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photo credit: T3I Erick via photopin cc
僕の父は仕事から帰ってくると、ドカッとソファーに座り、ビールを飲みながらいつもプロ野球中継を見ていました。でも、僕には「勉強しなさい」と言うのです。
「大人っていいな。家で勉強しなくてもいいんだもん。」
小さい頃の僕はいつもこう思っていたように思います。
さて、記憶の中にあるその頃の父の年齢に僕自身も近づいてきました。実際には、仕事から帰ってくるなりテレビの前に陣取ったことなどありませんw まぁ昔ほどテレビが娯楽の中心ではないということもありますが、でも未だに勉強をしているからこそ、家でゆっくりする時間などありません。
小さい頃、勉強はやらされるものでした。ドラえもんでは、のび太君のママが「0点」の答案を見て怒る場面が度々ありますね。勉強ってあんな風に、学校や親から「やりなさい」と言われてやるものだし、いい点なら褒めてもらえる、悪い点なら怒られる、子供にとっては基本的その程度のものです。そこに勉強する意味など考えたことはありませんでした。
そして時は経ち、大人になった現在。結局まだ勉強しています。ある人は就職のため、ある人は転職のため、ある人は現在又は将来のビジネスのために。
僕たちの年代は、いわゆる詰め込み教育のピークの頃。とにかく知識(今考えるとあれを「知識」と呼べるかは微妙ですが)を詰め込んで、テストの点を上げて、偏差値アップ!みたいな環境に中学・高校とどっぷりだったわけです。そして、税理士受験生の勉強の仕方を見ていると、やはりその延長線上で勉強をされている方が多いように感じます。受験ビジネスも未だにこの方法論ばかりですね。
でも、その勉強方法ってそもそも正しいのでしょうか?
勉強方法ってそれ以外にないのでしょうか?
暗記することは勉強ではありません。知識は活用してこそ意味があります。ただ暗記することにいったいどれだけの意味があるのでしょうか。
税理士としてお客様から「先生、これはどう思われますか?」という聞かれた時に、先方が欲しているのは杓子定規な法律や会計知識の回答ではありません。その背景や自社の状況も踏まえた意見を、あなたの言葉で聞きたいのです。そんなとき、暗記しただけの知識で答えられるでしょうか。
大人の勉強には常に「なんのために勉強するか」ということが念頭にないといけません。なぜならば、勉強が結局は仕事に直結していくからです。中学・高校・大学と、勉強だけをしていれば、その意味など考えなくてもいい時期はとっくに過ぎ去りました。
結局は大人になっても勉強する必要があるのです。でも、ただ「勉強」しているというスタイルだけなら、友人や恋人、家族と過ごす時間を作った方が人生においてはよっぽど有意義でしょう。
数ある選択肢の中から、貴重な時間を費やして勉強するのであれば、やはり到達するべき目標がないとその意味は半減してしまいます。
漫画「働きマン 2巻
「たいていのヤツはボールを『入社』に向かって投げるから、最高でも『届く』で、普通はもっと手前で落下する。ところが目標を『入ってから何をするか』『どうなりたいのか』に設定すれば、自ずと遠くに投げるから結果として『入社』は飛び越えている。」
(働きマン 第2巻 vol.13「面接マン」より)
いかがですか?
大人の勉強もこれと同じようなものだと思いませんか?
どこまで遠くにボールに投げようとするかで、その人の勉強する時間の密度が大きく変わってくるということは、強く意識しておくべきだと思います。
最後に、税理士試験のような国家資格の勉強方法とはちょっと違いますが、非常に示唆に富んだ記事がありますので、ご紹介します。税理士試験の勉強をする際にも活用出来る部分は多数あるいい記事です。
「仕事力に差がつく大人になってからの「勉強法」--10の心得」
ただがむしゃらに勉強するだけでは、いつかゴールを見失います。しかし、効率を追求するだけでも限界があります。精神論のようになってしまいますが、やはりそこには自分なりの「意味」が見いだせることで、到達するレベルも、勉強の効果も全く変わってくることを強く意識するべきです。きっと、それが現代の大人の勉強なのです。