◆スルガ銀行が業務改善計画を金融庁へ提出
2018年10月5日付で業務改善命令を
求められたスルガ銀行。
11月30日付で金融庁に業務改善計画を提出し、
ホームページで公開しています。
業務改善計画には、
・コンプライアンス強化
・創業家の影響力排除
といったことが書かれており、
行員117名が処分されたことが、
報告されています。
(2018年11月30日スルガ銀行「業務改善計画の提出について」)
◆記者会見を開く
業務改善計画を提出すると同時に、
スルガ銀行は記者会見を開いています。
記者会見には数多くの記者が参加して、
質問が多数出ており、
1時間以上にも及ぶ記者会見となっています。
いくつか私も気になっていた疑問があり、
記者が質問していましたので、
いくつか上げてみたいと思います。
◆117名+1名の行員が処分
業務改善書の中で、スルガ銀行は、
不正融資に関与したとされる行員117名を、
11月27日付けで処分したと発表しました。
記者会見によると、117名の内訳は以下の通りです。
・執行役員・・・12名
・理事・・・1名
・部長、支店長クラス・・・44名
・その他・・・60名
しかし、この117人の中に1人、
重要な人物が抜けています。
一連の不正を巡る重要人物である、
元専務執行役員の麻生治雄氏です。
第三者委員会のの報告書には、
審査担当者を麻生氏がどう喝したり、
無理やり承認させていたと報告されています。
記者会見では、記者からの質問に対して、
117人の中には入っていないが、
麻生氏はすでに懲戒解雇していると回答しています。
◆スルガ銀行の柔軟対応に怒り
記者会見でも社長が何度も言っていましたが、
かぼちゃの馬車オーナーへの救済策として、
柔軟に対応するとしているスルガ銀行。
破綻しそうなオーナーに対して、
ありえない金利に引き下げています。
実際に金利を引き下げてもらった
かぼちゃ馬車オーナー数名からこのことを聞いたとき、
私はスルガ銀行への怒りが収まりませんでした。
それこそ絶頂時のスルガ銀行は本当に強気で、
3%前半になれば御の字。
私は何度交渉しても玉砕していました。
柔軟のかけらもありませんでした。
それが、3%前半どころか、
2%、1%という金利に下がっているのですから・・・。
これがスルガ銀行の柔軟対応なのでしょうか。
◆元本7割カットは本当か?
しかし、今回もっとありえない報道がされました。
返済に行き詰まった物件オーナーに対して、
最大70%の元本カットを検討しているというのです。
報道はこちらです。
~ 記事一部抜粋 ~
元本 最大7割カット 不正融資でスルガ銀検討
スルガ銀行が、シェアハウス向け不正融資問題で返済に行き詰まった物件所有者に対し、最大70%の元本カットを検討していることが分かった。問題を重く見た銀行側が、大幅な譲歩が必要との判断に傾いた。不正度合いなどに応じてカット率の目安を設け、個別に交渉する。今後、金融庁や関係者などと詳細を調整する方針で、数字が上下する可能性もある。
関係者によると、融資の返済額が賃料収入を上回り、収支がマイナスの場合に、最大70%までの範囲で元本カット率を調整する。銀行側が預金残高の水増しといった不正を知りながら融資したケースや、所有者が改ざんに気付いていながら融資を受けたケースなど、個々の状況に応じてカット率を増減させる方向で検討している。
(2018年11月30日 中日新聞記事より)
~ ここまで ~
この記事の内容に対して、記者会見で質問されると、
「あくまでも新聞の報道で、当社が発表したものではない」
とスルガ銀行の有國社長は回答しました。
しかし、明確に報道内容を否定しなかったことが、
私にはとても気になりました。
というのも、これまでも記事の報道内容について、
スルガ銀行は「当社の発表ではない」としたことが、
蓋を開けてみると、実際はそうだったことが、
過去何度もあったからです。
元本カットは本当に行われるのでしょうか・・・?
実際に元本カットしたところで、
スルガ銀行は絶対に公表しないでしょうし、
元本カットされて救済されたオーナーも、
絶対に回りには言えないでしょう。
とはいえ、不動産の世界は狭い世界です。
悪いことはすぐに広まります。
ましてやSNS全盛の時代ですから、
もし元本カットになるようなことがあれば、
すぐに情報が入ってくるかもしれませんね。
その時はまたメルマガなどで、
シェアしていきたいなと思います。
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