■試合結果
2015年4月19日(日)13:00キックオフ・デンカビッグスワンスタジアム
アルビレックス新潟レディース 1-0(前半1-0) 浦和レッズレディース
得点:15分 佐伯 彩(新潟L)
観衆:1,261人
■スタメン
スタメンは前節から変わらず。
注目していた左SBは和田を継続。
私個人はここ2試合直接失点に絡んでいる和田より、コンディションが万全なら前節結果を残した臼井を使うべきだと考える。
ただ和田の能力も分かっているつもりだし、どちらかに固定してシーズンを乗り切れるポジションではないので、悪い状態を引きずってサブに回すより前節勝った勢いに賭けて継続というところか。
一方で臼井の方のモチベーションのケアもしっかりとやってもらい、互いに成長できる競争が生まれることを期待する。
サブにはさっことのんが抜けて田尻と大戸が入る。
大戸は初のベンチ入りだが能力的には最後尾と考えており、台所事情の苦しさが垣間見える。一方で大戸自身はそんな中でよく我慢しながらコンディションを整えてきたのだろう。
ユースの時から注目していた選手なので感慨深いし、もう一歩出場機会を得るところまで成長を続けてもらいたい。
後藤 吉良
加藤 柴田
猶本 岸川
和田 高畑 乗松 栗島
平尾
サブ:田尻、臼井、鈴木、千葉、大戸、白木、清家
■途中交代
HT: 猶本 -> 清家
華がボランチに移り清家が右SHへ。
60分: 加藤 -> 白木
三知が左SHへ移り白木がトップへ。
64分: 和田 -> 臼井
同ポジションでの交代。
また明確な指示があったか分からないが、同時に三知が中央にポジションを取り、左SHなしの変則スリートップのような形となった。
■得点シーン
15分 佐伯 彩(新潟L)ハーフライン付近で左サイドに開いた和田が中央に横パスを送ると、カットされてそのまま縦に突破され、相手2選手と乗松が1対2の形。
ずるずるとペナルティエリア内まで下がり、シュートコースを作ろうとする相手に乗松がうまく対応したかに見えたが、しぶとく足を出されてやや前に出た平尾の脇をコロコロと転がりゴールの中へ。
*4月21日0:11追記
対応したのは高畑ではないかとの情報がいくつかあるので、確認できる映像等があったら訂正する。
■試合内容
序盤、レッズレディースの入りはよく、攻守の切り替えや集散が速い。
連動したプレスで相手を囲い、ボールを奪うとシンプルにワイドに開いてテンポよくボールを回す。
開始直後には相手のバックパスを三知が奪いあわや先制との場面を作るなど、新潟は下げるか苦し紛れに蹴るかの状況。
またコンパクトな中で両SBが高いポジションを取れ、2-4-4のような形で猶本や華のボールタッチ数も多かった。
セカンドボールの争いでは猶本が高い位置に入り過ぎて岸川のカバーエリアは広かったが、それでも互角以上だった。
一方で新潟はしっかりと引いてブロックを作るが簡単にくさびを入れさせてくれ、どちらかと言えば新潟の方が良くない状態だという印象を受けた。
そんな中でレッズレディースに足りなかったのは勇気。
テンポよくボールを回すが、アタッキングサードでの仕掛け、裏へのパスが出ない。
失点はその象徴とも言え、消極的なプレーが目立っていた和田が縦ではなく自陣での横パスを選択したことがきっかけとなった。
その後も同じような展開が続き、レッズレディースは押し込みながらシュートまで持って行けず、逆に新潟は少ないながら思い切った勝負のパスを送り、CKからクロスバーを叩くシーンを含め3本ほど決定機を作られた。
後半頭から猶本に変えて清家投入の思い切った策。
後半開始直後に2本ほど清家が個での突破を図り相手を押し下げると、主導権は完全にレッズレディース。
ここから攻めるレッズレディースと守る新潟の我慢比べが始まる。
新潟は低い位置にブロックを作り、得意のゴール前での粘り強い守備で跳ね返し続ける。
レッズレディースは両SBが高い位置を取り新潟陣内で完全に相手を包囲してゴールへ襲い掛かる。
攻撃の形も放り込み一辺倒にはならずサイドからコンビで崩したり、清家が個でえぐったり、中央に入った華がドリブルで突っかけたり速いくさびのパスからワンツーで抜けようとしたり、また狭くなったら慌てずに後ろに戻しサイドを変えて揺さぶったり、しいて言えばミドルシュートが足りなかったが、攻撃のバリエーションや工夫は見られて決して攻め方として悪くはなかった。
もちろんリスクを冒して攻めているので致し方なしのカウンターは何本かくらったが。
後半ほぼ一方的に押し込み続け、白木、臼井と投入してなおも攻め続けるレッズレディースだが、結局最後までゴールが遠かった。
0-1での敗戦。
■まとめ
想定していた通りの我慢比べで敗れた。
足りなかったのはゴール前での力強さ、勝負強さ。
確かに北原選手を中心とした新潟のゴール前は固かったが、何本もペナルティエリア内にパス、クロスを供給しながら1点が奪えなかった。
あれほど攻め込みながら三知、白木、吉良という異なる特徴を持ったタレントが後半はシュートさえ打つことが出来なかった。
もちろん消極的なプレーから失った1点が悔やまれるのだが。
結果が伴えば大きな自信となる内容で、きっとその消極性も吹き飛ばせたのだろうが、残念。
これで1勝3敗。
レギュラーシリーズ優勝(ESへ一位通過)へ向けて崖っぷち。
それでもぶれずに前を向けるのは2013、2014年の経験があるからだ。
■その他
長野から泊志穂と齊藤あかねが新潟まで観戦に来てくれて、元気そうな姿で顔見知りのサポーターやウォーミングアップ前に出てきた選手たちと挨拶を交わしていた。
頭によぎったのは大滝麻未、泊志穂といった苦しい時に意識的に明るく引っ張ってくれる選手が抜けた後、それに近い役割を誰がこなしているのか、こなせるのかということ。
無い物ねだりをしても仕方がないけれど、こういうキャラクターの重要性を改めて思い起こさせられた。
以上。