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目論見が狂った北朝鮮

●全会一致がものをいう国連安保理の対北決議
国連安保理が北朝鮮への制裁決議を理事国15カ国の全会一致で採択した。武力行使を含む経済制裁の根拠となる国連憲章7章に言及せず、したがって経済制裁の具体的な措置はないが、北朝鮮にはWMDに結びつく物資の輸出入を防ぐよう国連加盟各国に求めている。ということはその金の流れを阻止し、発覚すれば口座を凍結する米の現行金融制裁措置を安保理が認めたようなもので、「「制裁決議」と呼ぶべきものです。米英の国連大使は拘束力のある決議と述べている。

最終決議案は中露の棄権に考慮してトーンダウンされたが、それでも中露が望んだ単なる非難決議より厳しい内容だった。全文を読んでいないのですが、ダイジェストでは緊張を生むような行動(ミサイル発射)を慎むよう特に強調している、つまり『2度とミサイルを射つんじゃないぞ、また発射すれば次は第7章だからね』という意味が込められているのです。

●日本国連外交の稀に見る成功
採択にいたるまで10日、合意点をさぐる駆け引きだったがG8サミット直前に決着したのは、北のミサイル発射後ただちに日本が安保理に提案したから間に合ったようなものだ。こういう迅速な対応が出来る外務省だったのですね。今回にかぎりなぜそんな早業ができたのか、次期総裁最有力の安倍さんに迎合したとか、麻生外相の決断力とか、ボルトンの差し金とか、どれも当たっているようで、それらの相乗効果が働いたのだろう。大島賢三国連大使は意外にしぶとく交渉上手で幸いでした。ほかに二つの幸いがある。北の国連大使は国連仲間から毛虫のように嫌われていて同情を得られなかったことと、議定書作りの名手イギリスが理事国のすべてに受け入れられる文案を書いてくれたことである。

今回の北朝鮮ミサイル発射実験の目的はミステリーであるが、安保理全会一致という結果は全く予想外だったハズだ。中国とロシアが北に敵対する決議に同意すると判っていたら金正日はミサイルを発射しない。北は、中国からも韓国からも離れた領海内にちょこんと落として問題化を避けたつもりだったが、薮を突いてヘビを出してしまった。

●中国、金正日を冷遇しはじめる
先日、中国の武大偉外務次官は2国間協議に応じても良いとするブッシュのメッセージ携えて平壌を訪問、金正日は米がすり寄ってきたと、鼻高々だったと伝えられる(USA Today)。もっとも金正日としては国内の危機感が高まれば内紛解消・挙国一致・体制維持に繋がるので痛くも痒くもない。しかしまさかそれが目的ではないだろう。中国は生意気になりすぎた北朝鮮に胡錦濤は苛立っている。金正日に冷淡になりはじめた。これから中朝関係に翳りがでるおもしろい展開がみられます。

●安保理決議で名を上げた日本、損した韓国
一方中国は、米と連携して国連決議に功のあった日本を気分次第で侮れなくなった。中日関係の修復にあちらから働きかける風向きに変わりつつある。安保理決議でいちばん損をしたのは、対北宥和政策という無策の盧武鉉を戴く韓国である。日本を騒ぎすぎると託宣をくだしたノムヒョンの無能ぶりがあからさまになり、さらに南北閣僚会議では北にすっかりナメられ押しまくられて良いところがなかった。(了)
目論見が狂った北朝鮮【そ886】安達正興のハード@コラム

対北決議採択10日間の攻防 中国譲歩させた日米の絆

 北朝鮮をめぐる国連安全保障理事会を舞台にした攻防は、非難決議の採択という形で一応、決着した。10日間にわたる攻防と混迷の過程を振り返る。(ニューヨーク 長戸雅子、石橋文登、大谷次郎)
  
