スルガ銀行・第三者委員会報告書「破綻する不動産投資家の共通点」 | 不動産投資で人生を自由に豊かに描く!「ライフデザイン実践会」

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わたしはど素人からスタートとして5年で家賃収入1500万円を達成し、2012年9月サラリーマンを卒業しました。ライフデザインの手段として不動産投資は最適です。不動産投資のノウハウや有益な情報や人生を豊かに描く方法をどんどんシェアしていきます。


◆報告書は参考になるところが満載

338ページにもおよぶ、
スルガ銀行の第三者委員会の報告書について、
お読みなった方もいるでしょうか。


報道やネット記事では、
スルガ銀行内の「パワハラ」「不祥事」ばかりが、
報じられています。


もちろん一つの企業が、
利益を追い求めるばかりに暴走し、
不正に関与および主導していく様子は、
虚しさすら感じます。


また、パワハラと理不尽な指示ばかりだった、
昔のサラリーマン時代の我が事を見ているようで、
ハラハラしてきます。


しかし、それ以外にもこの報告書からは、
学ぶべきところがたくさんあります。


たとえば、この報告書は、
ここまで明かしてもいいのかというほど、
スルガ銀行の内部を公開しています。


人事評価制度はどうなっていたのか?

内部の監査体制はどうなっていたのか?

コンプライアンス体制はどうなっていたのか?



などなど、他の銀行だけでなく、
他の企業が参考になる社外秘が満載です。


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◆どんな不動産投資家が破綻しているのか?

そして、
私たち不動産投資家にとっても、
さまざまな気付きがあります。


その中でも、P.143から記載されている、
【「出口から見た気づき」の会議】には、
特に重要な気づきがあります。


この会議開催の目的といきさつは、
次のように記されています。


~ 報告書より一部抜粋 ~
 

 審査部に属す融資管理部は、延滞債権等の管理(督促、法的措置対応等)等を行っており、融資審査を「入口」とすれば、延滞事案の回収等を行う「出口」を見る部署であった。そのため、日常的な業務を通じて、多くの延滞事案に共通する問題点が見えてくることが期待される。

 この点に着目した岡野副社長が、融資管理部長と営業企画部長を交えて、「出口から見た気づき」という会議を定例的に開催していた。


~ ここまで ~


融資を実行したのにも関わらず、
延滞(および破綻)してしまったものには、
共通する問題点があるのではないか?


共通する問題点をあぶり出すことができれば、
延滞(および破綻)を減らすことができるのはないか?


と考えて開催された会議だったのです。


これは私たち不動産投資家にとっても、
とても興味深いところです。


それでは、どんな案件が、
延滞(および破綻)しているのでしょうか?


延滞(および破綻)者に共通する問題とは、
なんでしょうか?


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◆デフォルト(返済不能)の共通点

スルガ銀行の第三者委員会の報告書によると、
デフォルト(返済不能)の共通点として、
次のような特徴が報告されています。


1.破綻案件の特徴

・融資実行後1年以内の差し押さえが散見

・デフォルトに至った案件のほぼ全てが架空や偽造

・オーナーの意向では解約できない契約や保証額の随時変更が、
 保証会社の一存では変更できるような契約が散見

 ※保証会社 ≒ 販売会社 or 仲介業者



2.破綻オーナーの特徴

・購入物件も見ずに購入するケースが多い(当事者意識の欠如)

・購入当初からの収支見込が甘い

・賃貸経営のノウハウがない

・キャッシュフローを流用している

・当初から返済余力が僅少



3.破綻物件の特徴

・近隣物件に比較し2割程度高い

・売買価格の妥当性が検証されていない

・販売価格と担保評価額の妥当性が検証されていない

・高値掴みしている

・レントロールがおかしい



4.破綻までの経緯の特徴

・不動産取得税未納での差し押さえ

・入居者チェンジ ⇒ 収支悪化 ⇒ 破綻という構図

・空室や賃料が低下した時には、
 即収支がマイナスになる ⇒ 破綻

・不動産を取得さえすれば、永続的に不労所得を得られると勘違い

・修繕費発生に伴う破綻と、空室発生に伴う破綻が多い

・取組時(≒ 所有権が移った時)から家賃金額が大幅に減少



(スルガ銀行では不良債権が急増)
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こうした破綻した人の情報というのは、
私たちのところにはほとんど入ってこないので、
とても勉強になります。


しかし、スルガ銀行は、残念ながら、
この【「出口から見た気づき」の会議】の内容が、
活かされることはありませんでした。


そして、かぼちゃの馬車を含むシェアハウス投資物件や、
1棟アパートや1棟マンションへの融資に盲進し、

1兆円を超えるであろうと囁かれるほどの、
不良債権を抱えることとなりました。


私たち不動産投資家は、
ここから何を学べるでしょうか?



スルガ銀行の第三者委員会の報告書を読むことで、
多くの気づきがあると感じた次第です。