第104回 草月いけばな展 前期 ~ 日本橋高島屋 | 理系男子による自由に花をいける秘訣(自由花)

理系男子による自由に花をいける秘訣(自由花)

花をどういけたらよいか? 自由花のいけ方、そのポイントをお伝えしています。

・第104回 草月いけばな展 前期~ 日本橋高島屋

 

斎藤です。

 

草月流の今年1年の一大イベント、

草月 いけばな展がはじまりました~

第104回草月 いけばな展

「What's SOGETSU? −草月ってなんだろう?」
日本橋髙島屋S.C. 本館8階ホール
会期:前期10/25 - 10/27

   後期10/28 - 10/30

 

正面玄関では

花火大会のように華やかな

作品が迎えてくれます。


ただ美しいだけではない、

ユニークな色かたちのオブジェ。

What's SOGETSU? - 草月ってなんだろう?

この問いへの更に深化した答えを、

出品者一人ひとりが

「私の花」として表現いたします。

勅使河原 茜お家元のお言葉より引用

 

さっそく作品を見ていきます。

 

久保島 一超、石松 一豊、枝吉 桃園、奥 萩広、

小野瀬 青萠、甲斐田 紫翠、川越 一晋、

此本 一象、鈴木 美峰、武田 桃葉、野平 爽庭、

花島 悦湖、広田 桃友、森下 一舟

アセビ、ツルウメモドキ

 

オレンジ色のツブツブが

花火のようにはじけます。

 

からだがオレンジの色と音に

みたされる感じです。

 

作品中央に光る白い円は、

なめらかにみがかれた木の断面。

 

ふしぎな存在が

作品のアクセントになっています。

 

 

日向 洋一、荒井 里奈子、井浦 千文、磯辺 秀幸、

一柳 洸香、伊藤 蕉千、内田 洸螢、大久保 陽水、

小川 蕗洸、加藤 洸昌、佐藤 萠英、鈴木 光村、

髙倉 玎森、髙橋 可洸、茶木 太葉、中島 杏翠、

中島 里洸、中谷 洸萠、幡 洸佳、日髙 秋紅、

日向 雄一郎、平野 縁楓、三浦 洸国

カイズカイブキ、アセビ、クワズイモ、バナナ、

ナタマメ、ビロウヤシ、オーガスタ、ニューサイラン、

ネオレゲリア、アカバセンニチコウ、カラテア、

アキイロアジサイ、ヤマゴケ

 

これまでのクワズイモの作品の

総決算をおもわせる

 

圧倒的な存在感を放つ作品です。

 

名前の知らない花材が多い~

 

何物かひそんでいそうな足もとです。

 

 

中村 草山

シール、りゅうぜつらん、

さるすべり(家)着色、

ペッパーベリー 着色

 

中村先生のお召しになっている服を

つかった作品に見えますが、

 

作品を近づいて見ると、

 

さらに近づいて見ると、

ひえ~、無数のシールなんです!

制作に何日かかるんでしょう、、、

 

 

岡崎 忍

テーマ:色

胡蝶蘭、昆布、あぜ板

 

この黒い板はなんだろう?

とつねづね思っていたのですが、

 

農業資材の畔板なんですね~

 

よのなかには

まだまだ気づいていない

 

異質素材でいっぱいです!

 

 

横山 華苑

テーマ:色

ナタマメ、カスミソウ

 

ふしぎな形をしたナタマメですが

ふと思う、

 

これって、、、

 

スケートをする

人のかたちかも?(笑)

 

 

佐々木 由芳

テーマ:塊

ピンポン菊、レモン

 

1つの大きな黄色い塊を

眺めているうちに、

 

ピンポン菊1つ1つも、

レモン1つ1つも塊に見えてくる。

 

その温かなユーモアに

クスリとわらってしまいそう。

 

今行われている

国営昭和記念公園の野外展で

一緒に制作した方です。

 

制作したときの様子を

おもいだします(笑)

申し訳ありません。

なぜか別の方と勘違いしていました。

まったくちがうお名前なのに、、、

 

お詫びして訂正します。

 

 

藤田 優華

阿波和紙、黒豆の煮汁

 

紙がフニャっとならずに

高い背丈のままで定着しています。

 

しかも煮汁をしみこませながら、、、

 

どうやっているんだろう???

