From:ななころ
プライベートオフィスより
◆不動産投資融資1300億円を計画
第3四半期の決算を発表したスルガ銀行。
通期予想も上方修正し、V字回復を見せています。
また、創業家岡野ファミリー関連会社からの融資も全額回収。
収益不動産への融資も再開しています。
昨年末に出された中期経営計画によると、収益不動産への融資として「1300億円」を計画しています。
「他行が不動産投資融資に消極的なのでチャンス!」とあります。
(誰のせいで消極的になっているんだと叫びたくなりますが笑)
※スルガ銀行の最新の融資条件はコチラ → 2020年2月17日「スルガ銀行 決算上方修正、復活か?元本カット対応のその後は?」
(「スルガ銀行中経営計画”Re:Start 2025" 第1フェーズ」より)
こうした好材料を市場が評価しているのか、株価も順調に回復しています。
すべて順風満帆に見えそうです。
実際はどうなのでしょうか?
元本カット徳政令はどうなったのでしょうか?
◆延滞率は着実に上昇中
V字回復し、好調のように思われるスルガ銀行。
決算書の中身を読み解くと、まだまだ厳しい現状が浮かび上がってきます。
まず、1棟モノとシェアハウス関連の融資が、着実に焦げ付いています。
<延滞率>
・1棟収益ローン・・・2019年9月 2.38% → 2019年12月 3.46%
・シェアハウスローン・・・2019年9月 40.66% → 2019年12月 42.57%
以前の記事をご覧になっていただくと分かりますが、つい2年ちょっと前の「平成30年 3月期 第2四半期(2017年11月22日)説明資料」では、延滞率「0.09%」でした。
※こちらの記事で分かります → 2018年2月3日「かぼちゃの馬車破綻で、これから予想されること(1)」
それが、今や「延滞率3.46%」ですからね!?驚
38倍も跳ね上がっていることになります・・・汗
つくづく無茶苦茶な融資をしていたと感じます。
(スルガ銀行「2020年3月期 第3四半期(2020年2月14日)決算説明資料」より)
◆1棟収益ローンの70%以上が「要注意先債権」
さらに、もっと悲惨な状況があります。
1棟収益ローン残高1.2兆のうち、70%以上の8500億円が「要注意先債権」。
「実質破綻先・破綻先」は、1423億円もの金額になっているのです・・・汗
1棟平均1.5億円の融資と考えると、実に1000人近いサラリーマンがすでに破綻しているということです。
さらに、破綻の予備軍は、その8倍以上の数。
8000人以上のサラリーマンが、これから数年以内に破綻する可能性があるのです。
実際には、金利を引き下げることで破綻を回避できるケースも多いのですが、諦めてしまう人も多いようです。
それも当然かもしれません。
金利を下げてもらったところで、命を先延ばしにされているだけ。
いっその事、今楽になりたいと思うのが人間ですから。
また、不動産投資に詳しくない人が多かったり、交渉に慣れていない人も多いようです。
(実は視点を変え、対策することできれば、そこまで悲観することではありません。ましてや自らの命を断つことは絶対にしてはいけません。)
(「スルガ銀行中経営計画”Re:Start 2025" 第1フェーズ」より)
◆元本カットが実現すれば・・・
しかし、元本カットが実現すれば、話しは変わります。
諦めていた道も大きく開かれる可能性があるのです。
失敗だと思われていたその物件から、利益を生み続ける物件に産まれ変わらせることもできるかもしれません。
その元本カットの受付が、昨年「2019年11月30日」に終了しました。
かぼちゃの馬車などのシェアハウス投資物件では、元本カットどころか、代物返済まで受け付けるというような報道もなされました。
いったい元本カットはどのような状況になっているのでしょうか?
元本カットされた人はいるのでしょうか?
また、スルガ銀行の決算書に”気になる一文”がありました。
”気になる一文”に気づかれた方はいるでしょうか?
ななころが得ている情報をシェアしていきたいと思います。
(次回につづく)
◆編集後記
スルガ銀行の仙台支店が閉店となりました。
ななころはちょうど10年前の今頃、スルガ銀行仙台支店から融資を受けました。
当時からブログに書いていたように、疑問いっぱいの銀行でした笑
(当時はまだサラリーマンで、記事の書き方もまだ初々しいですね。)
2010年3月19日「不思議な慣習」
いろいろと疑問はあったものの、スルガ銀行仙台支店のお陰で2棟目を購入することができ、経済基盤確立に大きく前進することができました。
まだ仙台支店はオープンしたばかりで融資に積極的。
本来エリア対象外だった茨城県日立市に融資をしてくれたのです
そのため感謝もしています。
当時のななころは自己資金もなく、節約のために、安い深夜バスで仙台まで決済をしに行きました。
雪の降る仙台駅に到着した早朝のことを、今でもはっきりと覚えています。