◆不動産投資業界に吹き荒れる大嵐
今日はすごい嵐ですね。。。
妻が帰宅途中に電車がストップしてしまい、
途中駅で立ち往生。
振替輸送はだいたいハマるので、
無理して帰って来ずに、
カフェでゆっくりして帰ってきてもらって、
今夜は子守をしていました。
さて、嵐は不動産投資業界にも吹き荒れています。
すでにご存知の方がほとんどだと思いますが、
TATERU - 西京銀行の問題が噴出してしまったのです。
この問題は、「かぼちゃの馬車 - スルガ銀行」と、
非常に構造が似ており、動向が気になるところです。
今後大きな問題に発展する可能性があります。
~ 記事一部抜粋 ~
アパート融資資料改ざん、TATERUでも
アパートの施工、管理を手がける東証1部上場のTATERUが、建設資金の借り入れ希望者の預金通帳を改ざんし、銀行に融資の申請をしていたことが31日、分かった。預金残高を水増しし、実際より多く見せて銀行の融資審査を通りやすくしていた。TATERUは改ざんの事実を認め、借り入れ希望者に謝罪した。
(2018年8月31日 日本経済新聞記事より)
~ ここまで ~
◆ツッコミどころ満載
日経新聞の報道に対して、
すぐにTATERU社は事実を認め、
ホームページにアップします。
スマートデイズ - スルガ銀行と比べて、
非常に迅速な対応です。
しかも、事実を認めた上に、
手付金の倍額を支払ったとしています。
しかし、今回の不適切な取引は、
50代の男性の預金残高が約23万円など、
いろいろと突っ込みどころが満載。
手付金はいくらでもいいとは言え、
売買金額1.1億円の物件に対して、
たった「50万円」というところにも驚きました。
よほど無理して売ろうとしたのでしょうか。
これでは、購入後にやってくる、
取得税や固都税の支払いは、
どうするつもりだったのでしょうか・・・。
~ TATERU社サイトより ~
<平成30年8月31 日>
本日の一部報道について
本日、日本経済新聞電子版により、当社従業員が顧客から提供を受けた預金残高データを改ざんし、実際より多く見せて西京銀行に提出し、融資審査を通りやすくしていたとの報道がなされておりますが、本件に関しては、誠に遺憾ながら、そのような事実がございました。
また、報道では、当社が当該顧客に謝罪し、手付金として受け取っていた50 万円の2倍の100 万円を
支払うと伝えてきたとされていますが、この点につきましては、当社として謝罪申し上げるとともに、当該顧客からの手付解除のご要望を受けて、契約に従って手付金の倍額である100 万円を既にお支払いし、手付解除いたしました。その他の損害についても、ご提示いただければ真摯に対応させていただく旨を当該顧客に申し入れているところでございます。
他に同様の改ざんが行われていたかについては、引き続き社内において調査してまいります。なお、調査の結果につきましては、判明次第速やかに公表いたします。

~ ここまで ~
◆TATERU社とは?
3、4年ほど前でしょうか!?
以前に一度だけ、
ライフデザイン実践会のグループコンサルの中で、
「面白い間取りの新築アパートを手がけている」
「ロフト付きでデザインが良い」
と話題になったことがあります。
(グループコンサルでは、会員同士が有益な情報や、
1ヶ月の活動についてシェアしています。)
ただ、建築費も高く、利回りが悪かったため、
新築時やリフォーム時に「参考になる」程度で、
話しは終わりました。
それからすっかり忘れていたのと、
社名が変わっていたので分からなかったのですが、
いつの間にか大きな会社になっていて驚きました。
(当時の社名は「インベスターズクラウド」)
新築アパートの販売だけでなく、
不動産投資型クラウドファンディングなど、
手広くやっていたのですね。
TATERU社も、スマートデイズ社と同様に、
ここ5年で急激に売り上げを伸ばしています。
売上高670億円!
恐ろしいほどの急成長です。
(TATERUのホームページより)

CMに本田圭佑選手を起用するなど、
一部では話題を集めていました。

◆今後どうなる?
TATERU社は、この報道後に、
他にも同様の事例がないかどうか、
「特別調査委員会」を設置して、
調査する旨を発表しています。
さらには、広告掲載を当面の間、
自粛することを発表しました。
~ 同社サイトより ~
<平成30年9月4日>
特別調査委員会の設置に関するお知らせ
この度、平成30 年8月31 日付「本日の一部報道について」にてお知らせしましたとおり、当社従業員が顧客から提供を受けた預金残高データを改ざんし、実際より多く見せて西京銀行に提出し、融資審査を通りやすくしていた事実が判明いたしました。
関係者の皆様に多大なるご心配とご迷惑をお掛けいたしますこと、心より深くお詫び申し上げます。
当社は、今回の事態を重く受け止め、外部の専門家アドバイザーを中心とした「特別調査委員会」を設置することを、本日開催の臨時取締役会において決定いたしましたので、お知らせいたします。

~ ここまで ~
上記の内容を読むと、
「特別調査委員会」は、独立性の高いものとしていますが、
スマートデイズ社の例もあります。
スマートデイズ社も「外部調査委員会」を設置を発表しましたが、
単なる発表だけでした。
その場を取り繕うだけの対応だったのです。
特別調査委員会がしっかりと調査を行ったのであれば、
今回の不適切な取引は氷山の一角で、
次々に問題が出てくる可能性があります。
一方で、単なる見せかけの対応ですと、
オーナーや株主など、さまざまな所から、
批判が集まる可能性もあります。
前に進むにも後ろに進むにも、
茨の道が待っています。
TATERU社には、この先、
かなり厳しい未来が待っていると、
言わざる終えでないでしょう。
購入を検討中だった投資家は、
即刻購入を取りやめて、
すでに購入済みのオーナーは、
最悪のケースを想定して、
ただちに次の対策を取っておいた方が良いと、
感じている次第です。