2022-23 Yogibo WEリーグ 第9節 vs アルビレックス新潟レディース | Redの足跡 ~浦和レッズレディース~

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中断期間を挟んでのリーグ戦再開。

前週の関東大学女子サッカーオープニングフェスティバルでは主力の多くが欠場してトレーニングマッチ風味となり、内容的にも決して褒められたものではなかったが、リーグ再開に照準を合わせて戦力が戻りつつあることにまずはホッとしたところ。

 

システムは4-2-3-1。

前週の全日本学連選抜戦に続き長船がリーグ戦にも復帰し、中盤から前は中断直前のリーグ戦と同じ形。

サブには柴田が復帰し、安藤や佐々木も控える心強いベンチ。

 

試合の入り、新潟のプレスに苦しめられる展開。

攻め急ぎ過ぎたという前週の反省もあってか後方からじっくり組み立てようという意識が感じられたが、逆にそれが仇となったか新潟のプレスに追い込まれて狭いエリアで窮屈なパス回しが続く。

長船が入ったことで時折見せ球の様なロングボールが前線に送られ、そのこぼれを狙う形でゴールに迫るが、新潟も良く我慢してラインを押し上げるので連続攻撃には至らない。

 

両チームともコンパクトな陣形でハードワークし、システムも同じで噛み合ってしまうため互いに狙い通りにビルドアップできず、中盤での潰し合いが続くというこの対戦カードらしい地味な展開。

一方で両チームともターゲットなり得る大型のワントップの下にオールラウンダーな攻撃的MFを置き、両SHには縦への推進力のある選手を配するという似た様な布陣で、そこを強引に使った時の方がチャンスになり、地味な展開ながら気の抜けない一進一退の攻防が続く。

 

時間が経つにつれ新潟のプレスが落ち着き、ややレッズレディースのボール保持率が高まるが、アタッキングゾーンでの精度を欠きスコアレスで折り返す。

 

 

レッズレディースは後半頭から菅澤に代えて安藤、塩越に代えて柴田を投入し、島田ワントップ、清家を左から右のSHに移して安藤を左SHに入れる。

正直に言うと前線及び中盤でタメを作れる2枚を同時に下げるのはどうかと不安視したのだが、結果的にはこれが劇的な効果を生み、しかも2枚同時というのが大きなポイントだったように思う。

 

まずは守備面での機動力が上がり、前線の島田の追い回しから中盤の球際へのアプローチも良化し、柴田も久しぶりの実戦とは思えぬ読みとボールさばきでチームを落ち着けたかと思うと逆にハラハラさせる様な激しい守備でボールを刈り取る。

守備でリズムを作ると攻撃に切り替わっても島田が鋭い動き出しでボールを引き出し、空けたスペースを安藤や清家が中に絞って使うなど動きの流動性も高まる。

 

一方で新潟の方は前半終了間際のアクシデントで道上がアウトしたことで高い位置での起点が作れなくなり、流れは完全にレッズレディースへ。

それでも新潟はこれまた新潟らしくゴール前を固めて粘り強く耐えていたが、それならばと新潟が押し上げてきたところを逆を取るように裏へ飛び出した島田がゴール。

猶本の素晴らしいターンから流れる様な高精度の縦パスと、そのタイミングによくぞ合わせたという島田の飛び出しと力強いシュートは現地で観ると異次元のプレーにさえ思えた。

 

先制後も完全に主導権を握りチャンスを作るものの仕留めきれず、観ている方もジリジリし始めると、おそらくもっと遠くを見ていたであろう長船の強いキックを近くにいた栗島が収めようとして流れてしまい、そこを奪われそのまま攻め切られて失点。

データで振り返ると後半唯一の被シュートで同点にされる。

 

その後も攻め続けるが仕留められないレッズレディースはシステムを4-4-2にして清家をFWに移し勝負をかける。

すると81分、相手陣内での猶本のFKから石川が身体を投げ出すようなダイナミックなヘディングで叩き込みついに勝ち越し。

 

最後は水谷に代えて佐々木を投入し盤石な形で試合を終わらせる。

 

2-1の勝利。

 

 

ホッとしたというのが試合終了直後の感想であり、それから久しぶりの公式戦勝利にじわじわと嬉しさが込み上げてくるといった感じだった。

 

苦しめられはしたが90分通してみるとレッズレディースの試合であり、勝負所で勝ち越しゴールを奪い地力の差をしっかり勝点3に結びつけた結果を評価したい。

 

2ゴールも豪快で素晴らしかった。

 

それ以上にハーフタイムでの2枚代えによる劇的な変化には恐れ入ったし、また戦力が揃いつつある中での競争という意味でもポジティブに捉えたい。

 

さあ、次は久しぶりのホームゲーム。

多くのファンサポーターの前でさらに躍動してくれることを期待する。

 

 

以上。