ホオジロザメのモデリングも少しずつ進み、現在は歯も入って照明もつけたので、前回よりも更にサメっぽくなってきました。
口の中のモデリングもX線効果のお陰でだいぶ楽に作れるようになんたんですが、ここでちょっとホオジザメの口に関する問題が出てきました。
ホオジロザメは大きな獲物を捕らえた時、上の歯茎がニュッと下の方に出ることがあります。
この”ニュッ”という動きをどうやったらいいのか、作っているうちに分からなくなりました(==;
モデルの口を動かす為にはボーンを入れます。
人間の場合、口を開閉させる為のボーンを上顎と下顎に1本ずつ入れます。
でもこれだと口は開閉出来ても歯茎だけを動かすことは出来ません。
恐らくこのボーンの入れ方だと上顎も一緒に動いてしまいます。
そこで色々考えたんですが、上の歯茎を動かすだけのボーンを1本入れてみることにしました。
口の中の構造も上顎と上の歯茎を直接くっつける構造だと、歯茎を動かした時に上顎も一緒に動いてしまうので、そうならない構造を考えます。
まずは上唇の口周りのエッジを押し出して、写真の赤い線の部分↓と上の歯茎の上のエッジを結合しておきます。
この押し出した部分のポリゴンは、上の歯茎ボーンのウエイトの影響を受けないようにします。
こうすれば上の歯茎だけを動かした時に、上顎が引っ張られて一緒に動いてくることはないはずです。
ところがこの押し出したエッジと歯茎のエッジをくっつける作業がちょっと大変でした(=▽=;
この時オブジェクトは対称になっているので、対称をOFFにしたら正面はよく見えるんですが、顔の横から見ると横のポリゴンが全く見えません。
多少隙間があるのでそこから見たくても狭くて全然ダメです。
X線効果でやるにも口の中の構造が複雑なので、ピンポイントでポイントを選択して結合するにもちょっとやりずらい感じです。
こういう見えない位置のポイントを見えるようにするにはどうしたらいいんだろう?と思いましたが、いい機能があるのを思い出しました。
それが「選択範囲を記録する」という機能です。
「選択範囲を記録する」はその名前の通り、選択範囲を記録して隠したり、表示したり、他にも色々な事が出来る機能です。
選択範囲を記録出来るのは、ポリゴン、エッジ、ポイントです。
今回はポリゴンの選択範囲を記録して作業してみたいと思います。
-------------------------------------------
まずは顔の横のポリゴンが見たいので、隠したい範囲のポリゴンを選択します。
それからメインメニューにある「選択範囲を記録」を選択します。
すると「ポリゴン選択範囲タグ」というオレンジ色の▲が一つ増えました。
タグはオレンジの四角で囲まれていて選択状態※になっています。
(※新しく選択範囲を記録する時は、選択状態を外して(オレンジの四角が外れた状態)から行います。この状態のままで選択範囲を記録すると上書き保存されてしまいます。)
属性マネージャを見てみると「選択範囲を隠す」と言う所があるので、それをクリックします。
するとさっき選択したポリゴンが消えて、顔の横のポリゴンが見やすくなりました。
ポリゴンは消去されたわけじゃなくて、ちゃんと記録されているので大丈夫です。
属性マネージャにある「選択範囲を表示」を押すとまた現れます。
場合によっては、たくさん選択範囲を記録することがあるので、どれが何の選択範囲か分かるように名前をつけておくといいと思います。
この機能を使ったことで、口の横の部分のポイントもスムーズに結合する事が出来ました。
---------------------------------------------------
さて、口の中が体と繋がったので次はボーンの実験です。
まずは簡単な口のモデリングをして、歯茎だけを下の方に動かすためのボーンを入れてみたいと思います。
人間を作った時はいつも、上顎と下顎にボーンを入れてたんですけど、今回は歯茎を動かすためのボーンをもう1本追加しました。
これで口のモデルとボーンをバインドして動かしてみます。
すると上顎は動かないで歯茎の部分だけ下に動きました。
うんうん(=▽=)いい感じ。
これでホオジロザメの歯茎も同じように動くはずです。
------------------------------------------------
ボーンの実験が終わったので、早速ホオジロザメにもボーンを入れて実験してみることにしました。
ところがバインドしたところで大きなミス!
