From:ななころ
コメダ珈琲より
◆失敗パターンから考える不動産投資
不動産投資を成功に導こうと考えた時に、「成功ルートを探す」という方法の他に、「失敗ルートを選択しない」という方法があります。
あらかじめ過去に不動産投資で失敗してしまったパターンを知ることで、失敗を避けることができるようになり、成功ルートに近づくことができるメリットがあります。
もちろん不動産投資は、投資スタイルも投資家のスタートラインも能力も違いますから、必ずしも失敗を避けられるわけではありません。
人間ですから必ず失敗もするものです。
とはいえ、「これをやっちゃぁ・・・」という典型的な失敗パターンもあります。
たとえば、私たち大人は、小学生の子どもたちに、
「夏休みの宿題はなるべく早く済ませておいた方がいいよ」
「夏休みの後半に泣きながら宿題をやることになるよ」
と言ったりします。
私たちは自分たちの過去の失敗経験から(笑)、夏休みの宿題を後回しにして痛い目にあったという典型的な失敗パターンを避けるように勧めるわけです。
不動産投資も同じで、「こんなことをすると高い確率で失敗しちゃうよね」という失敗パターンが、いくつかあるわけです。
それでは、典型的な失敗パターンにはどんなものがあるのでしょうか?
◆典型的な失敗パターン(その1)
それでは、不動産投資の良くある典型的な失敗パターン1つ目として、
「購入時に大規模修繕のことを考えていない」
というケースが多く見受けられます。
売りに出されている物件で、入居率の悪い物件に多いパターンです。
入居率が悪いため、大規模修繕に回すお金がなく、さらに入居率悪化を招いている。
ニッチもサッチもいかなくなり、売りに出しているのです。
しかし、入居率の悪い物件は金融機関が嫌がる傾向にあり、融資が引きにくい。
ちょっと前でしたらカーテンスキームを使って融資を無理やり引き出していたようですが(苦笑)。
そのため、融資を引ける買主が長期間現れず、ずっと売れ残ってしまっている完全な失敗パターンです。
赤字を垂れ流し続け、最終的には返済ができなくなり、任売→競売に流れてくる物件も多く見てきました。
購入時に大規模修繕計画を立てて、収支に織り込んでいなかったための典型的な失敗パターンです。
◆特に新築物件は要注意!
この典型的な失敗パターンは、特に新築物件を購入する場合に要注意です。
たとえば、大問題となったT社の新築物件を例に取ると収支は以下の通りです。
全8戸の2階建ての木造アパートです。
・月額家賃収入・・・40万円
・銀行への返済・・・30万円
・その他経費・・・3万円
・月収支合計・・・7万円
立地も比較的良く、建物も新しいため、入居状況は安定していて満室です。
退去が出てもすぐに入居が決まります。
月ベースで7万円プラスにもなっています。
年ベースでは単純計算で84万円のプラスです。
固都税を払ったりしても、黒字です。
投資として正解かはともかく、20年30年と持ちこたえることができれば、残債も減りサラリーマン引退後の老後の収入源としては良さそうです。
しかし、恐ろしいのがここに大規模修繕費がまるで考慮されていないのです。。。
◆典型的な負のサイクル
数年後なのか、10年後か、20年後かは物件によりますが、どんな物件にも大規模修繕が必要なタイミングというのが必ずやって来ます。
小学生の夏休みの宿題のように・・・。
中古物件を購入する場合は、もともと建物がボロい状態の物を安く買うパターンも多く、大規模修繕を考慮に入れている投資家は多いのですが、
新築物件の場合、すっかりと抜け落ちてしまっている投資家が多いようです。
大規模修繕には、物件規模にもよりますが、最低でも数百万円~数千万円かかります。
上記のT社で建てた新築物件の場合、外壁と屋根防水をやると、最低でも300万円~500万円はかかります。
せっかく毎月収支が黒字でも、数年分のキャッシュフローが一気に吹っ飛びます。
大規模修繕ができない、もしくは躊躇してしまい放置してしまうことになります。
もしくは大規模修繕の必要になるタイミングの前に売り抜けようと考えている投資家もいます。
ところが、残債以上で売れないのです。
そうなると、冒頭で説明した完全に典型的な失敗パターンに突き進むことになるのです。
<典型的な負のサイクル>
大規模修繕に回すお金が無い
→ 建物トラブルが発生
→ 管理会社に嫌がられるようになる
→ 入居募集に苦戦するようになる
→ 空室期間が長くなる
→ 空室が増えてくる
→ キャッシュフローが悪化
→ 家賃を下げて募集
→ 広告費積み増し、フリーレントなど入居募集費用がかさむ
→ さらにキャッシュフローが悪化
→ 売却したくても、残債以上で売れない
→ 手も足も出なくなる
→ 破綻・・・
◆まとめ
以上、典型的な失敗パターンの1つである「購入時に大規模修繕を考えていない」を考えてみました。
この失敗から学び不動産投資を成功に導く方法としては、購入時の段階から戦略的に大規模修繕を計画しておくということになります。
大規模修繕をせずに売却できる場合もありますが、それは単なるラッキーです。
たまたま運が良かったと考えた方が失敗は避けられます。
いつまでも売れ残っている入居率の悪い物件というのは、典型的なこのパターンです。
不動産投資で経済基盤を確立するためには、購入時から戦略的に大規模修繕を考えておくが重要だと考えている次第です。
◆編集後記
このブログを読んでくださっている方の中には、「大規模修繕を考慮せずに物件を購入してしまった・・・」という方もいるかもしれません。
心配になってしまった方もいるかもしれません。
「もうどうしようもないのか?」と言うと、実は回避することもできます。
宣伝になってしまうのですが、7月度の定例勉強会は、大規模修繕を考慮せずに購入してしまった場合の回避策についてお話します。
コロナの影響もあって、ずっと会員限定で開催してきましたが、久しぶりの一般公開です。
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そのため、「会員ばかりで参加しにくい・・・」という非会員の方でも、気軽に参加できます。
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