こんばんは、今回は久しぶりにメイキングのご紹介をします。
たまには技術的なテーマで記事を書きたいなと思っていたのですが、すぐに思いつくのがこちらでした。
手法としては、非常にオーソドックスで特記することはありませんし、ここ数年来この手法を変えていませんが、何しろメイキング記事が久しぶりですので、これが初見という方には多少はご興味を持って頂けるかと思います。
(1)ネーム
ネームは、上記の場合は右側の4コマは5分もかかってないと思います。
・・・描くだけなら。
この構図を発想するまでの時間が長いんですよ。
ただし、こんな殴り書きなので思いついてしまえば、さっさと描けます。
右半分が表情とかほとんど描いていないのですが、これは自分の頭のなかに入っているから描く必要ないのです。
こうなると、ネームは次のステップ「下描き」のためのアタリになります。
一方、左側の松井中尉は初めて描くキャラとか以前に、ネーム上でキャラデザインもやってます。
もちろん頭のなかでイメージはあるのですが、それを具体化する作業を最初のネームと一緒にやってるわけです。
あまり褒められたものでもなく、ズボラな工程と言っていいと思います(^^;)。
(2)下描き
ネームのアタリの状態から、いきなりペン入れはやってたこともあったのですが、僕の技量だとリテイクが増えすぎてかえって効率が悪く、質も落ちてしまいます。
そこで、急がば回れの心づもりで「下描き」を行います。
「下描き」の良いところは、リテイクをしても時間のロスが少ないことです。
例えば、ラインを間違えて描いた場合、本番のペン入れだったらアンドゥしたり消しゴムツールで消して描きなおすことになります。その分だけ時間をロスします。
「下描き」はちょっとした失敗は消しません。上書きしてしまいます。
結果として絵としては汚くなるのですが、ここでは「正解のライン」がわかればOKってことです。
松井中尉はネームの段階でラインが分かるところまで描き込んでしまいましたので、ネームを下描き扱いにしてしまいます。
(3)ペン入れ
ペン入れは左右反転してやります。
これで技量不足からくる絵柄の歪みを矯正することに繋がります。
デジタルってずるいね(笑)
「下描き」を左右反転させて違和感のあるところは、つまり絵が歪んでいるのです。
ペン入れでは下描きをなぞるだけじゃなくて、違和感のないようにラインを修正していきます。
また、松井中尉はこの期に及んでペン入れの段階でも「キャラデザ修正」をしていたりします。
軍服などは資料を見なおして、ネーム段階よりも忠実になるように描きます。
本当はキャラデザや調査は事前にやっとくものだと思いますが、物事には「勢い」ってのがあるんです!(苦笑)
また、「ベタ」もこの段階で入れるようになりました。
(4)トーン入れと仕上げ
やってることは図のとおりです。
ちなみに僕の作品は網掛けトーンは原則として「濃い、中間、薄い」の三段階だけです。
細かくオブジェクトごとに設定していません。
白状すると黒ベタとホワイトを加えて5階調しか使ってないってことになります。
もちろん、ラクをするためです。トーンの種類を減らせばレイヤー管理が楽になります。
効率も上がり作業が速くなります。
それでは表現の幅が狭くなる・・・それはあるかもしれませんが(^^;)
なお、背景の特殊トーンや集中線などは、その都度適用しています。
(おまけ)
GIFアニメにしてみた!!
最近、工夫していることは「臨機応変」です。
朝の時間を有効活用したいのですが、朝は「下描き」を行うのが一番やりやすい。
逆に夜は「ペン入れ」をした方が良い。
そこで、下描きが未完成でも夜はペン入れをします。
下描きは翌朝に回すのです。
場合によっては、ネームが出来てないコマがあっても、そこで漫然と足踏みをするくらいなら他のコマのペン入れやトーン入れまで進めてしまう試みも始めています。
そうすることで「出来た部分」が増えてきて作り手の心境としては安心感が湧いてきます。
この方法が正解なのかどうかはわかりませんが、何事もやってみようってわけです。
以上、メイキングでした。
おそまつさま(笑)
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