 

いろんな角度から見てみましたが

証拠は見せませんでした(笑)

 

 

【新人賞】 平野 博美

椿の枝、椿の根、椿の葉、

椿の実、椿の種(粉末にしたもの)、

ブリキ、椿の花(写真)、鳥の羽、

へくそかずら(枯れ物)

 

鳥のかたちをした作品のなかに

 

さまざまな椿のすがたを

ひそませています。

 

なかでも葉の緑色は、

 

写真の花との対比となって、

キラキラかがやく宝石のようです。

 

 

赤穂 洵光

ピンクッション、ラミネート、

アクリル三角棒

 

ラミネートに封印された花材は

幻想的に宙にただよいます。

 

この花器をみいだして

あわせたところが絶妙です。

 

 

中井川 青杜

エノコロソウ、枯枝

 

みんな大好き、

エノコロソウ。

エノコロソウ愛に

あふれています~

 

 

吉田 紫鳳

エクレール(バラ)、

りんごの小枝、

(保水キャップ)

 

息の詰まりそうなほど

小さく精巧に作り上げられた

りんごの小枝によって

 

緑のやどるいのちが

いっそう かがやいて見えます。

 

 

山本 桃華

ベゴニア、スパイラルバンブー、

ほととぎす

 

ベゴニアの、

くせになりそうな質感が

 

花器の質感と

ぴったりなんです~

 

 

中田 芳聖

けいとう(Cockscomb)、

かんぼく(Crambark)、

漆喰(つなぎに雑草の根っこ)、

(Plaster with weed roots)

 

同時に

別の展覧会にも出品中の先輩です。

 

おつかれさま~

 

浮遊するふしぎなかたちと

ドキリとする赤い色から

目を離させません。

 

ほとんど同じ色の

けいとうとかんぼくを

合わせるのは

 

おそらく先輩のこだわり(笑)

 

花材のリストは

いつもかならず印刷された文字、

そして英語を添えるところにも

確固とした美意識があります。

 

 

吉田 穂陵

のばら

 

色彩構成コースで一緒に

学ばれる先輩の作品です。

 

すっきりと、そして無造作に

あそんでいる黒い線ですが

 

選んだ色にもかたちにも

いっさいの無駄はなく、

 

確信にみちた存在感があります。

 

 

丹野 霞園

ふじづる、つるうめもどき、

鉛、銅板、綿棒

 

独特な色の乱舞する作品です。

 

近づいて見ると、

着色した綿棒と

金属の光沢なんです。

 

異質素材はたのしい~

 

 

竹中 麗湖

ガラス、鉄

 

しずかな平面のなかに

血潮のような赤い花です。

 

ちかづいてみると

花と思ったのは

ガラスの破片なんです!

 

花材をつかわないのに

 

花材の存在をかんじる

いけばな作品です。

 

 

やまぐち としえ

ヨシ、和紙、コケ

 

数式のような

シンプルな作品のなかには

 

さまざまな色の

しかけが隠されています。

 

 

 

狩野 朱紅

柿、槙、どうだんつつじ、

りんどう、小菊、チカラシバ

 

作品が汚くなりそうな花材を

えらびながら、

上品に、そして

いまの季節ならでの趣を醸し出す

その表現力。

 

いつか

わたしもできるようになりたい。

 

 

片山 健

スダレ、バンダ蘭、カスミ草、

イチョウの板

 

花材にまっすぐにひたむきであり、

そして

 

王者のような

圧倒的な強さをほこる作品です。

 

 

わたしのお気に入り作品は

今回は男性作品が多かったですね。


「草月ってなんだろう?」

 

そう考えさせる作品たち。

 

生徒さんにも

是非足をはこんでもらいたい

いけばな展です。

 

いけばな展 後期にもいくゾ!

おーっ!

 

お花の先生をはじめました。
くわしくは下記からどうぞ。

いつも温かく見守ってくださって
ありがとうございます。