選手らを小さくまとまらないよう育て、引き継いだ野村克也監督が勝つための戦い方を吹き込んで1990年代の常勝チームを育て上げたのは、今でも強烈に覚えています。

 

そんな野村監督の時期の強さを支えたのは「7」で取り上げられる「超二流」の選手たちと感じています。

本著で紹介された、捕手から外野手にコンバートしレギュラーに定着した秦真司選手、控えながらベンチに欠かせない選手として活躍し、引退後は野村監督の右腕を務めるまでになった橋上秀樹選手、その他、捕手からセカンド、センターとポジションを変えながら不動の一番打者に成長した飯田哲也選手、1995年の日本一に野村監督から「陰のMVP」といわれた土橋勝征選手など、いぶし銀の選手の宝庫で、これがスワローズの強さを支えていると感じました。

 

現在でも、村上宗隆選手、山田哲人選手といったスターだけでなく、正捕手としてチームを支える中村悠平選手、代打の切り札の川端慎吾選手などの超二流選手がチームを支えていると感じています。

 

今後もスワローズらしさをいつまでも保ち続けることを期待し、応燕したいと思っています。

 

 

 

 

クイズにまいります。

テーマは「2023年の東京ヤクルトスワローズ」です。

 

 

【問題】

①2023年8月1日、山野太一投手が育成から支配下に復帰後初登板、プロ初勝利を挙げた相手チームはどこだったでしょう?

 

②両軍11本の本塁打が飛び交う乱打戦となった2023年5月5日のDeNA戦で、サヨナラ本塁打を記録した選手は誰でしょう?

 

③2023年ドラフトでは専修大学の西舘昂汰投手を1位で指名しましたが、専修大学からスワローズに1位指名を受けたのは1990年の誰以来でしょう?

 

④2023年ドラフト3位で指名した明治大学の石原勇輝(いしはら・ゆうき)投手の担当スカウトである、明治大学OBで2023年シーズンよりスカウトに転身した人物は誰でしょう?

 

⑤髙橋奎二投手が2023年シーズン序盤に用いた、スライダーの回転をしながら左打者の内角に食い込む変化球を「空気を運ぶ」という意味で何というでしょう?

 

 

【正解】

①読売ジャイアンツ…球場は東京ドームです。

 

②長岡秀樹

 

③岡林洋一…本著でも1990年代のエースとして、またリハビリの系譜で登場します。

 

④吉田大成

 

⑤エアベンダー…スライダー回転しながら空気抵抗と逆方向に曲がるのが特徴です。