DVD「不食の時代~愛と慈悲の少食」見ました。 | 耳トレtsingmoo青木肇のブログ

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完全音感(絶対音感&相対音感)指導。聴音、ジャズピアノ、ジャズボーカル、スキャット、アカペラベース、英語発音指導。アカペラバンドクリニック。
ピアノ、アカペラ、合唱、リコーダー、カリンバアレンジなど。
http://tsingmoo.web.wox.cc
青木肇tsingmoo@yahoo.co.jp

ドキュメンタリー映画。白鳥哲監督作品。

http://www.youtube.com/watch?v=fsxug-12fz0


主人公は「食べること、やめました」などの著書もある、鍼灸師の森美智代さん。

ご本人が出演しており、若いころの再現シーンは山田まりやが演じている。


若い頃、難病の「脊髄小脳変性症」になったけれど甲田光雄医師の指導で健康を取り戻す。


甲田さんの指導は「西式甲田療法」という名前でよく知られてますね。


甲田光雄さんは、西勝造さんの「西式健康法」(西さんは、若いころ医者に20歳までは生きられないと宣告され、自力で治るために何万冊もの本を研究実践して、独自の健康法を編み出した人)をベースに、断食、少食を中心とする治療、指導をしていた阪大医学部出身の医師。

甲田さん自身も、西式を実践して健康を取り戻した人。

甲田さんの少食関連の著書はたくさんあります。


森さんの場合、(話をちょっと単純化しますが)、断食し、少食にすると体調がよくなるけれど、普通の食生活にするとまた症状(平衡感覚がおかしくなる、運動機能が低下し歩けなくなってくる)が再発するため、どんどん食事量を減らしていく。

勿論最初はどんどん痩せる。


ある一定期間、超少食を続けていると体の方が非常事態と判断して、エネルギー効率が極端によくなって痩せなくなる。

むしろ体重は増加し始める。

甲田カーブとも言われ、生菜食や超少食実践者に上手く移行した人には一般的に見られる現象。


彼女の場合、どんどん食事量を減らしていくことで改善し、行き着いたところが一日80kcalの青汁と若干のサプリ(スピルリナ、エビオス)という食事。

これで痩せることもなく、現在は元気に鍼灸師として活動されている。


西式健康法には金魚運動や腹背運動、毛管運動などの体操があるが、森さん自身が日常的にそれらの体操をしている姿も映っていて、ああ、このぐらいの動き、スピードなんだ、と参考にもなった。

(これらの体操は、自分でも毎日やってるので)


森さん以外の、断食少食指導を受けて健康を取り戻した人達のインタビューもそれぞれに興味深く、(甲田さんの本でも例として紹介されていた)、本人が直接語るのはやはり説得力もある。


この映画の主題、主張の一つは、現代人は「食べ過ぎ」ているということ。

「普通」の食事そのものがすでに多すぎるということ。

こう書くと何だか禁欲的?な感じもするけれど、実際、つい100年、200年前に比べたらやはり食べ過ぎでしょう。


あと、「食べ物」は「物」ではなく、他の生物そのもの、「命」であり、それを貰っているのだということ、そのことへの感謝。


世界に飢餓をなくす、という観点からも重要なメッセージを含んだ映画だと思います。


別に極端な超少食を目指さなくても、多くの人が「必要なだけ食べる」ということにしていくだけでも、相当量の食物を足りないところに回せるように思います。

市場メカニズムその他の問題も勿論あるのですが、、。


食とはそもそも何なのか、大いに考えるきっかけになる作品です。


ここからは私見ですが、甲田さんの食事指導メニューは、実践するにはなかなか厳しいかな、とは思います。


同じように西式健康法を治療、指導のベースの一つとしている石原結實(ゆうみ)医師(しょうが紅茶でも有名なお医者さんですね)の食事指導の方が、現代人にはラク(で、同じ効果が得られる)かもしれません。


甲田さんの本も、石原さんの本も、公立図書館にたくさんあります。

よかったらご参考に。