◆10年後に戻りたい・・・
祖父母が歌舞伎町で沖縄料理店をやっていたこともあり、
子供の頃から酔っ払った大人たちの会話を、
耳にする機会が多くあった。
「若い頃は良かったなぁ・・・」
「10年前に戻れたら・・・」
「あと10年若かったら・・・」
自分も大人になったら、
こんな会話をしているんだろうかと、
と漠然と思っていた。
そして、なぜ大人になって酔っ払うと、
過去のことばかり言うのだろと、
不思議に思っていた。
◆ちょっとしたAirbnbバブル
話しは変わるが、
我が家は今ちょっとしたAirbnbバブル。
6月15日から民泊新法(住宅宿泊事業法)が施行されるにあたり、
届け出を行っていないAirbnbの部屋が、
一斉に削除&予約キャンセルになってしまった。
これまで6万件以上あった部屋は、
一気に1万件ぐらいに減ってしまった。
そして、Airbnbで宿を探していた人や、
強制的に予約キャンセルされた人が、
激減した部屋に殺到している。
我が家もAribnbからの受け入れは、
これまでほとんどなかったのですが、
問い合わせが急増している。
◆Airbnbを始めたきっかけ
我が家は、もともと外国人観光客を受け入れるつもりはなく、
子供たちの英語教育、夫婦の英語実践の場になればと、
2013年からホームステイの受け入れをスタートした。
Airbnbがまだ日本でほとんど知られていない頃。
そして、Aribnbが本格的に日本に入ってきて、
ホームステイ受け入れの手段の1つとして、
私も使ってきた。
実はAribnb利用者は外国人旅行者だけでなく、
ホームステイ先を探す手段として利用する留学生や、
インターン生も少なくない。
Airbnbは、ホームステイ受け入れの手段としても、
いろいろと使い勝手が良いこともあり、
私も受け入れ数は少ないけれど登録はしていた。
◆韓国の学生との会話
そして先週、Airbnb経由で、
韓国人学生が1週間だけホームステイしにきた。
まだ20代そこそこの若者。
一般的な韓国人の男性は、
19歳までに兵役があり、
「大学を休学 → 軍隊 → 大学に復学」
という流れが多いらしい。
彼も大学に在学していて、
兵役を終えて、ちょっとした休息を、
日本で過ごすためにやってきた。
日本は3回目で、日本語スキルを試すために、
日本人と触れ合いたいと、ホテルや旅館を選ばず、
ホームステイを選んだのだそう。
そんな韓国の一般的な学生と、
ラーメンを食べながら、いろいろな話をした。
ご存知の方も多いと思いますが、
韓国は日本以上の受験大国。
大学受験の日は、
国を挙げて受験生を守る。
道路には警察が交通整理をして、
上空は騒音防止のために、
飛行機もヘリコプターも飛べないらしい。
韓国の人たち(特に若い世代よりも親世代)は、
いまだに固く信じている。
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良い大学に入れば、
良い会社に就職できて、
良いお給料をもらえて、
良い生活ができる。
===
かつての日本(一部では今も!?)もそうだった。
しかし、日本は変わってしまった。
「良い会社」に入ることが、
必ずしも「良い生活」をおくれるワケではなくなった。
「良い会社」の定義が崩れ、
「良い大学」に入ることの意味を問われている。
そもそも「良い生活」とは何なんだろうか・・・。
◆日本の現在が、韓国の10年後
ラーメンを一通り食べ終わったあと、
冷たいお冷を片手に、
韓国学生はさらに語ってくれた。
「日本の現在が、韓国の10年後」
と韓国では一部で言われているそうだ。
だから、日本に来て、日本で暮らしてみて、
10年後の韓国の未来を確かめにきたんだとか。
もし本当にそうだとしたら、
あなたは、この20代の未来ある韓国の学生に、
なんとアドバイスしてあげるだろうか?
韓国の10年後が、今の日本の状況になるとしたら、
「何をすべき」と伝えてあげるだろうか?
「良い会社に就職すべき」と伝えるだろうか?
◆10年前の自分にアドバイスするとしたら?
一方で、冒頭の酔っぱらいのおじさん達は、
10歳以上若い私に、こう語っていた。
「若い頃は良かったなぁ・・・」
「10年前に戻れたら・・・」
「あと10年若かったら・・・」
そして、
「10年前に、せめて10年でもいいから、
戻ってやり直したい!」
と語っていた。
過去の栄光を思い出しながら。
過去を見て、
過去にしがみつき、
過去に戻りたいと言う。
でも私はそんな未来は選びたくないなと思った。
きっと誰しもがそうだと思う。
だったら、もし、10年後の自分が、
今の自分にアドバイスをするとしたら、
なんと言うだろうか?
今自分がやっていることは、
「正しい道」というだろうか?