69年目の・・・ | トリュフ・ラボ-アクマで4コマ-

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イラスト描き、マンガ描きが趣味のトリュフのブログ。

広島1


 当ブログは広島原爆忌には何らかの記事をアップしていますが、今年も思うところがあって、また書くことも多いため今日と明日の2回に分けてアップします。

 今日の記事と明日の記事ではアプローチが異なりますが、望むことは一つ「核兵器の惨劇を二度と起こさないでくれ」ということです。

 今日は、書籍の紹介をさせていただきます。先月末に文庫版が発売になりました。

 「ヒロシマはどう記録されたか 上・下」
  小河原正己著 朝日文庫

 ごく簡単に内容を紹介しますと、原子爆弾の投下前夜から最近に至るまでの、広島での原爆投下がどのように報じられてきたかを解き、それぞれの現場に居合わせた人々に焦点を合わせて綴ったドキュメンタリーです。

 筆者はNHKにて原爆の報道番組に携わってきたためか、過去の原爆忌のNHK特集の解説書のような雰囲気もあります。
 また、扇情やイデオロギーに訴える表現はあまり感じません。科学的根拠や当時の状況証拠、また当事者の証言を元に、あったままの事実を記そうと心がけているような印象を受けます。

広島2

 極端に情に訴えることやイデオロギー(この場合は何らかの政治的な勢力に肩入れするかのような偏った主張)を抑え、ありのままを伝えるということ・・・、これは重要だと考えます。

 今なお、大戦の際に起こったとされる出来事が国際的な争いを招いていますが、何らかのイデオロギーが伴っているため「遺恨を解消し、将来に同様の悲劇を繰り返さない」という本来あるべき目標が蔑ろにされているような印象を受けます。

広島3

 核兵器についても同様です。しばしば原爆投下は「少なくとも間違いではなかった」のか「完全に過ちであった」のか、そのような疑問が呈され論争にもなります。
 あるいは核武装が行われることは是が非か?ということは、現在進行形の重大な題目となっています。

 これらの議論は「理想は明確なのに容易に結論は出ない」という状況になっていると感じます。なぜなら理想をも上回る力で国同士、人間同士の力関係(イデオロギー)が働きかけているからです。
 それにひるまず議論はとことん行うべきだと考えます。問題に目をつぶる事のほうが危険を感じます。

 ただし、議論の中においても絶対に見失ってはならない明確なことがあります。
それは「核兵器は二度と使ってはならない」ということです。
 被爆地の惨状という、ありのままの事実が、そのことを証明しています。

広島4


 今回の記事では「ありのままの事実」を探るヒントになるものとして前述の書籍の紹介をしました。

 文章とはいえ凄惨な描写がありますので就寝前の読書はお勧めしません。
 とはいえ広島平和記念資料館の展示の方が凄惨であり、また現実の、あの日のあの場所がどのようなものであったのか・・・これはどれだけ筆舌を尽くしても再現不可能でしょう。その意味では、ありのままの事実を伝え切っていないとは言えます。

 また、この書籍は上下巻に分かれていますが、上巻は大変に凄惨な状況の描写で終わります。読まれる場合は下巻まで通して読むことを強くお薦めします。

 長文の記事になりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。

p.s.よろしければ、この次の記事もご覧くださいませ



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