お疲れ様です、椿です(*´ω`)

 

今回はBeitのMIRROR of TRUTHについて考えます。

 

皆さん、この歌の歌詞を読んで、何についての歌だと思いましたか??

私は最初よく分からなかったのです。

漠然とBeit3人の生き方みたいなものを歌っているのかな?と思っていたのですが…。

 

 

私の結論としては、これはBeitについての歌であり、告白しようとしている男の子の歌です。

 

この歌はですね、言葉選びが良いんです。

他の歌に比べて恋愛っぽい雰囲気でもないし、そういう単語も特に見受けられません。でも、そうやって敢えて少し曖昧な表現をしているからこそ、複数の解釈が出来るのです…!

 

この考察は恋愛曲として考えた場合のものですが、最後にこれをBeit的に考えてみると、途端にエモです。

 

 

あくまで個人の考えですので、至らぬ点はご容赦くださいませ。

 

 

題名について

 

『真実の鏡』。

 

パッと思いつくのは、白雪姫に出てくる魔法の鏡でしょうか。

問いかければ、嘘偽りのない真実を教えてくれる鏡です。

「鏡よ鏡…」ってやつです。

 

王子様なBeitなので、童話に関係する単語が出てくるのは不思議ではありません。

 

 

この歌における『鏡』とは

 

現実的に考えて魔法の鏡なんて実在しませんし、ましてや問いかければ真実を教えてもらえる、なんてことは当然起こりえません。

(魔法の鏡がもしあったら欲しいような欲しくないような…)

 

歌詞の中で、鏡に問いかけていると考えられる場面が度々ありますが、魔法の鏡が存在しない以上、全て独り言に過ぎません

それでもこの人は縋り、願ってしまうのです。

 

「存在しない第三者に思わず何かを求めてしまう」という点で、この歌における『鏡』とは、この人にとっての神様のようなものだろうと解釈します。

 

抱いた願いを叶えたいけれど、自分ではどうしようもないと感じた時。

思わず神様にお願いしてしまうものではないでしょうか。

 

 

 

  Let me know 見せてくれ なにもかもが塗り替わった世界あるなら

 

"Let me know"=教えてくれ、です。

似た表現でTell meがありますが、違いを少し調べてみたところ、

 

Tell me→相手がすでに知っているだろうことを聞いて、すぐ教えて欲しいとき

Let me know→今すぐに分からないようなことを聞いて、わかり次第教えて欲しい、確認できたら知らせて欲しいとき

らしいです。

 

教えてくれ、見せてくれ。

何をかと言うと、"今がすべて覆ってしまいそうなTruth"を、です。

 

これらは魔法の鏡(神様的存在)にお願いしているものと思われます。

この人が欲しているTruth(真実)とはおそらく、片思いをしている相手が自分のことを好き、というものでしょう。

 

鏡が「両思いだ」と言ってくれれば、それが真実になり、そういう運命に変わる。

そして告白が成功し、晴れて恋人同士になることで"なにもかもが塗り替わった世界"が欲しいと願っているのです。

(恋をすると世界が輝いて見えるとか言いますしね)

 

 

  退屈ばかりだって ~ 手を這わし 願ってた

 

極論、恋人がいなくたって生きていけるのです。

この人にとって、ちょっと人生が退屈になるだけ。

 

"妥協も必要"とは、望んだものが手に入らなくても仕方がないと諦めた方が良い時もある、ということでしょう。

それが「あの人に、自分のことを好きになって欲しい」というような夢のような話であれば、尚更です。

 

でも、好きな気持ちは抑えられない。

普段は「叶わなくても仕方ない」というフリをしているものの、その夢のような願いを捨てられずに、誰にも知られないところで魔法の鏡に縋っているのです。

 

 

  隔てられてる何処かへ ~ 目掛けてCross the line

 

鏡に願っているのは、"隔てられてる何処かへ行けること"。

 

最初もそうですが、ここで『好きな人と結ばれること』と書かずに、結ばれることで『隔てられてる何処か(=なにもかもが塗り替わった世界)へ行けること』と書くことで、恋愛的な解釈以外も可能にしているのでしょう。

 

その人の自分への好感度が分からない以上、告白が成功する確率も当然分かりはしません。

でも、成功する確率はきっと0ではないと、そのわずかな可能性を信じようとしています。その希望に手を伸ばそうとしています。

 

 

  Let me know 見せてくれ なにもかもが塗り替わった世界あるなら

 

さて、再び願望の羅列です。

どんなに願って訴えたところで、この人が話しかけているのは魔法の鏡。

ただの独り言は、運命を変える力など持っていません。

 

 

  まやかしの希望 ~ いつかきっと出会おう Phantom…

 

わずかでも希望があると信じたいだけであり、実際はどうせ希望などありはしない。

そうやって馬鹿にしてくるこの偶像は、自嘲のようなものでしょう。

 

心に潜む、駄目かもしれないと思う自分をどうにか追い払い、希望を捨てないように、前向きであろうとしています。

 

鏡の中にいる誰か(="Phantom")。これは白雪姫における、魔法の鏡に閉じ込められた男のことでしょう。この男こそが、真実を教えてくれる第三者です。

 

しかし何度も書いているように、実際は鏡に真実など映し出されません。

男が問いかけに答えてくれることはないのです。

真実を知りたいのなら、好きな人に直接想いを告げるほかありません。

"夢ばかり見られないだろ"と現実的な考えを持つこの人なので、一応分かってはいるのでしょう。

 

(好きな人が自分のことを好きかどうかという)

真実を教えてくれるはずのPhantomに「いつかきっと出会おう」と語りかけているのを見るに、この人は真実を知る覚悟がある、つまり、いずれきちんと告白するつもりだということが分かります。

 

しかし"いつかきっと"なので、まだ当分告白する予定はないというか、告白したいと思ってはいるもののいつになるか分からないというような、曖昧で先延ばしにしている印象を受けます。

(言い訳で使う「いつかきっと」って大抵来ないからな…)

 

 

  街が色放って ~ 予感めいた リズムして

 

街がキラキラするのって、どんな時期を思い浮かべますか??

