日本橋三越 池坊展 | 理系男子による自由に花をいける秘訣(自由花)

理系男子による自由に花をいける秘訣(自由花)

花をどういけたらよいか? 自由花のいけ方、そのポイントをお伝えしています。

・日本橋三越 池坊展

斎藤です。

いけばなの歴史を学んでいくと、

・桃山時代の立花
・江戸時代の生花
・戦前の自由花運動
・戦後の前衛いけばな

は避けて通ることができません。

ただし、草月にとっては、
馴染みが薄い立花、生花。

立花、生花の精神を写した作品は
自由花のお稽古の中で学び、
切り開いていきます。

今回、立花と生花の作品を知る
絶好の機会だと思い、
行ってきました。それは・・・

パンフレット


ということで、勉強のため、
立花正風体、生花正風体を中心に
作品を見てきました。


池坊三世代の作品。

・お家元池坊専永

家元池坊専永

ちょっと右側から、

家元池坊専永2


・次期家元池坊由紀

次期家元池坊由紀

ちょっと右側から、

次期家元池坊由紀2


・池坊専宗

池坊専宗

ちょっと左側から、

池坊専宗

宇宙的な広がりを感じる作品。

奥行きを大きくとる。、
そのための全体のバランスは?

1つの答えとして、

存在感の大きな枝を
手前に持ってくるという方法が
見えてきます。


■特別招待席の作品


特別招待席

特別招待席

少ないお花と、わずかな矯めで、
きりりと空間を引き締めます。

名札には、役職?資格?も
書かれていますが、
よくわかりません・・・

でも、池坊に長年貢献された方
でしょうね。


■悠久の流れ~ともに歩む~

いけばなの作品が存在するのは
一瞬の時の間。

しかし、いけばなをいける心と技術は、
先生から弟子へ
脈々と受け継がれています。


悠久の流れ~ともに歩む~


悠久の流れ~ともに歩む~

悠久の流れ


奥に広がる若葉の枝は、
禅寺の庭の借景のようにも
見えます。

いけばなの格を表す方法として、
庭の真・下草・借景を
モチーフにしているかもしれませんね。

悠久の流れ~ともに歩む~

ちょっと左側から

悠久の流れ~ともに歩む~

手前に競りあがるたった1本の線で、
奥行きとのバランスを保っています。


撮った写真を整理しているときに

気づいたのですが、、、

作品の見映えは
いけばなの正面の、
座った位置の高さ。

でも、いけるときの参考になるのは、
ちょっと斜めから写したとき。

次回から、
斜めの位置の写真も心がけたいです。


■立花正風体

立花、生花と型は違っていても、
また時代は違っても、
大切なことは

誇張と省略を通して役枝を活かす、

とのこと。

流派を越えて共通することですね。

立花正風体


・直真の立花

立花正風体_直真の立花

一番伝統の長い型です。
ここでは奥行きを感じません。

すべての枝は、
立てるという一点にのみ、
ちからを注ぎ込むのですね。

・除真の立花

立花正風体_除真の立花


・砂之物

立花正風体_砂之物



盛花の成立(小原流さんですね)に
影響を与えたといわれる花型です。

・立花十九ヶ条 かきつばた一色



・立花十九ヶ条 松の胴



・習物七ヶ条 下段大遣い



・習物七ヶ条 大内見越



・立花十九ヶ条 中段流枝




■生花正風体

・交ぜ生け



・三種生け


・三種生け



・釣り花

生花正風体_釣り花


・生花別伝 中段流枝

生花別伝中段流枝


・生花別伝 体はずし

生花別伝体はずし

生花別伝 前に副を用いる事(前副)

前に副を用いる事(前副)


■新島八重と池坊

これも生花正風体なのかな?

これまでより造型的な表現なので、
明治時代の生花かも
しれませんね。

・一種生け

一種生け

・一種生け
一種生け

・二種生け

二種生け


・一重生け

一重生け

・横掛け

横掛け

・向掛け

向掛け

・生花七種伝 芭蕉

生花七種伝芭蕉


・ヨーロピアンスタイル

頭の整理のため、自由花は、
じっくりと見ないように
していたのですが、、、

今回のブログ連花のテーマ
「ミニアチュール」との関連から
つい立ち止まってしまった作品(笑)

自由花


■まとめ

草月の花型が
流派に拠らない共通の特長を
選び抜いたと仮定すると、

立花・生花の特長は・・・

1)立花:まっすぐに立てる立花。
  草月では、主枝は必ず傾けます。

2)生花:奥行きへの高い意識。
  草月で、後ろ向きに主枝を活けるのは
  第一応用のみ。(第六もありますが・・・)
  しかも傾きは15度まで。

にあります。

1)または2)をバランス良くするために、
どのお花を選び、どう配置するか。

1)についていえば、
  垂直なの枝を活かすには、
  奥行きは出さず、
    横の枝をアクセントとして配置。

2)についていえば
   深い奥行きに対して
  手前に存在感のあるかたまり、
  または手前に競りあがる1本の線で
  バランスを取る。

・・・というところが、
わたしの理解のレベル(笑)

上達するにすれば、
もっと良く見えてくるでしょうね~

生花については、
未生流さんもはずせないそうですので、
いずれ機会があれば。