 「ミサイル発射は日本の安全保障にとり直接の脅威だ」
 大島賢三国連大使は制裁決議案を提示した7日、安保理非公式協議でこう明言した。日本にとり妥協の余地がないことを内外に宣言したのだ。国連外交筋は「『直接の脅威』という強い表現を日本の外交官から聞いたのは初めて。日本の覚悟を感じた」と振り返る。
 当初、安保理のメッセージとしては最も位置づけが低い報道声明による解決を提案した中国。それがやがて議長声明へと譲歩し、中朝協議が不調に終わるのを見越すや、ロシアと非難決議案の提示に踏み切った。
 このとき、中国の王光亜国連大使は「制裁決議案が採決されるなら、(本国から)拒否権行使の指示を受けている」。拒否権行使をちらつかせるのは中国のいわば常套(じょうとう)手段。だが、「ここまで露骨に明言するのは異例だ」(欧州外交筋)と周囲を驚かせた。それは裏を返せば、日本の強い姿勢を目の当たりにした「中国の焦り」(国連外交筋)だともみられた。
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 「これなら全会一致で採択できる。日本の勝利だ」
 16日未明、ハドリー米大統領補佐官は、安倍晋三官房長官に電話をかけ、国連憲章7章を削除した非難決議案への賛同を求めた。
 「十分に法的拘束力はある。米国は採決の際、拘束力があることを明言する考えだ」。念を押すハドリー氏。非難決議案の「国際平和と安全の維持への安保理の責任」という表現に加え、採択にあたり口頭によって決議の拘束力を確認すると説明した。安倍氏は提案に理解を示したものの、最終的な判断は麻生太郎外相とライス米国務長官の電話会談に委ねることで合意した。
 その麻生氏は15日深夜、外務省幹部から妥協案をのむかどうか決断を迫られていた。「日本以外の14カ国はすべて賛成です」と説明する幹部。麻生氏は「7章にかわる表現で本当に制裁が担保されるのか。中国を含めた14カ国が本当に賛成するのか。もう一度確認を取ってから連絡をくれ」と念を押した。
 「日本の国家としての意思を問われている。中国の拒否権行使もいとわない」と考える麻生、安倍両氏にとり「制裁」の根拠となる7章の削除は苦渋の決断だった。
 ハドリー氏との電話会談を終えた安倍氏は即座に麻生氏に電話をかけた。「厳しい選択ですが、よくここまでこられたとも言えます。最後は麻生さんの判断にお任せします…」。麻生氏は腹を固め、秘書官に言った。「ライス氏と話をする。電話をつないでくれ」
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 政府内が常に一枚岩だったわけではない。早期の妥協を模索する動きもあった。とりわけ12日に中国とロシアが非難決議案を提示して以降、外務官僚は「落としどころ」を探ろうとはやる。
 14日、麻生氏の堪忍袋の緒が切れた。大臣室。 「こちらが突っ張ったから、中露は議長声明から非難決議に譲歩したんだろ。あんたらは優秀かもしれないが、けんかの仕方を知らないんじゃないか。成功するまで報告はいらない」
 幹部を叱責(しっせき)すると姿を消した。背水の陣を促したのだ。
 15日午後、安倍氏の電話が鳴った。国連日本政府代表部の北岡伸一次席大使だった。
 「英仏両国が7章を削除した妥協案を提示しています。国際社会に強いメッセージを発する内容で、中国も賛同の意を示しています。むしろ日本がまとめ役として…」
 安倍氏は「こちらはすでに第7章を40条(暫定措置)に限定するところまで譲歩しているではないか」と不快感をあらわにした。電話を切ると、ため息まじりにつぶやいた。「日本が降りるにしても最後の最後。ギリギリまで妥協に応じるそぶりすら見せては駄目なのに、なぜ分からない」
 この一件は外務省にも伝わった。谷内正太郎事務次官は、即座に外務省飯倉公館に幹部を非常招集し、「最後まで日本政府は基本方針を貫く。最終的に妥協に応じるかどうかは閣僚レベルの政治判断だ」との旨を徹底させるように指示した。
 ニューヨークで14日夕(日本時間15日午後)、安保理常任理事国の非公式協議後に、日本が再び態度を硬化させたのはこのためだった。中国の王大使は「一部の国が過剰反応している」と日本を批判した。
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■小泉首相「最後まで突っ走れ」

 安保理での駆け引きが続く中、小泉純一郎首相が中東へ出発する直前に安倍、麻生両氏に出した指示はただ一つだった。
 「最後まで突っ張れ。決して引くな」
 ブッシュ米大統領のホワイトハウスへの指示も「小泉を困らせるな」のひと言だったと伝えられる。非難決議採択にこぎつけた最大の要因は、小泉首相とブッシュ大統領が築き上げた「日米の絆(きずな)」だったといえる。
<産経新聞>

イザ!:対北決議採択10日間の攻防 中国譲歩させた日米の絆-政治もニュース

中朝国境の町 突然、経済交流に変化

 北朝鮮のミサイル問題で、北朝鮮と中国の国境にも変化が起きている。貿易が盛んに行われていた中国側の国境の町では15日、突然、北朝鮮側が物資を積んだトラックの行き来を禁止した。山川友基記者がリポート。
 
 中国と北朝鮮の国境の町・丹東。町には朝鮮語の看板があふれ、北朝鮮のビジネスマンも見かける。2つの国をつなぐ鉄橋は、ミサイル問題で国際的批判が高まる中でも、毎日100台ものトラックが物資を積んで行き交った。

 中国と北朝鮮の貿易量の70%が丹東を経由し、中国製の日用品や建築資材などが、困窮する北朝鮮経済の命綱となっている。それにもかかわらず、北朝鮮が突然、今月15日からトラックの出入りを禁止すると通告したため、憶測を呼んだ。

 実際には橋の通行は17日も続いているということだが、北朝鮮の孤立と混乱は、中国にとって大きな痛手となる。経済発展する丹東には、合弁企業の設立も相次いでおり、物資の供給が止まることに、先の見えない不安が広がっている。
日テレNEWS24