こんにちは、北カリフォルニアの通翻訳者Junkoです。
ちょうど一年前から1週間か2週間に一度のペースで同業者と同時通訳のトレーニングをしています
広大なアメリカですからもちろんスカイプを利用してのトレーニングです。彼女も私同様、その昔に社内通訳からスタートした方です。
お互いに現場と電話の通訳、翻訳もしていることもあり、トレーニング以外にも情報交換の機会としてとても有意義な時間を過ごさせてもらっています。この仕事特有の悩みなんかも相談し合ったりします。
今回はキャリアの浮き沈みについて色々とディスカッションをしました。お互い偶然にも最近した仕事の中であきらかにアップダウンがあったようです。
どんな業種でもそうだと思いますが、翻訳や通訳業をずっとやっていると浮き沈みがあることに気づきます。自分で「今回はよい仕事ができたな~」と感じる時は充実感に満たされ、自信が溢れます。
「早く次の案件がこないかな、ワクワク!」 となるわけです。
でもその反対に 「思った以上に難しかったし、うまくできなかった」 とガックリくることも。
そんな時はド~ンと落ち込みます
パフォーマンスに関係なく報酬は入ってきます。でも、自分で納得できる仕事ができないといくら報酬がよくても全然嬉しくないんですよね。
お役に立てた感
がないとまったく満たされません。
この仕事はサービス業ですから、クライアントに喜んでいただかないと意味がない。どんなに一生懸命頑張ったとしても、役に立たない通訳や翻訳ならやらないほうがマシ。
私も最近、エージェンシーの人選ミスで専門外の案件を受けたことがありました。前日に連絡を受け、セールス会議だと思って行ってみると高度な技術会議だったという・・・。エンジニアリングの知識がない通訳は通常受けることができない案件です。
某IT企業のエグゼクティブセンター。世界中からビジネスマンが訪れます。
準備時間もまったくなく、詳細もわからずに案件を受けてしまったことは大失敗でした。そしてもちろん満足できる通訳ができなかったことも。クライアント側にとっては多額の資金、某社側にとっては大切なビジネスチャンスがかかっている大切な会議です。
まあ、今回は私のミスではなかったのですが、例えば仕事で失敗をしてしまった時・・・
さすがに今はありませんが、最初の頃は失敗をしてしまうと
「やっぱりこの仕事向いてないのかも」
と不安になったりしました。
もしエージェントやクライアントからクレームが入ったりすれば、この時点で心が折れてしまってプロになるのをあきらめてしまう人も多いのではないでしょうか?
少なくとも日本やアメリカでは、通訳や翻訳業に資格は不要です。でも、それだけに経験と実力で勝負しなければなりません。そして、優秀なプロはたくさん存在します。もちろん、語学力が高いこと、翻訳・通訳学校または大学院で基本的な技術を学んでいることが前提。
さらにプロとしてお仕事がもらえるようになるには最低3年か5年の実務経験が必要です。会議通訳にいたっては10年が目安のようです。
仕事がコンスタントに入るようになるまではさらにそこから何年もいや何十年も経験を積む必要があります。
じゃあ一人前になるまでにいったい何年かかるの?という話ですよね 笑。
話が少しそれましたが、お互いのこれまでの経験から私たちが出した結論は・・・
★ クオリティに影響が出るような納期の翻訳案件は受けない
★ 充分に準備時間が取れない通訳案件は受けない
★ 会議の内容とレベルが明確ではない仕事は引き受けない
★ 自分が無知な分野のまったく手が出ないようなレベルの案件は断る
★ 通訳者や翻訳者のことを全く考えないエージェントとは仕事をしない
そして、最近の私の鉄則とは・・・
☆ 自分の失敗を潔く認めて、一度ドーンと落ち込んでスッキリしたら、後は引きずらないこと
☆ 二度同じ失敗をしないこと
☆ 落ち込むエネルギーがあれば、次の仕事で倍返しができるように力を注ぐこと
さあ、後ろを振り返らずに前進あるのみ