From:ななころ
プライベートオフィスより
◆決算書の気になる一文
2020年2月14日。
バレンタインデーの日。
スルガ銀行は「2019年度第3四半期決算」を発表しました。
累計で290億円黒字と予想を上回り、通期予想も上方修正。
V字回復したかに見えます。
しかし、シェアハウス投資は延滞率42%以上。
1棟収益ローン1.2兆円の70%以上が「要注意先債権」。
1423億円は「実質破綻先・破綻先」。
V字回復で融資再開どころか、とんでもない爆弾を抱えているのが、今のスルガ銀行なのです。
しかも、今回の決算書に気になる一文が・・・
<関連記事一覧>
2020年2月17日「スルガ銀行 決算上方修正、復活か?元本カット対応のその後は?」
2020年2月18日「スルガ銀行V字回復で収益物件へ融資再開、順中満帆か?元本カットは?」
◆特殊要因で貸倒引当⾦の積み増し?
その一文とは、
「⼀棟収益ローンの特殊要因(※)による貸倒引当⾦の積み増しを⾏い、3Qでは14億円となり、第3四半期累計では78億円を計上。」
というもの。
特殊要因が発生したので、⼀棟収益ローンの貸倒引当⾦を「14億円」積み増ししたというのです。
それでは、その特殊要因とは何でしょうか?
決算書では、
「(※)特殊要因…元本⼀部カット受付先のうち、同⼀受任弁護士の方針のもと約定返済停止の申出があった先について、今後の回収可能性を精査し、債務者区分のランクダウンを実施」
と説明があります。
元本カットを申請しているオーナーのうち、ある弁護士の方針で返済ストップを申し出てきており、回収可能かどうかを判断して、債務者区分を下げたとあります。
「えっ?返済を停止を申し出ている???」
かぼちゃの馬車オーナーなどシェアハウス投資オーナーが集う被害者の会では、弁護士の方針で返済をストップしているという話しは聞いていました。
しかし今回、1棟モノについても、一部のオーナーが返済ストップを申し出ているというのです。
同じ弁護士なのかは定かではありません。
日本橋のスルガ銀行支店前でデモを行っていた会かも分かりません。
いずれにしても、1棟モノについても、かぼちゃの馬車と同じように返済ストップが増えていけばいくほど、スルガ銀行は苦しくなります。
かぼちゃの馬車を始めとしたシェアハウス投資融資には十分な「貸し倒れ引当金」を積んでいるものの、1.2兆円もの融資残高がある1棟収益ローンについてはまだほんの一部だからです。
◆返済ストップしている人へのスルガ銀行の対応は?
それでは、そうした返済をストップしている債権者に、スルガ銀行はどのような対応しているのでしょうか?
通常であれば、「督促 → リスケ → 一括返済請求 → 差し押さえ → 競売」となります。
返済をストップした段階で督促がくることになります。
さらに進めば、サラリーマンであれば給与差し押さえとなってしまうのです。
しかし、返済をストップした債権者に対して、スルガ銀行は督促を控えているのです。
それは、次の一文からも分かります。
「シェアハウス関連融資問題が明らかになって以降、延滞発生時においても督促のご連絡を控えている。」
そうなのです。
延滞していても、返済ストップしていても、現時点でスルガ銀行は督促はしていないのです。
そこれどころか、収支が苦しい人たちに対しては、積極的に金利引き下げを行っています。
さらには、一時的に金利だけの返済にしたり、返済を据え置いたりしているのです。
(一方で、順調に運営している人には、金利引き下げも元本カットも行わない姿勢。そこがなんともおかしな対応なのですが・・・)
◆優しい対応のスルガ銀行
このように債権者に対してとっても優しい対応を見せるスルガ銀行。
庶民の味方のスルガ銀行。
もしあなたがスルガ銀行融資の物件で困っているようでしたら、どんどん相談されるといいと思いますよ。
(とはいえ、一人で相談するのではなく、第三者を挟んで相談することをオススメします。)
それでは、元本カットはどうなったのでしょうか?
元本カットが実現した人はいるのでしょうか?
(次回につづく)
◆編集後記
結論が長引いてしまって申し訳ありません。
ついつい文章を書いている途中で感情が乗ってしまい、書きたいことがいっぱい出てきてしまい、元本カットの結論を今日も書けませんでした。
明日には書けると思います。
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