クラブの公式HPでは告知されなかったが、熱心な方々ならご存知だったであろうレッズレディースのエキシビジョンマッチ。
vs ジェフユナイテッド市原・千葉レディース
代表選手はアジア大会で不在。残った選手も器用に魅せるプレーをするはずもなく、エキシビジョンという名目のトレーニングマッチであることは疑いようもない。
私も当然お祭り試合を観るつもりなどなく、チームの強化状況、特に実戦で観ることのできない控え選手たちのプレーが観れることを楽しみにいそいそとフクアリへ。
45分の前後半。選手交代は再投入もありの無制限といったところ。
■試合結果
ジェフユナイテッド市原・千葉レディース 2-2(前半0-2) 浦和レッズレディース
■スタメン
ざっくりいうと両チームとも前半は代表選手を抜いてのレギュラー組。
レッズレディースは後半頭から人の足りない2ポジションを残し総取っ代え。
ジェフは後半途中から徐々に控え組の選手を投入。
前半
後藤 大滝
加藤 柴田
長野 岸川
和田 高畑 堂園 齊藤
池田
後半
清家 泊
塩越 遠藤
岸川 大戸
和田 竹内 南 石井
田尻
ジェフは代表の菅澤選手、山根選手に加えて筏井選手と千野選手が見当たらず、センターラインがごっそりと不在。
レッズレディースも松本以外の二種登録4名がピッチに立った一方で上記に名前のない選手は姿も見えず。
■得点シーン
*レッズレディースのみ
1点目:齊藤あかね
ゴール前やや右からながふうのスルーパス。右サイドからディフェンスの裏へ走り込んできたあかねがフリーで受けてそのままドリブルシュート。
走るスピードを殺さずトーキック気味の小さい振りながら、シュート自体は力強い弾道で突き刺さる。
2点目:大滝麻未
ハナが右サイドライン際深い位置に大きく蹴り出したボールをあかねがディフェンスの裏で抑え、サイドを持ち上がりクロス。ニアサイドで大滝がヘディングで合わせゴール。
スピードのあるクロスに背の高い大滝がGKの前に飛び込んで合わせるダイナミックな得点。
■試合内容
試合展開をなぞるのはやめて、私的に目に付いたポイントを個々の選手を中心につらつらと。
前半に目立ったのは代表組の代わりに入った大滝、ながふう、あかねの3選手。
大滝はこれまで三知の代わりに起用され、苦手なポスト役になったり、逆に動きすぎて中央に起点がなくなるなど機能しなかったが、この試合は三知を中央に据えた状態で得意の動きなが受けるプレーができたことにより気持ちよくプレーしていた様子。
また三知との距離感もよく、縦関係になりくさびのボールをスルーしてリターンをもらうなど、ツートップでの動きのコンビネーションも出せていた。
スタメン奪取へ気持ちも見え、何よりもゴールという結果が出たのも好材料。
このツートップの組み合わせももう少し成熟させていけばかなり面白いのではないかという可能性が感じられた。
ながふうは猶本の役割というよりのんに近いプレーぶり。
あまり定位置から離れ過ぎず、気の利いたポジショニングでボールを引き出し、シンプルに速い判断でさばいてリズムを作る。
非常に落ち着きもあり、相手の逆を取って局面を変えるプレーにもハッとさせられる。
きっちりとアシストという結果を出したところも素晴らしい。
そして1ゴール1アシストのあかね。
ゴールもアシストもスピードと力強さの同居した彼女らしいシーン。
映像に残らないのが本当に残念なくらい素晴らしい2得点。
ずっと固定されながら攻撃的には少し物足りなかった彩乃の右SBのポジションを脅かす活躍だ。
前半の狙いとしては公式戦ここ2試合で兆候のあったスイッチの縦パスからの速い崩しをトライしているのと、ツートップ、ツーボランチ、SHとSBなど局面での2選手の距離感を意識しているように感じられた。
また、久しぶりにプレーを観たさっこも、終始無難で足元の技術の高さもみせてくれた。
後半に入ると選手も総取っ代えでチームのクオリティはガタっと落ちる。
判断も遅く技術的なミスも多く、ほぼ全員がそのような状況であるからさらに詰まってしまう。
そんな中で2失点のほかピンチも多く、逆にチャンスはおろかペナルティエリアに侵入するシーンも数えるほどだった。
これはある程度仕方がないことであり、見方としては個々の選手が何ができたのかということにポイントを移したい。
まず目立ったのは泊。
ボールを受ける動きの質も量もあり、苦しいビルドアップの中ですがるようにボールを放り込まれていた。
高さの面では相手DFに完全に支配されたが、足元では細かいステップで局面をかいくぐり時間を作ったり、裏への飛び出しも何度もトライし、抜け出した際には後方からバウンドしてくる難しいボールをダイレクトでシュートするなど少ないチャンスをものにしたいという気持ちが強く出ていた。
後半途中にゲームキャプテンを任されていた岸川が退くと、キャプテンマークを腕に巻くという微笑ましいシーンも。
逆に清家の方は細かい動き直しが少なく、単発で裏を狙う動きにボールが出てこない。
ボールタッチ数は泊と比べたら圧倒的に少なかった。
出し手のクオリティが高ければスピードとフィジカルを単純に活かせるだろうが、こういった状況の中で何をしなければならないのか、隣でプレーした泊がら学び成長につなげて欲しいものだ。
その他では回数こそ少なかったが遠藤の縦への力強い突破や、塩越のひらりひらりと鋭角に切れ込んでいくドリブルなどユースで観せてくれているプレーもあったり、大戸はボランチで攻守の切り替えに苦労しながら一発のスルーパスで遠藤を裏へ走らせて後半最大のチャンスを作ったり、田尻はキックの質はまだまだだが素晴らしいシュートストップが何度かあった。
うっちーはプレーの質でまだまだ課題は多いが球際では激しさがあり、南は落ち着きはあったがプレースピードとポジショニングに課題が。石井は無難にプレーしていたが、トレーニングマッチらしくもう少し思い切ったプレーがほしかった。
特に公式戦でのプレーがなかったり、少なかったりする選手については少しづつ触れたかな。
とりとめもなく書きなぐったが、コアなファン、サポーターの方々にとってはある意味では最高のエキシビジョンマッチだったのかもしれない。
以上。