From:ななころ
プライベートオフィスより
◆前回のあらすじ
お宝物件探しと、融資はどっちが重要でしょうか?
「お宝物件が見つかっても、融資が付かず買えなかったら意味が無いよね」
「だから、まずは融資が付くエリアで物件を探すべき」
このように言われることもあります。
各金融機関には「管理エリア」という概念があるため、融資対象エリアに大きく制限がかかるからです。
ですから、「目当てとする金融機関の融資対象エリア内で物件を探すべきだ」という考え方です。
それは本当なのでしょうか?
◆「融資が大事」と言っているのが誰?
まず最初に注意しておきたいのは、「融資が大事」と言っているのが「誰か?」です。
「融資が大事」と言っているのが、不動産業者だったりエセコンサル(またはその著書)だったりする場合は注意が必要です。
彼らの目的は「買ってもらうこと」だからです。
買ってもらうことで手数料を得ることが一番の目的になっている場合も少なくないのです。
そのため、融資の出にくいエリアの物件や投資家は相手をしたくないのです。
できる限り融資付が楽なエリアの物件を押し込みたいのです。
良い物件を紹介したのにも関わらず、金融機関を当たりまくってやっと見つけた銀行が、融資審査で何週間もかかったあげくに結局融資が出なかった、なんて事になったら最悪です。
商売ですから当然と言えば当然と言えなくもありません。
ですから、「融資が大事」と言っているのが「誰か?」を、最初に見極めておくようにしないといけないとななころは考えています。
◆融資が付きやすい「1都3県エリア」がいい?
次に注意が必要なのが、「1都3県エリア」。
関東在住在勤の人にとって、融資が付きやすいエリアと言えば、東京・埼玉・千葉・神奈川の「1都3県エリア」です。
このエリアが「管理エリア」となる金融機関が圧倒的に多いからです。
収益不動産に積極的な銀行も多い。
それに、「1都3県エリア」は人口も多く人口増減も安定しており、人口減少の著しい地方エリアに比べて、賃貸業には有利と金融機関も考えています。
(実際はまったくそんなことは無いのですが・・・)
ですから、融資を前提に「1都3県エリア」で物件を探すサラリーマン不動産投資家が少なくありません。
しかし、実際はどうでしょうか?
たとえば、神奈川のとあるエリアでは、融資がつきやすいため、新築アパートが乱立しました。
すでに家賃相場が崩壊しているエリアもあります。
東京都足立区では、融資ありきでかぼちゃの馬車が乱立しました。
そのため市場に歪みが生じています。
=== 記事一部抜粋 ===
足立区に「かぼちゃの馬車」120棟集中の驚愕
シェアハウスが大量に供給されたことで、市場に歪みが生じているのだ。
東京メトロ千代田線北綾瀬駅から少し歩いた場所に、かぼちゃの馬車が建っている。個室は約8平方メートルと決して広くはないものの、築3年で家賃は月1万3000円。一方、周辺の木造アパートの家賃相場はおおむね月5万円。シェアハウスとはいえあまりに安い。
家賃の暴落はこの物件に限らない。足立区内に建つ別のシェアハウスの家賃は月2万円。幸いにも満室だが、男性オーナーは浮かぬ顔。もともとスマートデイズからは月6万円の家賃保証を受けていたからだ。
(2018/09/23 東洋経済オンライン記事より)
=== ここまで ===
シェアハウスの家賃下落もそうですが、木造アパートの家賃相場が5万円ですからね。。。
あなたに融資が付きやすいということは、あなた以外の人にも融資が付きやすいということです。
その結果、短期間で新築物件が乱立して、このような状態になってしまうのです。
そもそも「1都3県エリア」でお宝物件を掘り出すのは難しい上に、どんどんライバルが参入してくるため、今後数十年と勝ち残るのは至難の技なのです。
◆「融資ありき」の物件探しをななころが反対する理由
以上のことから、「融資の付きやすい」という理由だけで、エリアを絞って物件を探すことに、ななころは反対です。
もちろん融資をしてくれる銀行に”あたり”を付けておくことは大切です。
それでも、金融機関の融資基準というのは変わりやすいものです。
支店によっても大きく違ったりします。
持ち込む時期によっても大きく異なります。
社会情勢や経済情勢によってガラリと変わることもあります。
私たち投資家の属性や資産背景によっても異なったりもします。
世の中一般の情報は、あてにはなりません。
融資対象エリア外だと言われていたエリアで融資を受けることができて、お宝物件を購入した人は少なくないからです。
実際に、ライフデザイン実践個別指導プログラムの生徒さんも、当たった銀行の対象外とされていたエリアで融資を受けて、利回り15%のお宝物件を購入しました。
1年後につがいのもう1つの物件も融資を受けています。
ななころも、当時は対象外とされていたエリアで融資を受けて購入しました。
ですから、「融資ありき」で考えるのではなく、まずは「あなたの不動産投資のゴール」を達成してくれる「物件ありき」で考えることをオススメします。
大切な順番は、
1.あなたにとってのお宝物件を明確にする
2.徹底的にお宝物件を探す
3.融資してくれる銀行を探す
だとななころは考えている次第です。
徹底的にお宝物件を発掘することに力を注ぐのです。
◆編集後記
新型コロナウィルスで影響で、ホテル業界、民泊業界にも激震が走っています。
ホテル、民泊、ゲストハウスがどんどん撤退、売りに出てきているのです。
楽観シュミレーションによるぎりぎり収支で融資を受けていた人たちが、首が回らなくなり倒産していっているのです。
ここでも不動産投資と同じような状況が出ているようです。
SARSは7月になって気温が上がったことで、沈静化したと言われています。
今回の新型コロナウイルスも同様であれば、 7月まで沈静化しない可能性があります。
今後さらに深刻な事態へと発展するかもしれません。
当然、収益物件への影響も大きくなっていくことでしょう。
年初にブログで書いていた通りの展開になってきてしまいましたね。。。
2020年1月9日「2020年はどんな年になる?不動産投資をするには?(2)」
(日本ではほとんど報道されていませんが、実際はアメリカのインフルエンザの方がはるかに怖いのですが。。。)
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