特定失踪者 問題調査会 「拉致」解決へ活動
北朝鮮に拉致された人たちの実態を把握し、早期の帰国を実現させようと、特定失踪(しっそう)者問題調査会(東京都文京区)が独自の活動を続けている。これまでの調査で、神戸市出身の有本恵子さん=当時(23)=ら政府が認めた拉致被害者十七人以外にも、三十五人が「拉致の可能性が高い」と分析。「被害者は少なくとも百人以上いる」と見込み、ラジオ放送を使った情報収集などを進めている。(東京支社・柴田大造)
北朝鮮へ短波放送/家族から聞き取り
「救出態勢急ぎ整備を」
■受信報告百件以上
「北朝鮮の核問題をめぐる六カ国協議のニュースをお伝えします」―。 十四日午後三時すぎ、都内の事務所に設けたスタジオで、荒木和博代表(拓殖大教授)がマイクに向かった。
北朝鮮向けのラジオ短波放送「しおかぜ」は、二〇〇五年十月から同会が始めた。第一、第二放送の二波を使い、失踪者二百六十人の名前や、家族が録音したメッセージ、北朝鮮に関するニュースなどを毎日、深夜と早朝に流している。
放送担当の村尾建児・理事は「短波ラジオは北朝鮮に二十万台あるといわれる。この放送を知った被害者らが情報を届けてくれれば」と話す。
今のところ、拉致被害者の消息に関する情報はないというが、欧州や米国などから百件以上の受信報告が寄せられるなど反響は広がっている。
■疑いは二百六十人
同会は、小泉首相の第一次訪朝(二〇〇二年九月)で拉致問題が注目を集めたことを背景に、〇三年一月に設立された。
北朝鮮や政府が認めた拉致以外にも、疑いがあるケースが多いことに着目。家族らからの聞き取りや、失踪地での調査などを行ってきた。
集まった失踪者四百六十人の情報のうち、二百六十人を家族の同意を得て公表。「拉致の可能性が高い」とみられる三十五人については、警察へ告発してきた。
神戸松蔭女子大生だった秋田美輪さん=当時(21)=は、その一人。一九八五年十二月、豊岡市(当時は城崎郡)竹野町の弁天浜にバッグなど遺留品を残し、消息を絶った。その前年、山梨県の女性も新潟県柏崎市の海岸にバッグを残して行方がわからなくなっており、同様のケースとして注目されている。
父親の秋田正一郎さん(74)は「娘には動機がなく、拉致を疑わざるをえない」。兵庫県関係では神戸市出身の金田龍光さん(七九年に失踪)、尼崎市の清崎公正さん(七四年に失踪)も、このリストに載っている。
■政府の認定
政府が認定した拉致被害者は、二〇〇二年の曽我ひとみさんと母ミヨシさん以降では、神戸市灘区の元ラーメン店店員の田中実さん、鳥取県米子市の松本京子さん―の二人に限られている。
ある失踪者の家族は「政府認定以外は、切り捨てられてしまうのでは」と不安を口にする。
同会が失踪者の状況を分析したところ、看護師など医療関係が十九人、印刷関係が十人、出身校の一致が十五件など、いくつかの共通点がみられた。同会は「北朝鮮による組織的な犯行をうかがわせる」と注目する。
先の六カ国協議でも拉致問題が進展せず、同会はいら立ちを強めている。荒木代表は「政府の認定はあまりにも遅すぎるし、数も少なすぎる。被害をもっと広くとらえ、救出態勢を急いで整えるべきだ」と訴える。
神戸新聞Web News NEWS&ニュース
北工作機関副部長が主導か=拉致被害者と面識、来日も-指示系統解明へ・警察当局
北朝鮮による一連の拉致事件で、工作機関「対外情報調査部」の副部長が、日本人拉致を主導した疑いがあることが24日、警察当局の調べで分かった。副部長は蓮池薫さん(49)ら拉致被害者と北朝鮮で面識があったほか、来日したこともあったとみられる。
警察当局は、対外情報調査部の対日課に所属していた指導員や工作員らが日本人の拉致を指示、実行したと断定しているが、同部の事実上のトップだった副部長が対日工作全般を掌握、主導していた可能性が高いとみて、指示命令系統などの解明を続ける。
Yahoo!ニュース - 時事通信 - 北工作機関副部長が主導か=拉致被害者と面識、来日も-指示系統解明へ・警察当局
首相 拉致解決に取り組み強化
安倍総理大臣は、北朝鮮による拉致被害者と25日に面会するほか、来月には、中山恭子総理大臣補佐官をアメリカに派遣して議会関係者と会談させるなど、拉致問題の解決に向けた取り組みを活発化させることにしています。
安倍総理大臣は、さきのアメリカのチェイニー副大統領との会談で、「拉致問題の解決は共通の課題だ」という発言を引き出し、拉致問題の解決に向けた日米の連携を確認することができたとしています。この会談の成果も踏まえて、安倍総理大臣は25日に新潟県を訪れ、就任後初めて拉致被害者5人と面会することにしており、日朝国交正常化を協議する作業部会で拉致問題の解決に最優先で取り組む方針などを説明することにしています。一方、昭恵夫人も、在京の各国大使の夫人たちを総理大臣公邸に招いて、横田めぐみさんの両親の活動を追ったドキュメンタリー映画の上映会を重ねており、政府は、こうした活動を通じて、拉致問題への国際社会の理解は深まっていると見ています。ただ、政府には、アメリカと北朝鮮の間で対話ムードが進み、エネルギー支援などが先行していくのではないかという懸念があり、来月には、中山総理大臣補佐官をアメリカに派遣し、議会関係者に理解と協力を求めるなど取り組みを活発化させることにしています。
NHKニュース