私が思い浮かべるのは何かしらのイベントがある時…やっぱりクリスマスかな、と。

別に夏祭りでも、ハロウィンでも、バレンタインでも、どの時期でもいいのですが…キラキラと言ったら個人的にはクリスマスのイルミネーションかなと思います。

 

寒い季節、綺麗なイルミネーションを見ながら寄り添い合う恋人たち。

いつもと少し違う特別な空気に包まれながらそういうのを見ていて、「もしあの人が自分の恋人として、今、隣にいてくれたら…」という憧れや妄想が、急に溢れ出してしまったのです。

 

何だかドキドキしてきて、何故か告白が上手くいくような気がしてきて、根拠もなく退屈な毎日が変わる気がしてきて。

 

 

  興奮のハレーション ~ はじけて Cross the line

 

"ハレーション"とは、写真で強い光が当たった部分の周囲が白くぼやけて写る現象のことを言います。

が、今回はそうではなく、そこから派生して使われる『ひとつの出来事や行動が周囲に予期せぬ悪影響を及ぼすこと』という意味の方でしょう。

 

街の特別な雰囲気に影響されて、興奮するまま人混みをかき分け、好きなあの人を探します。

もう夜遅いとか、そんなの関係ありません。

急に覚悟が決まったかのように、自分でも訳が分からないまま走り出します。

 

 

  Breaking now おかしいんだ ~ 叫ぶ MIRROR of TRUTH

 

もう少し仲良くなってから。

他に好きな人がいないかを探ってから。

経験上こうした方が上手くいくはず。

 

そうやって頭の中で考えていたプランが全て一瞬で崩れていきます。

直感的に「いつかきっと」が今日だったのかもしれないと感じながら。

 

ずっと「夢ばかりみられないだろ」とか「まやかしの希望」とか言っていた自分が急に壊れておかしくなって、「いけるかも」状態になっているわけです。

 

"この手伸ばしてしまえ"、つまり告白してしまえ!と叫ぶ真実の鏡。

もちろん鏡(神様)はそんなこと言いませんので、気のせいです。

真実を知りたいと強く願う心が、この人を突き動かしたのです。

 

 

  "Let me know 見せてくれ なにもかもが塗り替わった世界あるなら

 

今まで何度もぼやいていた願望にダブルクォーテーション("")がついています。

これは今また願っているわけではなく、過去の願いへと変わったのです。

 

自分で叶えようと行動せずに、鏡に対して願ってばかり。

そんなんじゃ、叶うわけがなかった。

"誰か(=神様)任せ"で叶えられるはずがなかったと、この人は気付いたのです。

 

"その先に"から"その向こうに"へ変わったことで、"なにもかもが塗り替わった世界"までの距離が近くなった印象を受けます。

遥か遠い先ではなく、もう少しで届くその向こう、といった感じです。

 

この人は今、ようやく自らの足で真実を聞きに行こうと踏み出したのです。

 

 

  求め続けた真実-モノ-が今になって ~頷いて消えた Phantom…

 

好きな人を…君を見つけました。

今夜、ついに真実が正体を現す…つまり、君が僕を好きかどうかが判明します。

良くも悪くも、勢いで告白してしまったのでしょう。

 

自らの手で真実を掴んだこの人には、もう鏡は必要ありません。

自分の力で願いを叶えられるこの人は、もう第三者に願い、縋る必要はないのです。

願いを叶えるためには、君と僕がいればそれで十分なのですから。

 

そんなこの人を見届けて、心に潜むPhantom…縋るための幻は、姿を消したのでした。

 

(おまけ。歌詞でPhantomの後に"…"がついていますが、幻が段々薄くなってスーッと消えていく感じがしますよね)

 

 

 

終わりに

 

ここまで読んでいただきありがとうございました。

 

この人の告白が上手くいったかどうかは歌詞に書いていませんが…Beitなのでハッピーエンドだと信じています。

(後述しているBeit的解釈の関係で結果を書けなかったと思われます)

 

MIRROR of TRUTH(真実の鏡)に縋るのではなく、この人のように自分の力で掴もうと行動するべきであり、この人こそがMIRROR of TRUTH(本当の模範)なのかも、と考えたりしました。

 

そして最初に書きましたが…これをBeit的に考えた時がエモです。

 

最初は各々願いを持ちつつ、行動できずにいる状態。でも、世界平和なんて馬鹿げていると他人には思われたとしても、実現したいと願う気持ちは本物で。

そんな時、(商店)街で君(他2人)と出会って、急に本当に実現できるかも!という気がしてきて、行動を起こし、アイドルになって世界に笑顔を届けている…。

 

最高すぎませんか。。。