と、正直に話そうとするとそうなってしまうが…。ここはなにか訳ありであるという目配せを宇和島にさせ、いや、実はエスタで一緒に働いていたということにしてラグナは誤魔化してくれた。
ラグナ「というわけさ。とはいえまさかなぁ、知り合いに会えるとは思ってもなかったぜ?意外すぎる再開だなこりゃ。」
と。驚きを隠せないラグナ。しかし、驚いているばかりではいけない。後ろのお嬢さん方はラグナにとって初めて逢う客人だ。
ラグナ「っと、感傷に浸ってる場合じゃなかった。いやーお嬢さん達ようこそ希望の街【エスペランサ】へ。…まぁ迷い込んできたから好きでここに来たわけじゃないんだろうし。」
とにっこり笑みを浮かべる気さくな男。それがラグナだ。一見ちゃらんぽらんに見える格好【ジャケットにジーンズにサンダル】だが、ところどころ目配せは欠かせない。流石仮にも大国の大統領、舐めてかかってはいけない。
キノ「【この人、できるな。】いえ、旅にはトラブルはつきものなので…。いや、今回はまさかSFみたいな目に遭ってますが。」
イレイナ「SF?それ何?」
キノ「あ、ごめん。今度説明するね。…でも不思議なこともあるもので、まさか平行世界に飛ばされるなんてほんとファンタジーかSFでしか…いや、僕の周りは今それで満たされている感じかな?」