トーンか?、グレースケールか? | トリュフ・ラボ-アクマで4コマ-

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イラスト描き、マンガ描きが趣味のトリュフのブログ。

(左側はトーン、右側はグレースケール)

 

 8月にオンデマンド印刷を用いて「ヨシノとミコト編」の第一部・二部の冊子を出そうと検討しています。

 本文だけで40ページと、それなりのボリュームがあります。

 また、先日の記事の通り、作品の完成度を上げて挑む、という作戦のために印刷屋さんに頼むのは良い手だと思っています。

 

 印刷屋さんに頼む時に、いつも失敗するのはパソコンで作成した時点と印刷物の印象が著しく異なってしまうことです。

 

 前回、印刷屋さんに依頼した作品は「印刷物ではトーンが痩せてしまった(薄くなってしまった)」のが残念でした。

 これは経験を積めば回避できる様にも思いますが、こちらにはノウハウがありません。

 

 それならば印刷屋さんに行ってサンプルをもらえないか?と考えました。

 サンプル通りのトーンに置き換えれば、印刷物とのギャップをあらかじめ小さくすることが出来るでしょう。

 

 行ったのは、前から利用させて頂いている日光企画さん(東京都千代田区)です。

 オンライン入稿とかが当たり前の昨今ですが、自分はこのあたりが古風でして(笑)、デジタルで描くけど入稿は持ち込み派です。

 

 頂きましたサンプルの数々!

 難しい依頼にもかかわらず大変親身になってくださいました!

 

 ただ、残念ながら「トーン」の印刷チャートみたいなのはないとのこと。

 それならば店頭で試し刷りをして確認できませんか?と訪ねたのですが、店頭の機器は工場の機器とは異なるため、完全な再現はできません・・・とのことでした。

 

 

 その代わり、グレースケールのチャートは頂くことが出来ました。

 

 

<トーンとグレースケールの違い>

 

 マンガ原稿で中間色を表現する際の定番がトーンです。

 ご承知の通り、「網点(点だけでなくて線などもある)」の密度によって濃さを表現できるのですが、データ的にはこれは「モノクロ2値」と言って、白と黒しかないデータです。

 印刷物を見ると、大抵の場合、網点が目視できます。

 それが絵柄の味になるとも言えます。

 ただし、印刷時の「モアレ」が起こりやすくなります。

 

 

 一方、グレースケールは、印刷機の側に中間色の印刷を任せてしまう方法です。

 この場合のデータは「モノクロ2値」ではなくて、文字通り「グレースケール」と言って(一般的には)256階調のグレーの値を付加します。

 印刷物は、普通に見る限りはトーンの粒は見えなくなります(拡大すれば印刷機の解像度による点は見えます)

 カラーイラストをそのままモノクロ化したような滑らかな階調やグラデーションの表現が可能で、先進的とも言える一方、トーンの味はなくなってしまうとも言えます。

 原則として「モアレ」は起こりません。

 

 要は、作品の目指す表現や好みで決めるのが最も良い判断基準ですが、先述の通り、印刷したものがイメージと違ったという事態を避けたいならば、あらかじめサンプルで確認できる方法の方が安心なわけです。

 

 さて、グレースケールの印刷サンプルはあります・・・

 印刷原稿はどっちを採用すればいいかな?

 

 ・グレースケールにすれば印刷物とのギャップを抑えられそうだし、モアレもありません。

 ・トーン表現は僕個人としては好みです。漫画雑誌でも多くがトーンなので玄人感(笑)があります。

 でも、オンデマンド印刷に出す際には「トーンが痩せる」ことを加味して濃いめに作らなければ行けないかもしれません。

 この加減がわからないのでバクチになってしまうかも・・・

 

 

<参考>

 縮小してあるのであくまで参考ですが、トーン表現とグレースケール表現の作品を並べてみました。

 

(トーン表現)

 

 

(グレースケール)

 

 当ブログで公開している段階では「トーン表現」です。

 これは僕の好みであることと、そして画像データを軽くすることが目的です。

 (トーン表現は16色まで減色しても印象が変わりませんが、グレースケールは256色になります。

 僕は出来れば容量の小さい画像で公開して、データ転送速度や通信量制限に負担をかけないようにしたい!!)

 

 そして、実のところ「グレースケールが嫌い」ってわけでもないんですよ。

 トーンのほうが好みって言う程度です。

 

 

 
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