ストーリーとしての競争戦略 | 椿ブログ

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今担当している事業と、これから作る事業の戦略ストーリーを作ろうと思って、読みました。先週末、2回も読みました。

人が物凄い時間と労力をかけて頑張って作ったであろう戦略ストーリーが、どうもストーリーとしてスッと入ってこず、何が足りないのだろう…という問題意識を持って読んだら、色々解が見えてきて、とてもスッキリしました。

問題意識を持ちながら読書すると、効果テキメン!

特にこのあたり。

「戦略ストーリーとは、『項目ごとのアクションリスト』ではない。」

「『何』を『どのように』、が先行して、その背後にある『なぜ』が希薄になっていないか?

「一貫性高いストーリーは、打ち手をリストアップするだけではなく、その間にある因果論理を悲観主義で詰める。」

「自分がストーリーの登場人物で、自分の一挙手一投足が戦略の成否につながる。一人一人が根拠を持って日々の仕事に取り組める。お題目でなく自分の問題になり、ビジネスは総力戦になる。」

「ターゲット顧客=ストーリーの登場人物をはっきり、リアルにイメージする、心と体の動きをよくイメージする。ターゲットがどうサービスと関わり、どう喜ぶのか。しつこくイメージ。」


これは使えると思った点をまとめたメモです。

優れた戦略とは、思わず人に話したくなるような面白いストーリー。

ヒトの切実なものから生まれるストーリー。

・戦略ストーリーとは、「項目ごとのアクションリスト」ではない。

戦略の構成要素がどのようにつながって、全体としてどのように動き、その結果、何が起こるのか。戦略全体の動きと流れがさっぱりわからない。

「動画」であるはずの戦略が無味乾燥な静止画、項目ごとのアクションリストの羅列になっていないか?

「何」を「どのように」、が先行して、その背後にある「なぜ」が希薄になっていないか?


・エンディングから考える。
実現すべき競争優位とコンセプトを、はっきりとイメージする。

構成要素が強い因果論理でエンディングにつながるようにすれば、自然にストーリーがシンプルで一貫性が確保される。

目標は長期利益、手段が競争優位。

・コンセプト
コンセプトは目的。実現しようとする顧客価値がコンセプトに凝縮され、組織の人々の共通の目的になっていないとストーリーは動かない。

ターゲット顧客=ストーリーの登場人物をはっきり、リアルにイメージする、心と体の動きをよくイメージする。
ターゲットがどうサービスと関わり、どう喜ぶのか。しつこくイメージ。

誰に、何を、なぜ提供するのか。「なぜ」が抜け落ちてどのようにという方法ばかりが先行したコンセプトからは戦略ストーリーは生まれない。

▲業界No.1といった言葉を使うとその時点で思考停止に陥りがち。なぜその事業を必要とするのかを突き詰めず、頑張る!で終わる。

・悲観主義で論理を詰める
一貫性高いストーリーは、打ち手をリストアップするだけではなく、その間にある因果論理を悲観主義で詰める。

これからとこれまでのフィット。これからの事ばかり考えていると目先の機会に目が向きがち。

事業の成長は、これまでとこれからの連続性のある進化。非連続な革命はストーリー上に将来を描けなくなった時。

ストーリーが「そうなるといいな」と楽観主義に逃げるのではなく、とことん悲観主義になって論理を詰める。

▲"シナジー"とか"グループトラフィック"とか、見えない飛び道具を使って「こうすれば、どうにかなるさ」と楽観主義になってしまうと、話をつなぐ論理が緩い。

・ストーリーと組織
戦略実行に関わる人も、重要なストーリーの登場人物。

自分の仕事がストーリーの中でどこを担当しており、他の人々とどのようにかみ合って成果とどのようにつながるのか?ストーリー全体への実感がないと、戦略の実行にコミットできない。

自分がストーリーの登場人物で、自分の一挙手一投足が戦略の成否につながる。一人一人が根拠を持って日々の仕事に取り組める。お題目でなく自分の問題になり、ビジネスは総力戦になる。

戦略実行に関わる人が思わず人に話したくなるようなストーリーにする。

・戦略ストーリーと伝達
戦略ストーリーの伝達は非常に手間のかかる仕事。

リーダーが全身全霊を込めて、人々の目を見て、何度でも繰り返し説明。それができるように自分で面白いと思えるストーリーを作る。


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