口を開けたら奥の歯が浮きました。
何でこうなったかと言うと、歯のオブジェクトを体と一緒にバインドしないで、下顎のボーンの子にしちゃったからなんですよね。
これ前にもやっちゃったミスなんです。
昔、人間のキャラクターを作って腰を曲げたら、人間の着てた服のボタンが浮いちゃったんですよ(参照;https://ameblo.jp/try-c4d/entry-11905879742.html?frm_src=thumb_module)。
下顎ボーンの子にしただけだと歯のオブジェクトはウエイトの影響を受けないので、極端に形が曲がったりするような場所だと、この様に浮いちゃった現象が起こるわけです。
こうならないようにするためには、歯と体を一体化して一つのオブジェクトにして、歯にもウエイトの影響が出るようにしないといけません。
う~ん・・・と言っても、以前人間の歯を作った時はバインドしなくても問題なかったんだけどなやっぱりホオジロザメと人間の口の中の構造は違うから、今回のような問題が起きたのかもしれません。
でも場合によっては人間の歯も顎のボーンの子にしないで、体と一緒にバインドした方がいいのかもしれません。
-------------------------------------------------
気を取り直してもう一度全身のボーンを入れ直してみました。
この入れ方で合ってるかどうかよく分からないけど、とりあえず動きそうなところにボーンを入れてみました。
そして口を開けたら・・・
・・・うん(==)
・・・うんうん(==)
・・・そうなるよね(=▽=)
体と一緒にバインドしたって事は当然歯にもウエイトの影響が出るので、こうなるこのは当前です。
試しにどのくらいウエイトが影響されてるのか見てみると、歯のウエイトがえらいことになっていました。
もう下顎のウエイトに影響され過ぎて、もはや歯の原型がほとんどないものもあります。
これを直していくのは大変です。
なんせもう歯と体は一体化しちゃって対称にもなってないので、この状態で歯だけを抜き出して表示させることは出来ません。
かと言ってカメラのアングルを変えながら顔の中に入り、ウエイトを調節するのはかなり無理があります。
こういう時も先ほどの「選択範囲を記録」の機能が役に立ちます。
この機能はバインドした後でも使えます。
顔回りのエレメントを選択して記録した後「選択範囲を隠す」を選択したら、ほらこの通り↓歯だけ綺麗に見えるようになりました。
でもまだ上の歯が重なって下の歯が見えないので、上の歯を全部選択して記録して隠したいと思います。
ただ、重なっている部分のポリゴンを選択するのは結構大変ですよね?
カメラアングルを変えても見難いし、下手をすると外からじゃ重なった部分のポリゴンを選択出来ないこともあります。
そういう時は、ライブ選択で重なってない部分のポリゴンを少しだけ選択しておいて、キーボードのUとYをUYUYUYUYUY・・・と押すと選択範囲が拡大していくので、オブジェクト同士が重なって見えない部分のポリゴンも選択することが出来ます。
あっ(=▽=;平仮名になってると、うy・・・になるので、文字変換を英語にして下さいね。
これで上の歯の選択範囲を記録することが出来たので、下の歯だけ表示されてウエイトの調整がしやすくなりました。
ここからは地道にコツコツとウエイト調整していきます。
時間をかけてウエイトを直していくと、さっきまでガムのように伸びまくっていた歯が、ご覧の通り綺麗になりました。
下顎のボーンを動かして口を大きく開けても、下の歯がちゃんと下顎と一緒に動いてくれるようになりました。
と言っても口の中はまだねぱついたガム状態ですので、またポリゴンを記録して保存しながらこの状態をどんどん直していきます。
そして綺麗になった口の中がこちら↓。
あれだけぐちゃぐちゃだった口の中がスッキリ綺麗になりました。
喉の奥までちゃんと綺麗に見えますね。
肝心の奥歯はというと、この様にちゃんと口の筋肉の動きに合わせてついて来るようになりました。
これでどんなに口を大きく開けても離れることはありません。
(=3=;)<ふい~。疲れた。
そして上の歯茎のウエイトを調整した結果・・・・
\(>▽<)/<出たーっ!!
・・・やりました(T T)
実験通りの結果が出ました。
これが出来なかったらどうしようかと思ったけど出来ました。
あ~良かった~。
------------------------------------------------------------
ウエイト調整は結構時間がかかるので、UV展開して色を塗るのはまだまだ先になりそうです。
それでも少しずつホオジロザメが出来てきています。
嬉しいです。
今の所問題が起きても解決してるので何とか完成に進んでいますが、これからの展開でどうなるのかまだ分からないのでちょっと心配です。
大きな問題が出ないことを祈りつつ、これからも頑張ってホオジロザメを作っていきます(><)/